【この記事で解決できるお悩み】
・ぬか漬けに白カビが生えた!!どうしたらいいの?
・このぬか床、もう使えない?!
この記事では、こんなお悩みを解決します!
ちょっと気を抜いて目を離した隙にぬか床が白カビだらけ!!
そんな経験をした方はいませんか?
でも実はそのぬか漬けの白カビ、「カビ」ではないかもしれません。
そこで今回はぬか漬けに白カビらしきものが生えた場合の処理方法を大解説!
カビかどうかの判断基準はもちろん、どうやって対処するのが適切なのか、おすすめのぬか床管理法を整理してみました。
この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
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結論:ぬか漬けの白いものはカビじゃない
まず、驚かないで聞いてください。
ぬか漬けの白カビらしきものは、カビではありません。
白カビでないとすれば何なのか…その正体は「産膜酵母(さんまくこうぼ)」です。
白カビの正体は産膜酵母
産膜酵母(さんまくこうぼ)とは、酵母菌の集合体です。
=酵母菌の集合体
酵母菌は、日本酒やワインなどのアルコールを作る際に使う発酵菌の一種で、糖分をエネルギーにして、アルコールと炭酸ガスを作ります。
酸素が好きな菌なので、ぬか床の中ではなく表面にたくさん集まります。酵母菌がたくさん集まると、白い膜のようにみえるので、白カビだと誤解してしまうのです。
産膜酵母はぬか漬けだけではなく、味噌や醤油などの発酵食品にも生えるものなので珍しくありません。
ヒトに害を与えるものではないのですが、増えすぎるとアルコール臭が強くなったり、ボンドのようなセメダイン臭がするなど、ぬか漬けのおいしさを損ねてしまう可能性があります。
そのため、産膜酵母は増やし過ぎないようにキープしたほうがよいと言われています。
産膜酵母が張りやすいぬか床の特徴
産膜酵母が表面に張りやすくなっているぬか床には、特徴があります。
その特徴とは、乳酸菌が増えすぎているということ。
乳酸菌は酸素がニガテなので、ぬかの中の酸素が少ないと過剰繁殖が起こります。
1日1回程度、毎日ぬか床を混ぜ続けていれば、酸素が自然にぬか床に混ざり、乳酸菌の過剰繁殖が起こりにくくなりますが、混ぜるのを忘れたり、放置しすぎると産膜酵母が過剰繁殖します。
また、まめに混ぜているのに乳酸菌が増えすぎているのであれば、塩分が少ない可能性も考えられます。
乳酸菌は塩がニガテなので、健康的なぬか床を作るためには塩分濃度も重要です。
目安としては約12%程度あれば、過剰繁殖は抑えられると言われています。
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産膜酵母と白カビの見分け方
産膜酵母と白カビは、一度特徴をつかんでしまえば簡単に見分けられます。
しかし、産膜酵母の存在を知らない人は当然ですが、白カビと勘違いしがちです。
ここでは産膜酵母と白カビを見分ける3つのポイントはこちらです。
見分け方➁ 綿のような塊ができている場合は白カビ
見分け方➂ 色がまっ白ではない場合は白カビ
一つずつ見ていきましょう。
見分け方➀ 凹凸がある場合は白カビ
産膜酵母と白カビの1つ目の見分け方は、でこぼこした凹凸です。
産膜酵母は、ぬか漬けの表面の全体に白くて薄い膜ができます。
一方、白カビは菌糸が生えているため、凹凸があり、点々と白いものがみえます。特にぬか床の容器の周辺の端のほうから白い凸凹ができることが多くなります。
見分け方➁ 綿のような塊ができている場合は白カビ
産膜酵母と白カビの2つ目の見分け方は、ふわふわした菌糸です。
産膜酵母は表面全体が白い膜に覆われているように見えますが、白カビは凹凸があり、さらにふわふわとした菌糸が見えます。
この2つの特徴がある場合は、白カビだと思って問題ありません。
見分け方➂ 色がまっ白ではない場合は白カビ
産膜酵母と白カビのさいごの見分け方は、色です。
どちらも白い色に違いはないのですが、産膜酵母は、基本的に薄い白色の1色のみです。
