【この記事で解決できるお悩み】
チョコレートが白く変色しちゃった!コレってカビ?
白くなったチョコレート、食べてもイイの?
そもそもチョコレートにカビは生えるの?
白くなったチョコレートをおいしく食べる方法もおしえて!
この記事では、こんなお悩みを解決します!
甘くて、濃厚なおやつの定番と言えば、チョコレート。
保存方法が悪いと、急に表面が真っ白に変化してしまうことをご存じですか?
このチョコレートの「白いカビのようなもの」の正体は、一体何なのでしょうか?
そこで今回は、チョコレートが白くなる原因を徹底解説!
白くなってしまった時の対処法と、チョコレートを白くしないための適切な保存方法をご紹介します。
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この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
チョコレートが白くなる理由は?食べてもいいの?
チョコレートは原料のカカオ豆を抽出する時に、乳酸発酵やアルコール発酵を行う発酵食品です。
そのため、チョコレートが白くなる理由には、なんらかの微生物が関係していると感じている方も多いみたい。
しかし、チョコレートが白くなるのは、腐敗菌やカビのせいではなく、ましては発酵菌のせいではありません。
詳しく見てみましょう。
白くなる原因はカビではない!ブルーム現象である
チョコレートが白くなる原因の多くは、ブルーム現象です。
これがブルーム現象が起きたチョコレートです。
ブルーム現象とは、一度溶けたチョコレートが再度固まる時に、白く粉をふいたような状態になることを指します。
ブルーム現象
=チョコレートの劣化現象の一種
=一度溶けたチョコレートが再度固まる時に、白く粉をふいたような状態になること
=花が咲くこと、植物の果実や葉にふく白い粉、という意味の単語「bloom(ブルーム)」が由来
チョコレートを製造・販売する企業のお客様サポートページを見ると、こんな説明が!
チョコレートが白く変色するブルーム現象は、お客様からもお問い合わせが多いみたい!たくさんの企業が説明ページを設けていたよ。
チョコレートが白く変色したり、まだらになった状態はファットブルーム現象(ブルーミング)といい、チョコレートが温度変化の影響を受けることで起こります。温度上昇でチョコレートの脂肪分のココアバターがとけ、その後冷えてかたまり白くなった状態です。このようなチョコレートをお召し上がりになってもお身体に差し障りはありませんが、風味は劣ります。
(※1)チョコレートが白く変色したり、まだらになる理由|明治
チョコレートに含まれているココアバターは28℃前後で溶けはじめ、その後冷えて固まるときにブルームといって白く粉をふいたような状態になる場合がございます。この場合、召し上がっても身体に害はございませんが、口溶けが悪く、風味の上では劣ります。
(※2)チョコレート Q&A|ロッテ
チョコレートに含まれているココアバターは、28℃前後で溶けはじめ、さらに温度が上がると分離してチョコレートの表面に浮き出て、それが冷えて固まると白くなります。このことを『ブルーム現象』といいます。召し上がっても害はありませんが、風味が低下しており、チョコレート本来の美味しさをお楽しみいただけないと思われます。
(※3)お問い合わせ窓口|森永
食べてもOK!でも味や風味は落ちる
ブルーム現象が起きたチョコレートは、風味が落ち、味や舌触りも普通のチョコレートとは異なります。
・表面に白いカビのように見える模様が浮き出る
・チョコレート独特の風味が失われる
・舌触りがざらざらする
・口どけが悪くなる
・味が薄くなる
白い模様の正体は、チョコレートに含まれる脂質や糖質で、食べられる栄養素です。
だから、微生物が関わるカビのように、有害というわけではありません。
製造・販売する企業は、「食べられるけど、風味や味が落ちる」というのが一般的な見解のようです。
ブルーム現象の種類と特徴
ブルーム現象には、大きく分けて以下の2種類があります。
詳しく見てみましょう。
ファットブルーム現象
ファットブルーム現象の「ファット(fat)」とは、脂質や脂のこと。
チョコレートに必ず含まれるココアバターが表面に浮き出てしまうため、白く濁った色に変化してしまうのです。
ファットブルーム現象
=チョコレートに含まれるココアバターが分離して、表面に白く出てきた現象のこと
ファットブルーム現象は、白い膜が張ったように、表面に結晶が浮き出て、口当たりもざらざらしたりくちどけが悪くなります。
直射日光が当たる場所にチョコレートを置いておくと、すぐに真っ白に変化してしまうので気を付けて!
