飽食の時代―。この世には、たくさんのダイエット法があふれています。
結局、どのダイエット法がいちばん痩せるの?
いちばん痩せるダイエット法をひとつだけ教えてほしい!
そう思ったことはありませんか?
今回はカナダのトロント大学で行われた、複数のダイエット法の効果を比べたダイエットのメタ分析をご紹介してみたいと思います。
音声で聞きたい方はコチラ>
世の中にはダイエット法があふれている
わたしは腸活ダイエットで1年に10kg痩せた経験があります。それをきっかけに腸内細菌はもちろん、発酵菌全般のことが大好きになってしまいました。
そのため、個人的には、どんなダイエットよりも腸内細菌と協力して、痩せ菌を増やしていくのがいちばん確実に痩せられると思っています。
しかし、これはちょっと偏った考えかもしれません。体験があると、どうしてもひいきしてしまいます。
今回は私の経験を話すのではなくて、ちゃんと科学的な研究に基づいて、どのダイエット法がいちばん痩せたのか、公式に発表している方たちの論文をご紹介してみたいと思います。
3種の基本ダイエットとは?
今回紹介する論文では、11種類のダイエット法を解析しています。11種類のダイエット法をおおまかに分類すると、3つのダイエット法に分けられることがわかりました。
3つのダイエット法とはこちらです。
バランス栄養食
低脂肪食
私たちが食事でとる栄養素は、大きく分けて3つあります。ひとつが炭水化物、ふたつめがタンパク質、そして最後のひとつが脂肪です。
=分解するとブドウ糖になる。重要なエネルギー源のひとつ。
タンパク質
=分解するとアミノ酸になる。エネルギー源になるのはもちろん、筋肉やホルモン、酵素などの材料になる。
脂質
=分解すると脂肪酸とグリセリンになる。エネルギー源になるのはもちろん、ホルモンやビタミンの材料になる。
1品しか食べないような偏ったダイエットは、あまり健康的な方法ではありません。そのため、そもそも科学的にはおすすめされません。今回はこのような偏ったダイエット法は除外します。
きちんと食事のバランスをコントロールしながら痩せるなら、この3つの方法しかないんです。
3つのダイエット法の詳細
この3つのダイエット法の違いは、摂取する栄養素のバランスです。この論文では以下のように定義しています。
炭水化物:40%以下
タンパク質:約30%
脂質:30~55%
炭水化物:約55~60%
タンパク質:約15%
脂質:約21~30%
炭水化物:約60%、
タンパク質:約10~15%
脂質:20%以下
低炭水化物食は一般的には全体の60%近く摂取している炭水化物を40%ぐらいに落として、代わりにタンパク質と脂質を多めにとる食事法のこと。そして、低脂肪食は一般的に20~30%は摂取している脂肪を20%以下に抑えるという食事法のことです。最後のバランス食はその真ん中に位置します。
11種類のダイエット法を比べてみよう(論文紹介)
それでは、この3つのうち、どの方法がダイエット効果が高かったのか見ていきましょう。
2014年にカナダのトロント大学をはじめとるする研究チームが発表した研究結果(※1)があります。この論文でわかったことはこちらです。
そうなんです。実はすべてのダイエット法で同じくらいの効果がありました。逆に言えば、3つのダイエット法に差はありませんでした。
実際の数字はこちらです。
6ヵ月後:8.73kg減
12ヵ月後:7.25kg減
6ヵ月後:7.99kg減
12ヵ月後:7.27kg減
6ヵ月後:6.78kg減
12ヵ月後:5.70kg減
細かいところまで見れば、低炭水化物食がいちばん効果が高いというデータがでました。しかし、この実験を行った研究者の方々は、この差は有意な差とは言えないし、効果は人によるとおっしゃっています。
データだけ見ると、炭水化物をちょっと減らしたほうがいい気がしますが、確かに人によって好きな食べ物は違うし、体質によって合う食べものも違います。
ガマンしないといけない場合はなかなか続かなくて挫折してしまうし、続けやすい方法を自分で見つけていくことが大事そうですね。
腸活の観点からみても、このバランスだけでどれがいいか言うのはちょっと難しいかもしれません。
最近はカロリー制限よりも、食べる時間を制限して、食事をする時間をコントロールしたほうがいいという結論の論文が増えているんです。
空腹時間を作ることの大切さ
近年、空腹時間の大切さがますます注目されています。
例えば2012年にアメリカで行われた研究(※2)をご紹介してみましょう。
マウスをこちらの4つのグループに分けて、5か月続けたらどのくらい体重が増えるか、もしくは増えないか、変化を調べました。
普通食を1日のうち8時間摂取できるマウス
高脂肪食を自由に摂取できるマウス
高脂肪食を1日のうち8時間摂取できるマウス
普通食を食べていたマウスは、どちらも肥満にはなりませんでした。しかし、高脂肪食を食べたマウスのうち、自由に食べていたマウスは体内時計がくるってしまって、肥満になってしまいましたが、1日のうち8時間に制限したマウスはそこまで体重が増えませんでした。
実際の体重変化はこちらです。
普通食+自由:25g→約32.6g
高脂肪食+時間制限:25g→約34.2g
高脂肪食+自由:25g→約47.4g
明らかに高脂肪食+自由に食べていたマウスだけ、大きな体重変化があったんです。
これはマウスの実験ですが、人間でも毎日の生活リズムは大事だと言われています。ずっとお菓子を食べ続ける生活ではなくて、ちゃんと自分なりのリズムを作って、太りにくい体を目指したいですね。
参考にしてみてね。
ばいばいきん。
参考:研究結果&論文等
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25182101/
Time-restricted feeding without reducing caloric intake prevents metabolic diseases in mice fed a high-fat diet.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22608008/
※この内容は、診断・治療または医療アドバイスを提供しているわけではありません。あくまで情報提供のみを目的としています。
※診断や治療に関する医療については、医師または医療専門家に相談してください。この内容は医療専門家からのアドバイスに代わるものでもありません。