しかし白カビの場合は、白い中にも全体に黒ずんで見える箇所があったり、茶色っぽくみえる箇所があることが多いです。
また凸凹している点々の真ん中だけが緑色に変色している場合もあります。
もちろん真っ白でも白カビの場合もあるのですが、色がついていたら間違いなく白カビであることを覚えておきましょう。
産膜酵母ができちゃった場合の処理方法
ここからは産膜酵母と白カビができてしまった場合の処理方法をみていきましょう。
産膜酵母は、その薄さ・濃さによって処理方法が違います。
処理方法➁ 分厚い膜の場合
一つずつ見ていきましょう。
処理方法➀ 薄い膜の場合
産膜酵母ができちゃったけど、それが薄い膜の場合は、無視しましょう。笑
もちろん、個人的に「まずそう」「気になる」という方は、ちゃんととってもよいのですが、基本的には無臭でかつ、かなりうすい膜であれば、ぬか床をかき混ぜる時に一緒に混ぜてしまって問題ありません。
薄い膜だとしても何かしらの臭いが気になるのであれば、混ぜ込む必要はありません。
しかし、産膜酵母ができるのは決して悪いことではありません。
乳酸菌が過剰発酵していて、表面に酵母菌が避難しているだけなので、表面にいる酵母菌をぬかの中に戻せば乳酸菌の過剰発酵も止めてくれます。
また、酵母によるアルコール発酵で漬物に深く濃厚な香りをつけてくれて、おいしくなる可能性も高いのです。
産膜酵母はぬか床のバランスを調整する役割も担っているので、恐れる必要はありません。
処理方法➁ 白い膜が分厚い場合
産膜酵母がかなり分厚く、無視できない存在感を放っている場合は、スプーンですくって産膜酵母のところだけ捨てましょう。
産膜酵母に害はありませんが、混ぜ込んでしまうとセメダイン(ボンド)臭やアルコール臭など、おいしさとは逆行する変な臭いがとれなくなってしまうことがあります。
=産膜酵母が発酵の過程で出すアルコールが多すぎることによる臭い
=ぬか床の酵母菌が多すぎることによって起こる
=塩を足したり、水分量を減らす必要がある
=ぬか床の微生物のバランスが悪く、乳酸菌が過剰発酵している臭い
=乳酸菌が作るエチルアルコール(CH3CH2OH)と酢酸(CH3COOH)が酸化することによって起こる
=冷蔵庫に入れて温度を調節したり、塩を足したり、水分量を減らす必要がある
アルコール臭がする場合は、ぬか床の酵母菌が多すぎることが考えられます。
塩が少なかったり、水分が多かったりして、酵母菌が増えすぎてしまっています。
塩や水分の調整をすることで臭いを減らせます。
もっとつんとした嫌な臭いがセメダイン臭です。ボンド臭と呼ぶ人もいます。
この臭いがしたら、ぬか床の菌のバランスが崩れていることが多く、特に乳酸菌が増えすぎて、エチルアルコール(CH3CH2OH)と酢酸(CH3COOH)が過剰に作られることが臭いの元になっています。
臭いはぬか漬けのおいしさに直結し、一度臭くなってしまうとなかなか戻すのが難しいので、ヘタに混ぜ込むよりもすくってとってしまう方が賢明です。
産膜酵母が張っている表面をスプーンですくうだけでOKです。下のぬかの部分までとる必要はありません。
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産膜酵母を作らないための注意点
産膜酵母を作らないためには、ぬか床を管理する際に以下の3点をチェックしておく必要があります。
注意点➁ 塩分量を常に管理する
注意点➂ 水分量を常に管理する
一つずつ見ていきましょう。
注意点➀ 定期的にかき混ぜる
産膜酵母を作らないための注意点でもっとも大事なのは、定期的にかき混ぜて、空気を入れることです。
適度な頻度とタイミングでかき混ぜるのが重要で、最適な頻度としては1日1回程度だと言われています。
乳酸菌も適度に育て、酵母菌も適度に育て、ぬか床内のコロニーを安定させることが、おいしいぬか漬けができるコツです。
注意点➁ 塩分量を常に管理する
産膜酵母を作らないための注意点で大事なことの2つ目は、塩分量を常に管理することです。
雑菌がぬか床の中に入れないようにするためには、一定の塩分量が必要です。