シュガーブルーム現象
シュガーブルーム現象の「シュガー(sugar)」とは、砂糖のこと。
シュガーブルーム現象で表面に浮き出る白いブツブツの正体は、砂糖です。
シュガーブルーム現象
=チョコレートに水が混ざるなどして、水分だけが蒸発すると、砂糖が白く浮き出る現象のこと
チョコレートのつやが失われ、白い粉にまみれたように見えるという特徴があります。
ブルーム現象とカビの違い
チョコレートが白くなるのは「ブルーム現象」のケースが多いとして…カビていることは絶対にないの?
絶対にないとは言い切れないよ…。
チョコレートが腐るケースもゼロではないんです。
チョコレートは腐りにくい食品のひとつ
一般的にチョコレートは、カビが繁殖しにくい食品だと言われています。
その理由は、チョコレートは水分量が少ない食品だから。
消費者庁が示すチョコレート類の表示に関する公正競争規約によると、チョコレート生地の水分量は以下のとおり。
チョコレート生地 | |
---|---|
カカオ分 | 全重量の35%以上 |
ココアバター | 全重量の18%以上 |
水分 | 全重量の3%以下 |
水分量が3%以下の食べ物は、かなりめずらしいよ!「干菓子」と言われるあられやおかき、らくがんなども水分量は10%以下と決まっています。
水分含有量の多いチョコ菓子はカビリスク大
特に生チョコやブラウニー、ボンボンショコラなどのように、生クリームなどの割合が多く、水分量が多いチョコレートは、カビやすいので注意が必要です。
実際にカビ繁殖のリスクを心配して、企業が自主回収を行ったケースもあります。
2019年:
チョコレート菓子の「ブラウニー」「アールグレイブラウニー」「キャラメルブラウニー」の約3万個を自主回収(良品計画)
(※5)無印良品が3万個を自主回収 チョコ菓子にカビ|テレ朝NEWS
【カビやすいチョコレート例】
・生チョコ
・ガナッシュ
・トリュフ
・ブラウニーなど
保管方法が悪いと、カビてしまいやすいチョコ…
おいしいやつばっかりだ!笑
ボンボンショコラも本来ならカビやすい、水分含有量の多いチョコレートです。
しかし、お酒が入っているため、他の水分量が多いチョコレートと比較すると、比較的カビにくいと言われています。
チョコレートにカビを繁殖させたくなければ、微生物がニガテな環境を維持する保存法を実践することが大切です。
【微生物がニガテなもの】
乾燥
塩
アルコール
熱
冷凍
味噌を手作りする時に、塩をたっぷり入れたり、容器をアルコールで消毒するのは、雑菌の繁殖を防ぐための防御策なんです!
ブルーム現象とカビの見分け方
ブルーム現象とカビの違いは、以下のとおりです。
ブルーム現象 | カビ・雑菌 | |
---|---|---|
見た目 | ・チョコに白い模様がまざっている ・細かい白い粉が均一についている ・ザラザラする場合もある | ・フワフワしている ・綿のようなものが広範囲についている ・斑点が大きめで凸凹があり、1ヶ所に集中している ・青みがかった緑色の斑点がついている |
触った感じ | ・特に変化なし | ・乾いた感じがする場合もある ・ヌルヌル感やネバネバ感がある |
臭い | ・特に変な臭いはしない | ・カビ臭い |
味 | ・チョコの風味が薄くなった感じ | ・脂っぽさが強い感じ ・気持ち悪い味 ・カビ臭い味 |
ブルーム現象は、全体的に白い結晶のようなものがついているだけのものが多いのですが、カビの場合は凹凸があったり、ふわふわしたものが一か所に集中していたり、カビ臭かったりという特徴があります。
わぁ…カビはなんとなくふわふわしてて、凹凸がある感じがするなぁ…
また、チョコレートの原材料であるカカオは、過去にカビ毒の一種である「アフラトキシン」が検出されたこともあり、注意喚起がされている食品のひとつでもあります。(※6、※7)
ブルーム現象を防ぐための保存方法
ブルーム現象を防ぐための保存のコツは、以下のとおり。
一つずつ見ていきましょう。
温度が高い場所で保存しない
ブルーム現象を避けるために重要なポイントは、チョコレートを溶かさないことです。
・直射日光に当てない
・車の中に放置しない
・火の近くに置かない
チョコレートは冷蔵保存が基本です。
急激な温度変化を与えない
もしチョコレートを常温に放置して、少し溶けてしまったら…急に冷やすのは良くありません。
まずは風通しのよい日陰に移して様子を見るのがおすすめです。
急に冷蔵庫や冷凍庫に入れるのは、ブルーム現象が起きやすくなります。
ブルーム現象で風味が落ちたチョコレートのアレンジ方法
すでにブルーム現象で風味が落ちたチョコレートがお手元にある場合、もうもとに戻すことはできないのでしょうか?
