【この記事で解決できるお悩み】
ミヤリサンとビオスリー、どっちがおすすめ?
ミヤリサンとビオスリーの違いってなに?
ミヤリサンとビオスリー、それぞれの特徴・口コミをおしえて!
この記事では、こんなお悩みを解決します!
毎年、日経メディカル Onlineの医師会員を対象に行われている整腸剤市場調査(※1)。
「整腸剤のうち、最も処方頻度の高いものはどれか?」を問うアンケートでは、2021年も「酪酸菌製剤」が1位であることがわかりました。
昔は整腸剤と言えば「ビフィズス菌」のイメージがありましたが、それは2017年まで。2018年に同アンケートで「酪酸菌製剤」が1位になってから4年連続の首位となります。
人気の「酪酸菌製剤」ですが、その中でも特によく売れているのが「ミヤリサン」と「ビオスリー」。
でも、実際のところ「ミヤリサン」と「ビオスリー」の違いがよくわからないという方は多いようです。
そこで今回は、「ミヤリサン」と「ビオスリー」のどっちがおすすめなのか、その違いを徹底解説!
2つの整腸剤の共通点と相違点をまるっと比較してみました。
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この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
整腸剤「ミヤリサン」と「ビオスリー」の共通の特徴
「ミヤリサン」と「ビオスリー」は、よく比較されます。
その理由はとても似ているから。
まずは「ミヤリサン」と「ビオスリー」の共通の特徴を整理してみましょう。
整腸剤である
「ミヤリサン」と「ビオスリー」は、整腸剤です。
整腸剤
=おなかの調子を整える薬
=善玉菌を腸内に送り込み、腸内フローラを整えることで腸のトラブルを防ぐ
整腸剤はおなかの調子を整える薬です。
下剤や便秘薬とは違い、腸内の水分量の調節をして便を外に出しやすくしたり、腸のぜん動運動を無理やり起こすことはしません。
もっとゆるやかに腸内環境を整えて、その過程で便秘や下痢が起こりにくい腸を作ります。
誤解しやすいけど、便秘薬と整腸剤は目的が違うんですよね。「ミヤリサン」と「ビオスリー」は、整腸剤です!これ、実はポイント!
厚生労働省の厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会のリスク評価資料(※2)によると、リスクは報告されておらず、安心できます。その用法用量や効果効能は以下のとおり。
ミヤBM細粒
引用:(※2)厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会のリスク評価資料|厚生労働省
菌:宮入菌末
薬理作用:腸内細菌に対する作用、化学療法剤投与時における整腸作用・その他整腸作用を有する
用法用量:通常、成人1日1.5g~3gを3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
効能効果:腸内菌叢の異常による諸症状の改善
効果効能は、「腸内菌叢の異常による諸症状の改善」!複合的にいろんな効果が体感できる可能性を秘めています。
さらに、「ミヤリサン」と「ビオスリー」に含有されている乳酸菌や酪酸菌は、体中の免疫細胞の約70%が集まる小腸でも活発に働き、免疫細胞を活性化させる働きがあることがわかっています。
酪酸菌が入っている
「ミヤリサン」と「ビオスリー」は、酪酸菌が入っている酪酸菌製剤です。
酪酸菌製剤:ミヤリサン、ビオスリー
ビフィズス菌製剤:ビオフェルミン、ビオスミン
耐性乳酸菌製剤:ビオフェルミンR、ラックビー
酪酸菌製剤のほかに、ビフィズス菌が入ったビフィズス菌製剤や耐性乳酸菌が入った耐性乳酸菌製剤などがあります。
酪酸菌製剤は抗菌薬と併用しても効果が失われないなど、使い勝手の良さが評価され、近年では最も処方頻度の高い整腸剤として人気です。
酪酸菌は「芽胞形成菌」といって、分厚い芽胞という全身スーツを着ているような菌なので外の影響を受けにくいんですよね。丈夫な菌なんです。そもそも酪酸菌ってどんな菌なのか、ちょっと振り返ってみましょう。
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酪酸菌とは?