基本となるのは12%程度だと言われています。
最初は最適な塩分量になっていたとしても、野菜にはたくさんの水分が含まれていますし、ぬかも少しずつ少なくなっていくので、塩分濃度はどんどん低くなっていきます。
途中でぬかを足したり、塩を足したりして、常に13〜15%の塩分量をキープするようにしましょう。
注意点➂ 水分量を常に管理する
産膜酵母を作らないための注意点で大事なことの3つ目は、水分量を常に管理することです。
塩分量とも関係がありますが、野菜から出る水でぬか漬けを作れば作るほど、水っぽいぬか床になります。
通常、ぬか床は直射日光が当たらない涼しい場所に保管しておくことが推奨されますが、どんなに涼しい場所を選んだとしても、高温多湿の梅雨から夏の間は水っぽいところからカビが生えます。
水分量の調整と気温管理は、コロニーのバランスを管理する上でとても重要なのです。
水分量が少なすぎても乳酸菌が育ちにくく、おいしいぬか漬けができにくくなるので水を捨てたり、ぬかを足したりしながら、温度管理を徹底し、どうしても暑い場所しかない場合は昼間は冷蔵庫で保管することも検討しましょう。
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白カビが生えたぬか床の処理方法
産膜酵母なら混ぜ込んでしまったり、スプーンですくうだけで処理できますが、万が一ぬか床に白カビが生えてしまったらどう処理するのがよいのでしょうか?
処理方法➀ ぽつぽつと白いカビや緑のカビが生えている場合
ぽつぽつと白いカビや緑のカビが生えている場合は、混ぜ込んでそのまま使うのは避けましょう。
白カビや緑カビ、黒カビの部分をスプーンですくって、廃棄するだけで大丈夫です。
すくったあとの下のぬかが通常どおりの健康的な色をしていたら、そのまま足しぬかをして使いましょう。
しかし、しばらくほったらかしにしてしまった場合、白カビや緑カビ、黒カビの部分をスプーンですくっただけではどうにもならないほど、底の方まで腐っている時があります。
その場合はムリして使わずに、廃棄することをおすすめします。
処理方法➁ 腐敗臭がしている場合
見た目上、腐敗しているようにみえなくても、腐敗臭がきつかったり、アルコール臭やボンド臭がひどい場合も、そのままそのぬか床を使うのは困難です。
一度ついたひどい臭いはなかなか取れないし、日々の管理もかなり手間がかかるので、そのぬか床をムリして使おうとせず、つくりなおしをおすすめします。
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まとめ:ぬか漬けに白カビ!?どうやって対処する?
ぬか漬けの白カビらしきものは、カビの場合とカビでない場合があります。
白カビでない場合の「白いもの」の正体は、「産膜酵母(さんまくこうぼ)」です。
産膜酵母(さんまくこうぼ)
=酵母菌の集合体
酸素が好きな菌なので、ぬか床の中ではなく表面にたくさん集まります。酵母菌がたくさん集まると、白い膜のようにみえるので、白カビだと誤解してしまうのです。
産膜酵母の場合は、特別な処理は必要なく、薄い膜であれば混ぜ込んでしまっても害はありません。
厚い膜の場合はアルコール臭やボンド臭の元になってしまう可能性があるので、混ぜ込んでしまうのではなく、白い産膜酵母の部分だけスプーンなどですくって取り除いてあげましょう。
産膜酵母が大量に発生すると、おいしいぬか漬けづくりの邪魔になってしまうこともあり得ます。
普段からぬか床の管理をする際に以下の注意点を意識しておきましょう。
注意点➀ 定期的にかき混ぜる
注意点➁ 塩分量を常に管理する
注意点➂ 水分量を常に管理する
それでもぬか漬けの白カビが増えてしまい、腐敗臭がしていたら…その時はあきらめて、もう一度ぬか床づくりからリベンジすることをおすすめします。
発酵食品のメカニズムを知ってからつくるぬか漬けは、その前よりもきっとおいしくできますよ。
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