実はテンパリングと言われる作業をすれば、元に戻すことは可能です。
テンパリング
=チョコレートの温度を調節して、ココアバターを安定した結晶にする作業のこと
でも…チョコレートを扱うパティシエの方ならまだしも、普通の人がテンパリングをするのは、かなりハードルが高いです。
そんな時は、チョコレートを湯煎で溶かして、溶かしたチョコを再利用できるアレンジをすれば、チョコレートの劣化を感じにくくなります。
アレンジ例は、以下のとおり。
一つずつ見ていきましょう。
ホットチョコレートにする
温めた牛乳や豆乳に、ブルーム現象が起きてしまったチョコレートを刻んで溶かし入れるだけ。
いちばん簡単な誰でもできるアレンジです。
牛乳を飲んで、ほっこり癒しの時間を演出したい時におすすめです。
白く粉をふいたのはブルーム現象といい、脂肪分が分離して再度固まったもので、風味はよくありませんが食べられますよ🎵プレーンなチョコなら水分が少ないのでそうそうカビません。味は悪いので、砕いて鍋で牛乳と一緒に熱して、ホットチョコレートにしてお飲みください🤚
— にぎ (@nigi_dan) June 3, 2019
マーマレードなどのオレンジの酸味を加えて、オランジェット風にしてもおいしいです!
チョコレートソースにしてフルーツにかける
温めた牛乳や豆乳に、ブルーム現象が起きてしまったチョコレートを刻んで溶かし入れるのは、ホットチョコレートと同じですが、今度は牛乳の割合を少し減らして、チョコレートソースにしちゃいましょう。
フルーツにかけて食べると、おしゃれなおやつになります。
焼きチョコにしておやつにする
ブルーム現象が起きてしまったチョコレートでも、焼くだけでサクッとした食感に変わります。
アルミホイルにチョコレートをのせて、表面がふつふつしてくるまでトースターで焼くだけの簡単おやつです。
まとめ:チョコレートに白いカビ?食べたら危険?青カビとの見分け方
チョコレートが白くなる原因の多くは、ブルーム現象です。
ブルーム現象が起きたチョコレートは、風味が落ち、味や舌触りも普通のチョコレートとは異なります。
・表面に白いカビのように見える模様が浮き出る
・チョコレート独特の風味が失われる
・舌触りがざらざらする
・口どけが悪くなる
・味が薄くなる
しかし、チョコレートはカビることはないわけではありません。
水分含有量が少ないとはいえ、保存方法が悪いと雑菌が繁殖することもあり得ます。
チョコレートは腐りにくい食品のひとつ
水分含有量の多い生チョコはカビリスク大
ブルーム現象とカビの見分け方
ふわふわとして、嫌な臭いがするなどの違和感を感じたら、決して食べないようにしましょう。
ブルーム現象やカビの繁殖を防ぐ保存のコツは、とにかく温度が高い場所に放置しないこと。
少しチョコレートが溶けてしまったら、急に冷蔵庫には入れず、日陰の涼しい場所に避難させましょう。
温度が高い場所で保存しない
急激な温度変化を与えない
ブルーム現象で風味が落ちたチョコレートは、そのまま食べてもおいしくないので、溶かしてアレンジするのがおすすめです。
ホットチョコレートにする
チョコレートソースにしてフルーツにかける
焼きチョコにしておやつにする
参考にしてみてね。
発酵を体系的に勉強したくなったら…
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参考文献
(※1)チョコレートが白く変色したり、まだらになる理由|明治
https://qa.meiji.co.jp/faq/show/130
(※2)チョコレート Q&A|ロッテ
https://www.lotte.co.jp/qa/choco.html
(※3)お問い合わせ窓口|森永
https://morinaga-faq.dga.jp/faq_detail.html?id=6&category=&page=1
(※4)チョコレート類の表示に関する公正競争規約
https://www.jfftc.org/rule_kiyaku/pdf_kiyaku_hyouji/chocolate.pdf
(※5)無印良品が3万個を自主回収 チョコ菓子にカビ|テレ朝NEWS
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000163058.html
(※6)食品中のアフラトキシンに係る規制について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/05/dl/s0518-10c.pdf
(※7)かびとかび毒についての基礎的な情報|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/kabidoku/kiso.html