酪酸菌は、酪酸をつくることができる細菌の総称です。
酪酸菌(らくさんきん)
=酪酸をつくることができる細菌の総称
もともとヒトの腸内細菌にいる酪酸菌ですが、その効果が期待され、最近は整腸剤やサプリメントとしても販売されるようになりました。
その特徴は以下のとおり。
詳細を見てみましょう。
短鎖脂肪酸を作る
酪酸は、腸内細菌が腸内で作る短鎖脂肪酸の一種。
短鎖脂肪酸には、酪酸のほかに酢酸やプロピオン酸などがあります。
短鎖脂肪酸
=酪酸、酢酸、プロピオン酸などの総称
=悪玉菌を減らす(腸内環境改善効果)
=脂肪の蓄積を防ぐ(ダイエット効果)
=加齢や偏った食生活で減ってしまう
短鎖脂肪酸が腸内で作られると、腸内環境は弱酸性になります。
善玉菌は弱酸性の腸内環境を好むので、探査脂肪酸がたくさん作られ続けている腸内環境では、善玉菌が増殖しやすくなります。
逆に悪玉菌はアルカリ性を好むので、自然に増殖が止まり、腸内環境のバランスが良くなります。
そんな短鎖脂肪酸をつくることができる酪酸菌は、ダイエット効果も期待できることが注目され、痩せ体質になりたいダイエット中の方にも注目されるようになりました。
主な生息場所は肛門の近く
酪酸菌は、酸素がニガテな菌です。
一方、乳酸菌は酸素が得意な菌もニガテな菌もいます。
そのため、大腸内の生息場所が分かれています。
乳酸菌の生息場所:小腸に近い場所→酸素が多い
酪酸菌の生息場所:肛門に近い場所→酸素が少ない
酸素がニガテな酪酸菌は口から遠い肛門の近くに住み、増殖を続けます。
一方、乳酸菌は酸素が多い小腸の近くに住み増殖を続けます。
自然に生息場所が分かれるので、乳酸菌と酪酸菌は相性がよく、協力して腸内環境全体に良い影響を与えています。
自分が好きな食べ物がとれる場所で生息しているんだね。人間も同じかも?奥までどんどん進んでいくのが、酪酸菌です。笑
宮入菌とは?
酪酸を作る酪酸菌の中でも、いちばん有名なのは、クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum Prazmowski 1880)です。
約10~20%のヒトの腸内にいる腸内細菌で、他の善玉菌と強力しながら悪玉菌の増殖をじゃまする働きをしていることが確認できているため、クロストリジウム・ブチリカムを使ったサプリメントや整腸剤が作られました。
しかし、クロストリジウム種に分類される腸内細菌は、すべてが善玉菌というわけではありません。
同じクロストリジウム種でもいろんな菌がいるため、バランスよく腸内で育てることが重要です。
クロストリジウム① 酪酸を作る善玉菌
クロストリジウム② 普段はおとなしくしているが腸内環境が乱れると良くない働きをする日和見菌
クロストリジウム③ 基本的にヒトにとって悪い働きをする悪玉菌(ウェルシュ菌など)
実は、このクロストリジウム・ブチリカムが、別名:宮入菌なのです。
腸内細菌の世界は、かなり複雑…!
宮入菌(ミヤイリ菌)と酪酸菌の違い
整腸剤のパッケージなどで見かける「酪酸菌」と「宮入菌」。
「宮入菌」は、酪酸菌の一種です。読み方は、ミヤイリ菌。
時は1930年代にさかのぼります。
プロバイオティクスの研究をしていたミヤリサン株式会社の宮入近治博士が、人の腸内細菌の研究中に、腸内の腐敗を抑制するクロストリジウム・ブチリカムを発見しました。
その時から、宮入博士の名前をとって、クロストリジウム・ブチリカムは「宮入菌(ミヤイリ菌)」と呼ばれるようになります。
宮入菌(ミヤイリ菌)
=クロストリジウム・ブチリカム
宮入菌(ミヤイリ菌)は、もともと下痢になりやすい方の治療薬として使われていましたが、大腸がんを予防する可能性が指摘され、ますます注目されています。
呼び方が違うだけで、同じ菌を指しているよ。
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酪酸菌と乳酸菌の違い
宮入菌(ミヤイリ菌)は酪酸菌の一種ですが、乳酸菌と酪酸菌は違う菌です。
生息場所が違うので、ケンカすることはなく、同じ腸内に生息できます。
乳酸菌と酪酸菌の違いは、以下のとおり。
詳しく見てみましょう。
作ることができる酸の種類が違う
酪酸菌は酪酸(短鎖脂肪酸)を作りますが、乳酸菌は乳酸を作ります。
腸内の活動場所が違う
酪酸菌は大腸全体のエネルギー源である酪酸を作り、悪玉菌の増殖を押さえます。
そして酪酸を作りながら酸素を消費するので、酸素がニガテなビフィズス菌などの善玉菌にとって住みよい腸内環境を作ります。
主に大腸にいて、大腸の中でも肛門に近い酸素が少ない場所を好みます。
乳酸菌は乳酸を作り、悪玉菌の増殖を押さえます。
酸素が好きな菌も多いので、酪酸菌だけではカバーしにくい小腸の下の方や大腸の小腸に近い部分に生息し、腸内環境を整えます。
酪酸菌入り整腸剤の比較
