私たちのカラダにはたくさんの菌が住んでいます。
腸内細菌だけでなく、口内細菌、そして今回のテーマは、美肌菌・・・
私たち人間の肌に住んでいる「常在細菌(=美肌菌)」に栄養を与え、自分の美肌菌を育てて、美肌になろう・・・という考え方が一般的になりつつあるんだって。
少し前までは、乳酸菌生産物質を使った化粧水はかなり珍しかったのに、今は結構増えていますし、美肌菌ケアのための、美肌菌フローラ検査や、美肌菌ドッグ、そして究極のバイオスキンケア「美肌バンク」まで、サービス提供が始まっています。
美肌菌ケアはこれからはあたりまえ!今のうちに美肌菌について、整理しておきましょう。
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「美肌菌」ってなに?
乳酸菌や納豆菌は存在する菌ですが、最近は「美肌菌」とか、「美魔女菌」とか、抽象的な菌が増えています。笑
「なりたいモノ+菌」で単語が作られてしまうので、実際にどの菌のことを言っているのかがわかりにくくて困っちゃう。
そんなみなさんのために、まずは「美肌菌」という言葉を整理してみましょう。
人間の肌にはたくさんの「常在細菌」がいる!
私たち人間の肌には、「常在細菌」と呼ばれる菌が住んでいます。「菌」と聞くと、一般的に「悪いもの」、「汚いもの」を想像してしまいがちですが、決してそんなことはありません。
「常在細菌」は、私たちの肌をみずみずしく保ってくれたり、逆にニキビや肌荒れを作ってしまったり、良くも悪くもいろいろな活動をしています。
人の身体にいる常在菌の数は膨大で、腸内には100兆個、皮膚には1兆個以上いると言われています。
人間の身体はおよそ60兆個の細胞でできているので、いかにたくさんの菌と共生しているかがわかります。
参考:https://www.doctors-organic.com/jyozaikin/
人間の皮膚常在菌の種類と正体は?
肌に住んでいる1兆個の常在細菌は、どんな特徴を持った、なんという名前の菌が住んでいるのでしょうか?
以前サイエンス誌に掲載された論文では、皮膚に住んでいる「皮膚常在菌」は205種類が挙げられています。
参考:https://www.doctors-organic.com/jyozaikin/
美容や健康知識をお持ちの方は、聞いたことがある菌もいると思います。
皮膚常在菌として有名な菌を少し挙げてみましょう。腸内細菌としては有名な、ビフィズス菌などは、実は肌にはほとんど住みついていません。
肌には肌の菌がいて、ちゃんとすみわけされています。この中に「美肌菌」もいるかもしれませんよ。笑
=皮脂成分のトリグリセリドを脂肪酸とグリセリンに分解し、皮膚を弱酸性に保ってくれる大事な菌。
・アクネ菌
=普段は皮膚を守ってくれる大事な菌だが、増殖しすぎると、炎症をおこし、ニキビの原因になる。
・黄色ブドウ球菌
=アルカリ性の環境で元気になる菌。ひっかき傷やけがなどの炎症部分や洗いすぎの乾燥肌に増える。
さて、「美肌菌」はどれでしょう?
「美肌菌」の正体は「表皮ブドウ球菌」?
メディアや美容サービスの会社が「美肌菌」とうたっている場合、一般的には「表皮ブドウ球菌」を指しているようです。
スキンケア大学さんの記事によると・・・
参考:http://www.skincare-univ.com/daily/column/002317/
やはり、皮膚を弱酸性に保ち、保湿してくれる=美肌にしてくれるという考え方のようですね!
似た名前の「黄色ブドウ球菌」(スタフィロコッカス・アウレウス菌)はニキビ、トラブル肌、アトピー肌の方に常在していることが多いと言われている悪玉菌です。
美肌菌の主な働きとして、肌の保湿に重要な天然のグリセリンが充分に作りだされることで、肌本来の保湿力を高めることが出来、肌を健やかに保ちます。
参考:https://bihadabank.com/main/faq
どうやら
と考えて問題ないようです。この美肌菌がきちんと適量住みついている肌が美肌であり、美肌フローラが正常であるという認識が一般的になっています。
美肌菌ができることはなにか?
