【この記事で解決できるお悩み】
・ぬか漬けに入れた昆布は入れっぱなしで大丈夫?
・昆布にぬめりが…これって腐ってる?
・取り出すタイミングが分からない…取り出したら食べてもいい?
この記事では、こんなお悩みを解決します!
うま味たっぷりで、かんたんにぬか床の塩味や酸味が調整される、究極のおたすけ食材と言えば「昆布」です。
一方で、ぬか床に昆布を入れるのはかんたんだけど、いつ取り出すのが適切なのかわかんない…そんなお悩みを持つ方も。
そこで今回は、ぬか漬けの昆布は入れっぱなしでも大丈夫なのか、発酵のプロが大解説!
ぬか漬けに入れた昆布は、その後どうしたらいいのか整理してみました。
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この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
結論:ぬか漬けの昆布は入れっぱなしで大丈夫!
結論から言うと、ぬか漬けの昆布は入れっぱなしで問題ありません。
もし入れっぱなしが気になる人は、とりだしてももちろんOK。
んまぁ、平たく言うと、どっちでもいいんです。笑
きにしない、きにしない。
昆布は意識しておかないと、ぬか床の中で知らぬ間に行方不明になってしまうから、絶対に取り出したい人はきちんと場所を覚えて、管理する必要があります。
昆布は後から取り出そうとするととても管理が難しいので、元から取り出さないつもりのほうが気が楽だよ…笑
入れっぱなしの昆布はどうなる?
ぬか床の大きさや、最初に入れる昆布の大きさにもよりますが、しばらくぬか床に入れっぱなしにした昆布は、少しぬめぬめとした手触りに。
そして、ぬか床につけ始めてから約1か月ほどで、昆布は分解されて、行方不明になります。
ぬか床の栄養分として溶けてなくなるので、そんなに心配しなくても大丈夫!
昆布のぬめりの正体は「フコイダン」
昆布の粘り気(ぬめり)の原因は、フコイダンです。
フコイダン
=水溶性食物繊維の一種
=藻類に含まれる特有のぬめり成分
=免疫力を高めたり、抗ウイルス・抗アレルギー効果がある
フコイダンは昆布やメカブ、ひじきなどの海藻類に含まれる水溶性食物繊維の一種で、腐敗とは特に関係がありません。
むしろ水溶性食物繊維は腸内細菌のエサになるので、腸にとってはとても良い成分なんですよ。
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昆布をぬか床に入れっぱなしでもよい理由
ぬか床に昆布を入れっぱなしにしても良い理由は、2つあります。
一つずつ見ていきましょう。
ぬか床にうま味が加わり、おいしくなるから
昆布を入れっぱなしでもよい理由の1つ目は、ぬか床にうま味が加わり、おいしくなるからです。
うま味
=アミノ酸の一種
=おいしさの素であり、減塩に役立つ
昆布に含まれるアミノ酸は、グルタミン酸とアスパラギン酸です。
昆布をぬか床に入れると、昆布に含まれるグルタミン酸とアスパラギン酸のおかげで、ぬか床の塩味や酸味が抑えられ、まろやかな味になります。
しょっぱい漬物やすっぱい漬物がニガテで、まろやかな味を好む場合は昆布を入れるのがおすすめです。
味が薄く感じたり、塩味や酸味が気になってきたら、まずは昆布を入れるというのが一般的です。昆布はグルタミン酸とアスパラギン酸の両方が入っているので、深みがあるうま味を感じられるかも?!
昆布は通常、3~4日でうま味成分がなくなり、ぬか床に移動します。
昆布が入れっぱなしになっていることが気になる場合は、うま味成分がなくなったこの段階で取り除いてしまっても問題ありません。
入れっぱなしでも昆布が腐る可能性は低いから
昆布を入れっぱなしでもよい理由の2つ目は、入れっぱなしでも昆布が腐る可能性は低く、特に害がないからです。
そのままでいいってのは、ありがたいはなしですね、ほんと!わたしのようなずぼらさんでも、安心です。
ぬか床に入れた昆布は、少しずつうま味成分がぬか床に流れ出し、味はどんどん薄くなっていきますが、昆布が原因でぬか床が腐るということは、めったにありません。
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ぬか床が腐るとどうなる?
