食の欧米化により、日本人の食物繊維摂取量がどんどん減っているのは有名なハナシ。お米やお豆、野菜などの摂取が減っている現状を回避するために、食物繊維入りの機能性食品がメジャーになりました。
食物繊維を摂取できるドリンクやお菓子をみてみると、なぜかみんな、「レタス1個分の食物繊維が摂れます!」「レタス◯個分の食物繊維配合!」って書いてある!
・・・実はレタスは食物繊維が少ない野菜の1つなのですが、これってなんで?笑
今回はレタスの食物繊維は少ないのか?
少ないとしたらなぜ、レタスが食物繊維摂取量の基準にされたのか?
その秘密に迫ります!
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レタスの食物繊維は少ない?
最近叫ばれ始めた、「レタスの食物繊維少ない説」。まずは事実を確認するところから始めましょう。
「日本人の食事摂取基準2015年版」によると、日本人が摂るべきとされる食物繊維の1日の目標量は、以下が目安とされています。
女性:18g以上
※18歳~69歳の場合
一方、「日本食品標準成分表」によると、レタスの食物繊維量は、
だと言われています。
レタスの大きさはそれぞれだけど、一般的に300gから500gぐらいだとして、300gの手ごろな大きさだとすると・・・
しか入っていないんです。泣
ということはだよ・・・
も食べないと、「日本人の食事摂取基準2015年版」に定められた、日本人が摂るべきとされる食物繊維の1日の目標量に満たないのです。
えーーーーそんなに食べられないww
レタスって特にかさばるから、生だと2枚ぐらいが限度じゃないでしょうか?スープにして煮込んでも、3枚ぐらいが限度な気が・・・笑
もし、「レタス1個分の食物繊維が摂れます!」などの文言を見て、「レタス=食物繊維が多い」と誤解している人がいたとすると、食物繊維不足になりますね・・・。便秘改善どころが悪化の可能性も・・・。別にレタスはぜんぜん悪くないんだけど、残念なことになってしまうのです。レタスを正しく理解しましょう!
なぜレタスは食物繊維摂取量の基準にされたのか?
では、なぜ、レタスは食物繊維摂取量の基準にされたのでしょうか?それを知るためには、食物繊維の摂取が薦められるようになった歴史をひも解いていく必要がありそうです。
世界が食物繊維に注目したのは1970年代
1971年にイギリスにいたバーキット博士という方が、
という仮説を発表しました。これが当時のイギリス、そして世界にとっては、かなりびっくりする発表で、そこから、「食物繊維を食べないといけない!」「食物繊維を食べよう!」とみんなが食物繊維に興味を抱きだしたんですって。
それまでは、食物繊維は栄養素として認められておらず、体の外にすぐに出てしまう「ゴミ」と考えられていたの。
日本の最初の食物繊維配合商品は、ファイブミニ?
実は、レタス=食物繊維のイメージがあるのって、日本人だけみたいなんですよね。
そこには、すごく崇高なマーケティング戦略があるのかも・・・しれません。
時代は1980年代。バブル時代です。仕事はたくさんあるし、働けば働くほどお金になるし、みんなめちゃくちゃ飲みに行くし、暴飲暴食だし・・・っていうのは飛躍しすぎかもしれないけど~。
とにかくそんな時代に、大塚製薬さんが食物繊維入りのファイブミニという栄養補助飲料を発売しました。なんと、初代ファイブミニのテレビCMにすでに「レタスで言えば約1個の食物繊維が入っている」と、うたっていたんですって。
レタス=食物繊維の登場がいつなのか、正確にはわかりませんが、もしかしたらこの時かも・・・という噂がされています。
大塚製薬さんのファイブミニは今でも大人気のロングセラー商品なので、お若い方もご存じだと思います。今でも大塚製薬さんのホームページには、食物繊維量の目安としてレタスが使われています。
参考:https://www.otsuka.co.jp/product/fibemini/
参考:https://www.otsuka.co.jp/product/fibemini/
レタス1.8個分!!初代より増えてる。笑
企業努力のたまものですね。
なぜ食物繊維量の基準にレタスが使われたのか?
実際どうだったのか・・・正直なところはわかりませんが、1つ言えるのは、わざと「食物繊維量が少なく、ボリューム感があるように見える野菜」として、レタスをつかったのではないかという説。
例えば先ほどのレタス同様に「日本食品標準成分表」で他の野菜の食物繊維量を見てみましょう。
キャベツ:1.8/100g
ごぼう:6.1/100g
生シイタケ:5.5/100g
これをね、味の素さんのページにある「食材の目安量」を使って、100g単位ではなくて、その野菜の大きさ単位にしてみるとこうなります。
キャベツ:21.6/1玉(1200g) ⇒ 1日に必要なのは1玉
ごぼう:9.1/1本(150g) ⇒ 1日に必要なのは2本
生シイタケ:0.8/1個(15g) ⇒ 1日に必要なのは25個
1日の必要量分を単品野菜で摂ろうとすると、もちろん全部大変なのだけど、レタスって結構たいへんな気がしませんか?笑
例えば「レタス1個分の食物繊維が入っています」という決め台詞を他の野菜でやろうとすると、
「ごぼう1/2本分の食物繊維が入っています」
「しいたけ5個分の食物繊維が入っています」
よりも
がすごそうなわけなんです。つまり、お客さんの購買意欲を高めるために、
わざと食物繊維の少ない野菜であるレタスを基準にしてお得感を出した!
と考えられるのです。
レタス1個食べるの大変でしょ?だからファイブミニを飲もう!ということです。
キャベツ1/5個食べるの大変でしょ?いやいや私キャベツ好きだから大丈夫です!ってならないようにしたというわけなんです。マーケティングってやっぱりおもしろい!
レタスが本当に優れている栄養素は?
じゃあレタスって意味ないの?って言ったら、そんなことは全くなく、ビタミンCやカロテン、そして抗酸化作用があると言われるクロロフィルを含んでいます。
また、珍しいところだと「ラクチュコピクリン(lactucopicrin)」という不眠に効くポリフェノールが含まれていると言われています。
ライブドアニュースによると、どうやらあの苦味成分がよいみたいですね!やっぱり野菜の苦味って基本的には何かしらの健康メリットがあるポリフェノールであることが多いんだなぁ。
絵本で知られる「ピーターラビット」でも、レタスを食べたウサギが眠ってしまった、という一説があるほどレタスの安眠効果は古くから知られています。「ラクチュコピクリン」が葉よりも茎や芯の部分の多く含まれているそうです。
参考:http://news.livedoor.com/article/detail/9847439/
レタス食物繊維少ない説のまとめ
レタスの食物繊維は多いはずだから、便秘の時はいっぱい食べよう!と思っていた方がいたら残念でした・・・笑 実は食物繊維だけを気にするのであれば、レタスはあまり効率よく食物繊維を摂ることができる野菜とは言えません。
レタスを1玉食べるくらいなら、キャベツを1/5食べる方が簡単ですよね!煮てくたっとなったキャベツって美味しいから、スープにいれちゃえばすぐ食べられそうです。
大塚製薬さんのレタス作戦、本当にすごいなと尊敬しちゃいました♪
でも・・・そろそろばれはじめて来たから、違う手を考えたほうがよいかもしれませんよ。笑
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