【この記事で解決できるお悩み】
・ヨーグルトを冷凍すると乳酸菌はどうなるの?
・ヨーグルトは冷凍して食べても大丈夫?
この記事では、こんなお悩みを解決します!
腸活やダイエット中のおやつとして、とても人気があるヨーグルト。
毎日食べていると飽きてきて、かんたんなヨーグルトアレンジレシピを探している方も多いようです。
そんな方におすすめなのが、SNSで一時期バズレシピとしても紹介されていた「ヨーグルトアイス」。
ただ凍らすだけで、新しい食感と味が楽しめます。
でも、「ヨーグルトを冷凍すると乳酸菌はどうなるの?」「もしかして…死んじゃった?」と心配になる方も多いみたい。
そこで今回は、ヨーグルトを冷凍するとどうなるのか徹底解説!
ヨーグルトを製造販売しているメーカー4社それぞれのプロな見解をご紹介しながら、わたし個人のおすすめの保存法や注意点をまとめてみました。
発酵を体系的に勉強したくなったら…
発酵ライフ推進協会オンライン校へ
\仕事に繋がる無料サポートもたくさん(*´ω`*)/
この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
結論:ヨーグルトを冷凍しても大丈夫!乳酸菌は増殖も死滅もしない
結論からいうと、ヨーグルトを冷凍しても大きな問題はありません。
乳酸菌は冷凍しても死にません。(だからといって、増殖もしません。)
わたしはヨーグルトの中の乳酸菌の生死は、正直そんなに気にしていません。笑 ヨーグルトを冷凍してアイスにして食べることももちろんあるよ。
でもちょっとまった。
ヨーグルトを冷凍しても大きな問題はない=乳酸菌は冷凍しても活動し続けるということではないの。
乳酸菌は、冷凍すると「失活」します。
乳酸菌の「失活」と「死滅」は、全然違う意味なんです。
失活
=活動を停止すること。環境が整えばまた活動を開始する。(=死んでいない)
死滅
=死ぬこと。
失活とは、乳酸菌の菌としての活動が停止することを指します。
でもその乳酸菌は死んでいません。暖かい場所に移されると、元気に活動を始めます。
クマなどの哺乳類の「冬眠」や、意識を失う「気絶」に近いのが「失活」です。
乳酸菌にもいろんな種類があるので、一概には言えませんが、乳酸菌は約40~45℃がいちばん活発だと言われています。
40℃で最も働きがよく、持続性が高いと言える。よって、働きがよいほど持続性も高いことが分かった。
引用:(※1)乳酸菌の温度による発酵の持続|岐阜県立恵那高等学校
でも、いくら死なないとはいえ、気絶状態が長く続けば乳酸菌は弱っていきます。
人間だってずっと寝たきりだと、体が動かなくなっていきますもんね。
\ 今なら初回 63%OFF(*´▽`*)/
だから、乳酸菌の冷凍は少しなら大きな問題はありませんが、その保存方法や期間には注意が必要です。
冷凍時間はなるべく短く、計画的にするのが良い食べ方。
無計画に冷凍庫に入れて、入れたまま放置すると、明らかに味や風味が落ちます。
さらに、冷凍方法が雑だと、雑菌が入って腐敗してしまうことも。
冷凍した場合の変化として、よくあるのは以下の2つです。
一つずつ見ていきましょう。
においが臭くなる・風味が悪くなる場合がある
ヨーグルトを冷凍したものを解凍すると、冷凍焼けのような独特な臭いがすることがあります。
うーん…ニガテなんだよね…あの独特なにおい…
味が変化する場合がある
ヨーグルトを冷凍したものを解凍すると、水分が分離したり、苦味や酸味が強くなるなど味が変化する場合があります。
冷凍したのを忘れて入れっぱなしで数週間経っちゃうと、ヤバいかも…。黄色っぽくなる時もあります。(前科あり)
ヨーグルト製造メーカー4社の冷凍ヨーグルトへの見解
わたし個人的には、ヨーグルトを冷凍することもありますが、ヨーグルトを製造しているメーカーは、おすすめしないのが一般的です。
そりゃそうか。メーカーさんは最適な状態で自社のヨーグルトをたべてほしいもんね。
それぞれの見解をくわしく見てみましょう。
森永乳業株式会社:おすすめしない
森永乳業株式会社は、「ヨーグルトの冷凍保存はおすすめしない」とのこと。
実際に森永乳業株式会社さんのホームページには、以下の説明がありました。
ご家庭でヨーグルトを冷凍保存することは、お勧めしていません。
引用:よくいただくご質問 ヨーグルト|森永乳業株式会社
ヨーグルトは、冷凍保存して解凍すると分離が起こり、水分(ホエーたんぱく質)が多量に出て、ヨーグルト本来のなめらかさが失われます。食感も悪くなり、風味が損なわれてしまいます。また、一度冷凍したものを解凍すると液状になる場合もあります。
ヨーグルトは冷蔵保存が適していますので、正しい温度帯で保存の上、開封後は賞味期限にかかわらずお早めにお召し上がりください。
また、凍結・解凍により、ビフィズス菌と乳酸菌の菌数は減少する場合があります。
「凍結・解凍により、ビフィズス菌と乳酸菌の菌数は減少する場合があります。」とおっしゃるのには、理由があります。
森永乳業内の研究所「森永乳業中央研究所」では、乳酸菌に関する研究を行っており、乳酸菌を冷凍保存した場合の、生存率も調査済み。(※2)
この研究によると、1週間冷凍保存後の生残率は、35〜91%でした。
1週間冷凍保存後の生残率: 35〜91%
範囲が広いのは、乳酸菌の種類によって生存率が大きく違うためです。そう考えると、乳酸菌の種類によって違うので、気にしすぎてもしょうがない気がしてきちゃうよね。
株式会社明治:生きた死んだよりも継続が大事
森永乳業株式会社は、乳酸菌は生きてようが死んでようがどっちでもいい派の企業です。
でました!笑 ずぼらのわたしからみると、安心のお答え!