ぬか床に入れた昆布にぬめりがついているのは、昆布に含まれるフコイダンのせいですが、ぬか床に腐敗菌が繁殖して、いわゆる「ぬか床が腐った」という状態になることもまれにあります。
その場合の特徴は以下のとおり。
ひとつずつ見ていきましょう。
カビが生える
ぬか床が腐ると、全体的にぽつぽつと緑や白、黒や赤などのカビが生えます。
しかし、間違えやすいのは、カビのように見え、ぬか床の表面を覆う「白い膜」があります。
これは、産膜酵母と言って、酵母菌の一種です。
産膜酵母
=酵母菌の一種
=空気が好きで、塩分に強い
産膜酵母をカビだと間違えて、ぬか床を全部捨てちゃう人がいるみたい…
産膜酵母は空気があるところで生息するタイプの菌なので、ぬか床や味噌の表面に白い膜を作ることが良くあります。
特にまずくなる、臭いが悪くなるなどの不具合はないので、ぬか床の中に混ぜ込んでしまって問題ありません。
ぱっとみで「げ。白カビだ!」と思ってしまいがちですが、ちがうんです。少しなら混ぜ込んでしまっても良いし、多いならスプーンなどですくってとってしまえば、OK!
異臭がする
においは、最初に腐敗に気がつくための大きなヒントです。
ぬか床の中に住んでいる菌のバランスが悪くなると、足の裏のようなにおいやシンナー臭がすることがあります。
あまりにも強烈な臭いの場合は、ちょっと食べるのは難しいかも…でも、誤解しがちな臭いもあるんです。
異臭の種類
においの種類 | 増えている可能性が高い菌 | 注意度 |
---|---|---|
アルコールのにおい | 酵母菌 | ★☆☆☆☆ よくあること。 混ぜ込んで様子をみる |
酸っぱいにおい | 乳酸菌 | ★☆☆☆☆ よくあること。 混ぜ込んで様子をみる |
シンナーのにおい | 産膜酵母 | ★★★☆☆ 要注意。増えすぎると乳酸菌が減ってしまうかも。ある程度取り除いて、様子をみる。 |
足の裏のようなにおい | 酪酸菌 | ★★★★☆ 要注意。増えすぎると乳酸菌が減ってしまうかも。混ぜ込んで様子をみる。どうしてもおいしく感じられなくなったら廃棄も視野に入れる。 |
少しアルコール臭がしたり、酸っぱい臭いがするくらいはよくあること。
ぬか床が腐っているわけではありません。
酵母の発酵によってアルコールが発生するのは普通のことですし、酸っぱくなる原因は乳酸菌が増殖しているから。
乳酸菌は害がある菌ではないので、よく混ぜて、菌のバランスが良くなれば、臭いも減ります。
しかし、シンナー臭がするのであれば、産膜酵母の増えすぎで乳酸菌の力が弱まっている可能性があり、あまりいい状態のぬか床であるとは言えません。
また、足の裏のようなにおいは、ぬか床の中に酪酸菌が増えすぎていることが考えられます。
これもぬか床のバランスが崩れていることが原因です。
嫌な腐敗臭はなかなか取れませんので、ぬか床ごと捨てるしかない場合もあり得ます。
まずはぬか床をよく混ぜて、においが変わっていくかどうか確認することから始めましょう。
ぬか漬けの昆布の入れ方
ぬか漬けの昆布の入れ方には、3つのステップがあります。
一つずつ見ていきましょう。
ぬか漬けに昆布を入れる目的を決める
ぬか漬けに昆布を入れる目的は、大きく分けて2種類あります。
まずは、どんな目的で昆布を入れるのか決めましょう。
パターン1:他のぬか漬けをおいしくするために昆布を入れる
→ぬか漬けの昆布は、ぬか床の調整役。基本的には入れっぱなし
パターン2:昆布のぬか漬けを食べるために昆布を入れる
→ぬか漬けの昆布は、ぬか漬け主役。食べるためにのちに取り出す
このうちどちらの目的で昆布を入れるのか、決めることから始めましょう。
ぬか漬けに入れる昆布を用意する
まずは、5㎝×5㎝程度の大きさの昆布を用意します。
用意する昆布は同じだけど、ここからは昆布を入れる目的によって、下ごしらえの方法が違うよ。
ぬか漬けに入れる昆布は、昆布を入れる目的によって、切り方が違います。
パターン1:他のぬか漬けをおいしくするために昆布を入れる
→5㎝×5㎝の昆布を細かく千切りにして、ぬか床全体に混ぜる
パターン2:昆布のぬか漬けを食べるために昆布を入れる
→5㎝×5㎝の昆布をそのままぬか床に漬ける(切らない)
他のぬか漬けをおいしくするために昆布を入れる場合は、その後取り出さないので細かく切って混ぜてしまいます。
全体的にぬか床に昆布のうま味成分が溶けやすくなるので混ぜるのがおすすめ!
