みなさん、日本の伝統的な発酵食品のひとつ、「めはり寿司」をご存知ですか?
奈良県吉野郡を中心とした吉野地方と、和歌山県と三重県にまたがる熊野地方の郷土料理なんです。
この熊野地方は、今回取り上げるめはり寿司のほかに、さんま寿司と呼ばれる魚とご飯を乳酸発酵させたお寿司もあったり、発酵文化がとても発達している地域なんですよね。
今回は、めはり寿司とはいったいどんな食べ物なのか、まとめてみました。
めはり寿司とは?
めはり寿司は、熊野地方でつくられた高菜の漬物でごはんをくるんだおにぎりを指しています。
熊野地方とは?
三重県と和歌山県にまたがった紀伊半島南部の「熊野地方」は、大化の改新前にあった「熊野国」がもとになっている地域で、日本書紀にも登場する歴史のある地域です。
「熊野」という地名の由来は諸説ありますが、「熊」という字には、「神様が宿る場所」という意味もあり、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)や熊野古道は、古代の神さまが住んでいるスピリチュアルスポットとして認識されることもあります。
めはり寿司に使われる高菜
めはり寿司に使われる高菜は、熊野市の中でも冬の気温が低く、霜が降る地域で作られています。その霜が当たるおかげで葉肉が厚く、辛みも強い高菜ができます。
参考:コトバンク
https://kotobank.jp/
「三重緑辛1号」というこの地域にしかない青高菜の品種は、めはり寿司に使われることがとても多いそうです。適度な辛みがあるのがおいしそうですよね。
日本で最古のファストフード?
めはり寿司は、日本最古のファストフードともいわれています。
その理由は、この熊野地方ではたらくきこりのお弁当として、片手で早く食べられておいしいめはり寿司が作られたのがはじまりだといわれているためです。
確かに片手でも食べやすいし、お野菜もごはんも一度に食べられて、当時のお弁当としては画期的だったでしょうね。
名前の由来は、大きくておいしいから?
「めはり寿司」は、1つがとても大きいことでも知られています。
大きいめはり寿司は、なんと直径10センチメートルほどにもなるのだとか!片手では持ち切れませんよね。
この大きいみどりのめはり寿司を、口にほおばろうとするときに目を大きく開けて目を見張ること、そして、食べておいしくてまた目を大きく開けることから、目を見張るような寿司=めはり寿司と呼ばれるようになったといわれています。
めはり寿司の味
めはり寿司は、それぞれの家庭やお店によって、アレンジが加えられ、いろいろな味のものがあるようです。
中に入っているお米は、白米のもの、酢飯のもの、麦飯のもの、五目御飯のものなどさまざまで、中に刻んだ高菜漬けが入っているもの、ごまごはんになっているもの、その他全く違う具が入っているものなど、いろいろな種類があります。
また、外側の高菜は、そのまま高菜の漬物でまかれているだけのものもありますが、酢醤油などで味付けされたものもあります。
めはり寿司を食べた人の口コミ
https://twitter.com/hiroROONEY/status/1108592959493033984和歌山市「総本家めはりや 和歌山店」で"めはり寿司"を頂きました。
新宮市に本店をもつ、紀州の郷土料理めはりずしが本格的に味わえるお店。
一般的なお寿司というよりは、高菜漬けの葉に包まれた握り飯という料理。朴訥な外観なれど、高菜の香りと米の相性がたまらない染々とした美味しさでした♪ pic.twitter.com/PL7JV4sxJ8
— 恋々 (@renren_hungry) March 21, 2019
https://twitter.com/fufutyanpuru/status/1108328083122065408近畿道の駅コンプリートを祝って名物のめはり寿司とサンマ寿司!!コレで400円は安いわ。 pic.twitter.com/pCg1znwNnC
— じぇみぃ (@geminass191) March 21, 2019
和歌山きたらめはり寿司食べるマンと化すゆごさん(=ч=*)゛(おいしいのら) pic.twitter.com/xBY3Au0EmU
— ゆごさん (@yugosa_ja) March 22, 2019
めはり寿司の栄養
めはり寿司に使われる高菜は、とても栄養が豊富な緑黄色野菜で、ビタミンB群やビタミンC、βカロテンもたっぷり含まれています。βカロテンは、若返りのビタミンといわれたりもしますよね。
そして辛みのもとになっているのが「アリルイソチオシアネート」で、抗酸化作用や殺菌効果も期待できます。動脈硬化予防や抗がん作用も注目されている物質なんですよ。
乳酸菌発酵の漬物なので、腸内環境改善効果も期待できるし、美容や健康によい栄養素がたくさん詰まっています。
腸活的にもめはり寿司、おすすめです♪
まとめ
めはり寿司は、熊野地方の寒さに耐えた丈夫な高菜と乳酸菌が一緒に作った高菜漬けを使った、栄養満点のお寿司でした。
栄養はもちろんのこと、食べた方はみなさん、おいしいっておっしゃっているのが印象的で、素朴でありながらみんなに好かれる味であることがとてもよくわかります。
乳酸発酵のお漬物は、やっぱりお野菜と乳酸菌の両方が一変に食べられるシンバイオティクス食品なので、食べたことがない方は一度食べてみてほしいなと思います。
参考にしてみてね♪