というのも、そもそも乳酸菌って生きている必要があるの?と言われたら、それも乳酸菌の種類によって答えが違ってしまう、とても難しい問いです。
ただ、言えるのは、乳酸菌は死んだとて、ちゃんと腸内細菌のエサになり、腸内環境を整える役割をしてくれるということ。
乳酸菌別の細かい効果の違いはあれど、ざっくりいえば、死んでいても生きていても関係なく腸内環境を整えると言えるのです。
WEBメディア「withnews」が株式会社明治の広報部に取材をしたところ、死んでいても腸内の善玉菌の餌になるので、あまり気にすることはないという見解を述べられています。
――ところで、ヨーグルトを凍らせると、せっかくの乳酸菌が死んでしまいませんか?
「ヨーグルトの保存最適温度は0℃~10℃であり、0℃以下だと乳酸菌は活動休止状態となります。0℃以下では乳酸菌は増殖も死滅もしません。ちなみに、乳酸菌は死滅しても腸内の善玉菌の餌となります、乳酸菌が生きた死んだは関係はありません。それよりも摂取の継続性が大切です」
引用:(※3)棒を刺すだけ「冷凍ヨーグルト」 明治さん、乳酸菌はどうなるの?|withnews
わたしも発酵食品を作ってくれる発酵菌の生き死には、そんなに気にしていません。
フジッコ株式会社:おすすめしない
フジッコ株式会社も、森永乳業株式会社と同じおすすめしない派の企業です。
解凍後、食感や風味が悪くなってしまうのでおすすめいたしません。
引用:よくお寄せいただくご質問|フジッコ株式会社
あえておすすめするっていう企業があったら、へんてこだもんね。笑
タカナシ乳業株式会社:おすすめしない
タカナシ乳業株式会社も、森永乳業株式会社と同じおすすめしない派の企業です。
ご家庭でヨーグルトを冷凍保存することは、お勧めしていません。ヨーグルトは、冷凍保存して解凍すると分離がおこり、水分(ホエイたんぱく質)が多量に出て、ヨーグルト本来のなめらかさが失われます。食感も悪くなり、風味が損なわれてしまいます。また、液状になる場合があります。ヨーグルトは冷蔵保存が適していますので、正しい温度帯で保存の上、開封後は賞味期限にかかわらずお早めにお召し上がりください。また、凍結・解凍により、ビフィズス菌と乳酸菌の菌数は減少する場合があります。
引用:商品Q&Aヨーグルト類|タカナシ乳業株式会社
製造メーカーとしては、おすすめしないことがわかりました!それでもヨーグルトアイスが作りたい人は、自己責任でお願いします。笑
\ 今なら初回 63%OFF(*´▽`*)/
ヨーグルトの商品別冷凍保存法
ヨーグルトの製造メーカーにおすすめしないとこんなに言われているのに、それでも1度は冷凍してみたいと思っている方に朗報です。
ヨーグルトの冷凍保存法には、失敗しやすい冷凍保存法と失敗しにくい冷凍保存法があります。
さらに、この方法はヨーグルトの形状や味によって違うので注意が必要です。
商品の種類ごとにおすすめの冷凍保存法とわたしが気をつけているポイントを見ていくよ。
一つずつ見ていきましょう。
食べきりサイズの場合
食べきりサイズのヨーグルトとは、封を開けず、容器も移し替えずに、そのままカップごと凍らすのがおすすめです。
なんだかんだで、いちばんずぼらなこの方法がいちばんおいしいのよ。
食べきりサイズのヨーグルトの良いところは、すでに密閉されていて、1度に食べきれるところ。
だから、再冷凍することはありません。
冷凍と解凍を繰り返すと水分が分離して、味や風味が落ちるので、一度解凍したら全部食べましょう。
食べ方としては、そのままスプーンですくって食べるのがベスト。衛生面も安心です。
一時期SNSで流行ったカップタイプのヨーグルトに割りばしを指す方法は、衛生面からみるとちょっとリスクあり。私も何回かやったけど、今はスプーンで食べる方法に落ち着きました。見た目がかわいいというメリットはあるよね。笑
大容量パックの場合
大容量パックのヨーグルトは、1回分に小分けしてから冷凍するか、薄く冷凍して後で食べる分だけ割って取り出せるように保存するのがおすすめです。
【1回分に小分けしてから冷凍する方法】
1:製氷皿のキューブの型にヨーグルトを入れる
2:ラップをかけて密閉する