一方、昆布のぬか漬け自体を楽しむために、のちに取り出す場合は、漬ける段階では細かく切らないのがベスト。
切ってしまうと、味が漬かりすぎてしょっぱくなったり、昆布がとろけてしまって、ぬか床から見つけにくくなります。
ぬか漬けから昆布を取り出す
昆布のぬか漬けを食べる場合のみ、2~3日後に昆布の様子を見て、ぬか床から取り出します。
うま味成分を足すために昆布を入れた場合は、入れっぱなしにします。
昆布を入れっぱなしにする場合 | 昆布を取り出す場合 | |
---|---|---|
昆布を入れる目的 | 昆布でぬか床のうまみを調整する | 昆布自体をぬか漬けとして食べる |
昆布の入れ方・切り方 | 細かい千切りにして入れる | 5㎝×5㎝程度の大きさのまま入れる |
昆布を入れっぱなしにする場合と、取り出す場合の目的や入れ方、切り方をまとめるとこんな感じです。
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ぬか漬けに入れた昆布の食べ方と注意点
ぬか漬けに入れた昆布の食べ方と注意点は、以下のとおりです。
一つずつ見ていきましょう。
漬けすぎない(古漬けにしない)
ぬか床に入れた昆布を食べるときの注意点の1つ目は、漬けすぎない(古漬けにしない)ことです。
昆布のぬか漬けは、ぬか床に入れてから2~3日までの新しいうちに取り上げるのがおすすめ。
なぜなら長く漬ければ漬けるほど、昆布に含まれるうま味の成分が、ぬか床に移ってしまい、昆布自体は味が弱くなってしまうから。
昆布のぬか漬けは、浅漬けにするのがベストです。
昆布を切らずに大きなまま入れる
ぬか床に入れた昆布を食べるときの注意点の2つ目は、昆布を切らずに大きなまま入れることです。
昆布は細かく切ってからぬか漬けにすると、どうしてもぬか床の中で迷子になってしまいます。
ぬか漬けが出来上がるころには、ぬかの水分を吸って柔らかくなっていますから、ますます存在感がありません。
間違いなくおいしい昆布のぬか漬けがたべたいなら、大きいままがおすすめです。
ぬか床から上げてから、食べやすい大きさに切りましょう。
昆布の他にもある!目的別のおすすめ捨て漬け野菜
ぬか漬けを美味しくする捨て漬け野菜には、目的別に5つのタイプがあります。
一つずつ見ていきましょう。
うま味を増やす
うま味を増やすためにぬか漬けに入れる食べ物は、以下のとおりです。
・昆布
・かつお節
・煮干し など
昆布や煮干し、かつお節に含まれるアミノ酸の中には、うま味成分のグルタミン酸やイノシン酸がたっぷり含まれています。
昆布は比較的高級なものが多いので、毎回入れるのは難しいと考える人もいるかもしれませんが、少しでも入れるとぬか漬けの味に深みが出てきます。
もう少し節約したいなら、昆布茶で代用するのもおすすめです。
ぬか床の水分バランスや味の調和がとれなくなってきたら、昆布茶で整えるとびっくりするほど変わります。
正解はないので、家の冷蔵庫にある出汁が出そうなものをとりあえずいろいろいれてみるのも楽しそう!