大腸全体のエネルギー源として働く酪酸。
腸内環境を整える強い効果がある酪酸菌系整腸剤のうち、人気の2種類を比較してみましょう。
ひとりひとり合う酪酸菌や整腸剤のバランスは違います。
強力型の「ミヤリサン」
腸の正常なバランスを保つ強力な酪酸菌(宮入菌)の入った整腸剤です。
宮入菌は生物でもっとも耐久性があるといわれている芽胞を形成する丈夫な菌で、腸内でビタミンB群(B1・B2・B12・ニコチン酸・葉酸)を作ると言われています。
バランス型の「ビオスリーHi」
ビオスリーHi(270錠)の特徴は、酪酸菌はもちろん乳酸菌と糖化菌の3種の菌が入っていることです。
それぞれ腸内環境を整えるための役割が違い、助け合って腸内環境が整えられるバランス担っています。
糖化菌:乳酸菌やビフィズスのエサを作って、増殖を助ける
乳酸菌:小腸の近くで増殖し、腸内環境を整え、酪酸菌を増やす
酪酸菌:肛門の近くで増殖し、腸内環境を整え、酪酸を生成して大腸のエネルギー源をつくる
整腸剤「ミヤリサン」「ビオスリーHi」比較表
ミヤリサン | ビオスリーHi | |
---|---|---|
主成分 | 酪酸菌(宮入菌) | 酪酸菌 |
主な働き | 腸の正常なバランスを保つ | 腸の正常なバランスを保つ |
主な効果効能 | 整腸(便通を整える)、軟便、便秘、腹部膨満感 | 腸内フローラと大腸バリアを改善し、日ごろの便通を整える |
おすすめの方 | お腹の調子が悪い方 便が軟らかい方 便秘しがちな方 | お腹がゆるくなりやすい方 お腹の張りを改善したい方 腸内フローラと大腸バリアを改善したい方 |
その他成分 | 乳糖、トウモロコシデンプン、セルロース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、白糖 | 糖化菌、ラクトミン(乳酸菌)、ポリビニルアルコール(完全けん化物)、ポビドン、バレイショデンプン、乳糖水和物、ステアリン酸Mg |
その他特徴 | 宮入菌は腸内でビタミンB群(B1・B2・B12・ニコチン酸・葉酸)をつくる。強い酸度の胃液にもおかされず、生きたまま腸内に達して効果をもたらす。 | 乳酸菌やビフィズス菌を増やす糖化菌、腸の機能維持に必要な酪酸菌、酪酸菌の増殖を助ける乳酸菌の3種の活性菌が生きたまま届く。 |
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酪酸菌入り整腸剤の口コミ
ここからは、実際に酪酸菌入り整腸剤をすでに飲んでいる人の口コミを見てみましょう。
強力型の「ミヤリサン」に関する口コミ
過敏性腸症候群をはじめとする下痢の悩みが多い方の改善報告が多いミヤリサン。
腸内環境全体のエネルギーである酪酸を作る力が強いので、肌荒れ改善などの腸に留まらない部分まで改善報告が多い。
満足度高し!みなさん、自分で観便(=便を観察すること)をして、自分に合うかどうか確認していますね!すばらし~。便秘型の方よりも下痢型の方のほうが、良い報告が多い気がします。
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バランス型の「ビオスリーHi」に関する口コミ
人によって全く腸内環境が違うので、効果があると感じる整腸剤も違います。いろいろ試してみるのがおすすめです。1日だけ変えてもわからないので、2週間ずつ変えてみて様子を見るのがおすすめ。
まとめ:ヤリサンとビオスリー、どっちがいいの?違いを徹底比較!酪酸菌系整腸剤
酪酸菌は、大腸のエネルギー源である酪酸を作り、腸内環境を整えてくれる菌でした。
宮入菌(ミヤイリ菌)はその一種で、強力な腸内環境改善効果やビタミンB群を腸内で生成してくれることがわかっています。
酪酸菌のすごいところは、乳酸菌とケンカしないところです。酸素がニガテな酪酸菌はそもそも乳酸菌と違う場所に生息していることも多く、乳酸菌とうまく強力しながら腸内環境全体を整えてくれる効果があります。
乳酸菌やビフィズス菌配合の整腸剤やサプリメントと比べるとまだ数は少ない酪酸菌配合の整腸剤ですが、その効果に期待している専門家も多く、過敏性腸症候群や下痢にお悩みの方から便秘にお悩みの方、そして腸内環境が悪いために起こる肌荒れやメンタルの不調まで一気に改善する可能性も期待されています。
気になる方は、ぜひ参考にしてみてね。
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参考文献
Gut microbiota in colorectal cancer: mechanisms of action and clinical applications
https://www.nature.com/articles/s41575-019-0209-8