美肌菌(=表皮ブドウ球菌)は、私たちの肌を守ってくれる大事な菌です。
読んで美に効く基礎知識さんのホームページによると、美肌菌の活動はこのように説明されていました。
空気を好む性質(好気性)で、皮膚の表面にいることが多い。皮膚の傷口から体内に入り込むと化膿を引きおこしたりもするが、皮膚表面に留まっている限りは特に害はない。
アクネ桿菌とともに脂肪分解酵素リパーゼを出して皮脂を脂肪酸とグリセリンに分解する。
参考:http://cosme-science.jp/words/ha/post-47.html
グリセリンは、保湿成分として化粧品に配合されていることも多いので聞いたことがある方もいらっしゃると思います。お肌をみずみずしく保ってくれると言われています。
表皮ブドウ球菌はそのグリセリンを作ってくれます。
肌表面にはその厚さわずか0.02mmの角質層が存在します。この角質層が潤いで満たされると肌のバリア機能が維持でき、肌にも適度な潤いが生まれるのです。
角質層には角質細胞が存在するのですが、水分と同時にグリセリンが角質細胞に届くことでその水分が蒸発しにくくなるのです。
参考:http://josei-bigaku.jp/bihadakin8892/
グリセリンは、美肌を作るためには必要不可欠な成分ですね。
美肌菌関連の新サービスがスゴイ
美肌菌が私たちの肌にとってとても重要なことはわかりました!細菌はこの美肌菌を守り、美肌を保つためのサービスが増えているのだそう。
自分の肌の状態チェック!「美肌菌ドッグ」
自分の肌がなんとなく炎症を起こしているかも?なんとなく乾燥しているかも?と感じていたとしても、これまでは自己判断をするしかありませんでした。
でも最近は、「美肌菌ドッグ」と言って、自分の肌トラブルの原因や肌が抱えている問題点を洗い出してくれるサービスがあるそう。「美肌菌ドッグ」でわかることを一部挙げてみました!
・隠れアトピーやアレルギーかどうか?
・洗いすぎによりPHバランスがおかしくなっていないかどうか?
・脂漏性皮膚炎を抱えていないか?
・ニキビ肌ではないか?
・化粧品かぶれをしていないか?(化粧品があっているか?)
・シミ、しわ、そばかす、ニキビなどの疾患はないか?
美肌菌をチェックして、このような肌トラブルを抱えていないかどうかきちんとチェックするのが、この美肌菌ドッグなのです。
▼「美肌菌ドッグ」概要 (東京イセアクリニックさんの場合)
もちろん美肌菌ドッグを行っている企業によってサービスに違いがあると思いますが、世界初の皮膚常在菌量検査として「美肌菌ドック」サービスを行っている美容外科『東京イセアクリニック』さんのプレスリリースによると、「美肌菌ドック」の概要はこちらです。
130項目以上の問診と21種類の医学検査を1時間強で行ない、常在菌量と統合的な皮膚検査を通じて、個人ごとに異なる肌質とそれにあった化粧品、必要なスキンケア方法が明確になります。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000051.000004342.html
こうなると、健康診断の肌バージョンということになりそうです。おもしろいですね!
1回の検査費用は、45000円程度みたい・・・。本当に健康診断ですね!
美肌菌を冷凍保管?!「美肌菌バンク」
自分の美肌菌を採取し、冷凍保管しておいて、オーダーメードの化粧品として採取した美肌菌を肌に戻すことができるサービスです。
参考:https://bihadabank.com/main/what
やっぱり自分の美肌菌のほうが住みつきがいいのかしら?笑
ちょっと気になっちゃいますよね!笑
美肌菌とは?まとめ
美肌菌は、私たちの肌に住んでいる常在細菌のうち、主に表皮ブドウ球菌を指している言葉でした。
表皮ブドウ球菌は、肌をみずみずしく健康な、弱酸性に保つにはとても大事な菌です。
腸内細菌はもちろん、美肌菌をはじめとする体中にいる常在細菌とどれだけ仲良く暮らしていけるかが、健康や美容のカギなのではないか?と思わせるほど、菌は重要な役割をしてくれています。
腸内細菌だけでなく、美肌菌も気にしてみたら、お肌トラブルも防げるかもしれません。参考にしてみてくださいね。