余分な水分を吸収する
野菜を何度もつけていると、ぬか床が水っぽくなってしまいます。
そんな時に助けてくれるのは、干ししいたけです。
干ししいたけは、水分を上手く吸い取ってくれます
もちろんキッキンペーパーで水分をとることもできるんだけど、うま味も一緒に吸ってしまうのでちょっともったいないんですよ。そんな時に役立つのが干ししいたけです。
乳酸菌を増やす
乳酸菌が足りないと、乳酸が作られないので、ぬか漬けの味にあまり深みがでません。
そのため、塩味ばかりが目立つ味になってしまって、しょっぱく感じます。
そんな時は、乳酸菌を増殖させるために乳酸菌のエサを多めに入れる必要があります。
乳酸菌のエサになりやすいのは、キャベツの芯や大根の頭などの捨て野菜です。
・キャベツの芯&皮
・大根の頭/葉
乳酸菌が増えすぎても酸っぱくて微妙なんだけど、ある程度はいてくれないとなんか味がシンプルすぎちゃうんですよね。
味を引き締める
ぬか漬けの味を引き締めるために必要なのは、赤唐辛子です。
赤唐辛子
=辛味のある赤くなったとうがらし。
=殺菌効果が高い
赤唐辛子は味を引き締めるだけでなく、殺菌効果があるので、ぬか床を守ってくれます。
他の野菜や昆布をぬか床からあげても、赤唐辛子はそのままにしておきましょう!
風味づけする
ちょっとした風味をつけて楽しみたいなら、オレンジやゆずの皮、山椒などを入れるのもおすすめです。
全部同じ味にするとあきやすくなるので、ジッパー付きの密閉袋に少し入れて分けて違う味を楽しむのがおすすめです。
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ぬか漬けに入れた昆布のリメイクレシピ
ぬか漬け昆布は、もちろんそのまま食べることもできますが、いろんな料理に活用することができます。
一つずつ見ていきましょう。
煮ものにする
➀ぬか漬け昆布を食べやすいサイズに切る
➁だしで煮込む
ひじきや油揚げを一緒に入れて、ぬか漬け昆布のひじき煮にしてもおいしいよ!
サラダにする
➀キャベツを千切りにする
➁➀とぬか漬け昆布とかつお節、ごま油を混ぜる
ごま油ってすごいなぁ…なんでも美味しくなっちゃう魔法みたい!
お茶漬けにする
①ぬか漬け昆布とかつお節をごはんに乗せる(梅や薬味をのせてもOK)
➁お茶を注いでそのままいただく
食欲がわかない時でも、さらっと食べられるのがすごいところです。
まとめ:ぬか漬けの昆布は入れっぱなしが正解!昆布のぬめり、腐ってる?
結論から言うと、ぬか漬けの昆布は入れっぱなしで問題ありません。
もし入れっぱなしが気になる人は、とりだしてももちろんOK。
でも、昆布は意識しておかないと、ぬか床の中で知らぬ間に行方不明になってしまうから、多少の注意は必要です。
ぬか床の中で行方不明になってしまう理由は、もちろん食材が小さいという物理的な理由もありますが、すぐにぬめりが発生して、柔らかくなり、溶けてしまう可能性があることも覚えておきましょう。
ぬか床に入れた昆布は、少しずつうま味成分がぬか床に流れ出し、味はどんどん薄くなっていきますが、昆布が原因でぬか床が腐るということは、めったにありません。
その昆布の粘り気(ぬめり)は、フコイダンです。
フコイダンは昆布やメカブ、ひじきなどの海藻類に含まれる水溶性食物繊維の一種で、腐敗とは特に関係がありません。
ぬか漬けの昆布の入れ方には、3つのステップがあります。
昆布のぬか漬けを食べる場合のみ、2~3日後に昆布の様子を見て、ぬか床から取り出します。
うま味成分を足すために昆布を入れた場合は、入れっぱなしにします。
昆布を入れっぱなしにする場合 | 昆布を取り出す場合 | |
---|---|---|
昆布を入れる目的 | 昆布でぬか床のうまみを調整する | 昆布自体をぬか漬けとして食べる |
昆布の入れ方・切り方 | 細かい千切りにして入れる | 5㎝×5㎝程度の大きさのまま入れる |
昆布を入れっぱなしにする場合と、取り出す場合の目的や入れ方、切り方をまとめるとこんな感じです。
参考にしてみてね。
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