「ランチは何を食べてもOK!夜食べなければいい」と言われることがあります。
しかし、「夜だから太る」「昼だから太らない」という話は、ちょっと根拠が薄いのでは?という内容の研究論文も多いので、信じすぎは禁物。
わたしは、ランチだからといって、爆食いはしないようにしています。
というわけで今回のテーマは痩せるランチ!
ダイエット中に食欲が増えすぎてドカ食いしないためのコンビニランチメニューを考えてみたいと思います。
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やってしまいがちなNGポイント
まずはついついランチ選びでやってしまいがちな良くない習慣をおさらいしてみましょう。
気を付けないといけないポイントは、以下の2点です。
1:1品料理ばかり食べてしまう
ランチは、3食の中で、比較的スピード感が重視される食事です。
お仕事中や学校で食べることが多いので、ランチを食べる時間が決まっています。外食するなら、そのお店まで行く時間、提供される時間、食べる時間、仕事場までもどってくる時間、すべてを合わせて1時間。買ってきて食べるにしても、ゆっくり選ぶ時間はありません。ついつい毎日同じものを食べてしまいがちになります。
例えばこんな安い・早い・うまい食事は人気です。
牛丼、天丼、うな丼、カレーなどの丼もの
お蕎麦屋さん、ラーメン屋さんなどの麺類 など
ファーストフードのチェーン店は、安い・早い・うまいがモットーですから、時間のない私たちのランチにはもってこいです。それ以外の通常の個人店でも、ランチにはファーストフード店に負けない安い・早い・うまいランチを提供します。ランチ時間は、その日いちばんのかき入れ時です。どれだけお客さまをたくさんお迎えして、回転数を増やすのか…シビアに売上目標をたてているお店ほど、いろんな作戦をたてています。
1品料理で早く提供でき、なおかつ満足感のあるランチが自然と増えていきます。でも、ストイックに安い・早い・うまいを実現しようとすると、どうしても炭水化物であるお米や麺、そしてパンの量が増えて、糖質中心のランチになってしまうことが多いのです。
お料理する方ならわかるかもしれません。1品料理は、比較的短時間で作れます。そのわりに、満足感の高いお料理が多く人気があります。カレーやラーメン、オムライスにパスタなど。炭水化物が中心で、早く作れて、早く食べられるから、ランチでは人気がありますよね。
安い・早い・うまいの代償は、糖質の多さです。そう1品料理ばかり選んでいると、私たちの昼食はどうしても糖質が多くなってしまうんです。
2:糖質ばっかり食べてしまう
糖質が多い炭水化物は、食べた直後はとても満足感が高くなります。でもそれは、食べた直後だけ。ランチはまだこれからお仕事や学校でがんばらないといけない時間です。このタイミングで糖質を大量に摂取してしまうと、そのあとの集中力が鈍ってしまうことがわかっています。
糖質を多く含む食事をすると、血糖値が急上昇します。
この血糖値を下げるために、膵臓から大量のインスリンというホルモンが分泌されて、血糖値が今度は急に低下します。
↓
血糖値が上がる
↓
インスリンを分泌し、
血糖値を下げる
↓
脳に糖分が届かず集中力が低下する
脂肪を蓄えようとして太りやすくなる
その結果、脳に糖分がいかなくなって、集中力が下がってしまいます。
お昼ご飯を食べた後に眠くなることありませんか?
これは、血糖値が下がり過ぎてしまっている状態です。インスリンの分泌が増えると、わたしたちの体は脂肪を蓄えようとしてしまいます。だから血糖値の上昇を緩やかにすることを目指した食事にすることが重要です。
でもそれだけではありません。
糖質が多すぎるランチを毎日食べていると、タンパク質が不足しがちになります。すると、食欲がどんどん増えてしまいます。
この考え方のことを、「プロテインレバレッジ仮説」といいます。
プロテインレバレッジ仮説とは?
プロテインレバレッジ仮説とは、「人は1日のタンパク質の必要量を満たすまで食事をとろうとする」という考え方です。
=タンパク質の摂取量と食欲は反比例する
=人は1日のタンパク質の必要量を満たすまで食事をとろうとする
かんたんにいうと、たんぱく質が不足していると、いつまでたってもお腹がいっぱいと感じることができないという、おそろしい仮説です。このプロテインレバレッジ仮説は、2005年にイギリスのオックスフォード大学のシンプソン博士が発表しました。発表された当初から、研究者の間でかなり注目され、その後もいろいろな研究が行われています。特に気になるのが2011年にシドニー大学で行われた研究(※1)です。
22名の方を対象に行った小さな研究です。この方たちを2つのグループに分けて、食欲に違いが出るかどうか調べました。
いつもと同じように食事をする
4日ごとにタンパク質の量を増やしていく
4日間:摂取カロリーの10%のタンパク質
4日間:摂取カロリーの15%のタンパク質
4日間:摂取カロリーの25%のタンパク質
グループ2では最初のたんぱく質が不足していた4日間は、毎日どんどん食欲がふえていったことがわかりました。しかし、たんぱく質の量を増やしていけばいくほど、食欲のコントロールが問題なくできるようになったというのです。
たんぱく質の力、すごいですよね。
糖質ばかりのランチを食べると、夜ごはんの前にお腹がすいたり、夜ごはんに爆食したくなる可能性が高くなることがわかります。
痩せるランチのポイント
これらを踏まえて痩せるランチのポイント3点を整理してみましょう。
1:1品メニューは選ばない
カレーライスや牛丼、ハンバーガーやオムライス、そしてパスタやラーメンなどなど1品だけのメニューをあえて選ぶのはやめましょう。
2;タンパク質を最低15%はとる
摂取カロリーの10%しかとらないと、日に日に食欲は増していく一方なので、タンパク質は全体の摂取カロリーの少なくとも15%はとるように意識しましょう。
3:血糖値をあげすぎない(低GI食品をなるべく選ぶ)
血糖値をあげすぎない低GI食品を摂ることで脂肪をためすぎない体づくりを目指します。低GI食品といえば・・・実は腸活にもいいとされる食べ物が多いんです。
オートミールや玄米、全粒粉パンなど
腸活してたら自然と低GI食品を選べそうです。しかし、注意が必要なのが甘い野菜。ニンジンやトウモロコシ、かぼちゃやジャガイモなどのイモ類は、野菜の仲間ですが高GI食品です。また、小麦粉・砂糖を多く使用したものは軒並み高GIなのでなるべく避けたほうがよさそうです。
コンビニ飯なら、1品メニューの丼物やお弁当を買うのではなく、炭水化物はおにぎり1つぐらいに抑えて、代わりにタンパク質をとりましょう。私がよくやるのはこんなバランス。
+サラダフィッシュORサラダチキンORたまご
+具沢山スープ
おにぎりはしろごはんではなく、なるべく茶色い玄米や雑穀米がおすすめです。
参考にしてみてね。
ばいばいきん。
参考:研究結果&論文等
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/bjhp.12113
Protein Leverage Affects Energy Intake of High-Protein Diets in Humanshttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23221572/
Testing Protein Leverage in Lean Humans: A Randomised Controlled Experimental Studyhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3192127/
※この内容は、診断・治療または医療アドバイスを提供しているわけではありません。あくまで情報提供のみを目的としています。
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