3:冷凍したら完成
【薄く冷凍冷凍する方法】
1:ジップロックなどの保存袋にヨーグルトを薄く延ばしながら入れる
2:冷凍する
3:食べる時に食べる分だけポキッと折って取り出す
最初は製氷皿に入れていたんだけど、めんどくさくなってジップロックで薄く冷凍するようになりました。笑 ずぼらさんにはおすすめの方法です。
プレーンタイプ(無糖)の場合
ヨーグルトを冷凍する時に気をつけたいのが、プレーンタイプ(無糖)の場合。
プレーンタイプはどうしても冷凍すると水分が分離しやすく、おすすめしません。
冷凍するなら、事前に砂糖やはちみつ、練乳などの甘味料で味付けしておくのがおすすめです。
なぜなら砂糖は、抱え込んだ水分を離さない性質(保水性)があるから。
また、水を抱え込むことにより「防腐作用」も期待できます。
保水性
=抱え込んだ水分を離さない性質
=例:大福の餅の部分に砂糖を入れると、水を引き付けて餅が固くなりにくくなる
=例:プリンに砂糖を入れると、なめらかな舌触りになる
砂糖ってすごいよねー!
\ 今なら初回 63%OFF(*´▽`*)/
ヨーグルトの冷凍保存を成功させるコツ
最後にヨーグルトの冷凍保存に絶対に失敗したくない人のために、コツをまとめておきましょう。
一つずつ見ていきます。
食べきりサイズのヨーグルトを選ぶ
冷凍するヨーグルトは、なるべく食べきりサイズを選びましょう。
しょっちゅうあることではありませんが、密閉されていない容器に入ったヨーグルトは、雑菌が入ってしまうリスクがあります。
しかし、食べきりカップのヨーグルトならその心配は無用でらくちんです。
加糖ヨーグルトを選ぶ
冷凍するヨーグルトは、加糖ヨーグルトを選ぶか、無糖の大容量パックしかない場合は砂糖、はちみつ、ジャムなどの糖分を入れましょう。
砂糖が入っているほうが、ヨーグルトが滑らかで口当たりがやわらかくなるだけでなく、少し溶けても水分が分離せずおいしく食べることができます。
パックのフタに棒を刺す方法はNG
以前SNSで流行ったヨーグルトの食べきりカップのフタに棒を刺して、アイスキャンディーのように食べる方法。
見た目もかわいくておいしいのですが、棒を指した穴から空気とともに雑菌も入りやすい環境になることは覚悟しなくてはいけません。
解凍する時は自然解凍で
冷凍ヨーグルトを解凍する時に、電子レンジなどを使って急速に柔らかくしようとする人がいます。
しかし、冷凍したヨーグルトを急激に熱すると、水分と成分が分離してポロポロになったり、ヨーグルトが水っぽくなったりと、お世辞にもおいしいとは言えないものに。
自然解凍で少し柔らかくなったくらいで食べるのがいちばんおいしい!
\ 今なら初回 63%OFF(*´▽`*)/
まとめ:ヨーグルトの冷凍保存!乳酸菌はどうなる?
ヨーグルトを冷凍しても、乳酸菌は失活するだけで、大きなダメージはありません。
もちろんヨーグルトの製造メーカーは、美味しくなくなるリスクがあるヨーグルトの冷凍保存を積極的にすすめることはありませんので、あくまで自己責任ですが、保存方法を間違えなければヘルシーおやつとして使えます。
冷凍ヨーグルトを美味しく作るコツは、以下の4つです。
参考にしてみてね。
発酵を体系的に勉強したくなったら…
発酵ライフ推進協会オンライン校へ
\仕事に繋がる無料サポートもたくさん(*´ω`*)/
参考:おすすめ発酵系民間資格8選 比較一覧表
参考文献
(※1)乳酸菌の温度による発酵の持続|岐阜県立恵那高等学校
https://school.gifu-net.ed.jp/ena-hs/ssh/H25ssh/sc2/21343.pdf
(※2)乳酸菌の凍結保存|森永乳業中央研究所
https://www.jstage.jst.go.jp/article/touketsukansokaishi/17/0/17_KJ00005717131/_pdf
(※3)棒を刺すだけ「冷凍ヨーグルト」 明治さん、乳酸菌はどうなるの?|withnews
https://withnews.jp/article/f0150702002qq000000000000000W00o0601qq000012179A