【この記事で解決できるお悩み】
・甘酒を飲むと血糖値はあがるの?
・血糖値を上げない甘酒の飲み方が知りたい!タイミングやおすすめの摂取量は?



この記事では、こんなお悩みを解決します!
ほんのり甘くて、飲みやすく、栄養満点の甘酒。
お肌をきれいにしたり、ダイエットのサポートもしてくれるというエビデンスも続々と登場し、ますます美容と健康が気になる人に注目されています。
しかし、その甘さのせいで「血糖値が急上昇するのでは?」と、心配している人も多いみたい。
そこで今回は、甘酒と血糖値の関係を徹底解説!
甘酒を飲むと血糖値はあがるのか、そして血糖値をなるべく上げない甘酒のおすすめの飲み方や注意点を整理してみました。
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この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
結論:甘酒を飲むと血糖値は上がる


結論からいうと、甘酒を飲むと血糖値は上がります。



がっかりした人…ごめんなさい。笑 でも、食事をする=血糖値が上がるというのは、実はあたりまえのこと。甘酒だって、例外ではありません。
健康な人なら食事をすれば、血糖値は自然に上がります。
もちろん、甘酒だけが特に大きく血糖値を上げるわけではありません。
米麹甘酒を製造販売する八海醸造株式会社は、4週間、一日あたり118gの甘酒を摂取するだけでは、体重・体脂肪率・BMI・空腹時血糖値には影響がなかったという報告(※1)しています。
麴甘酒の過剰摂取により体重・体脂肪率・BMI・空腹時血糖値には影響がなく,グリコアルブミン・HbA1cでは基準値内における軽微な変化が認められたのみであった。
引用:麴甘酒の成分・機能性・安全性|八海醸造株式会社
もちろん、米麹甘酒にはたくさんの糖が含まれているので、飲みすぎはNGです。
しかし、大事なのは、ひとつひとつの食べ物を過剰に怖がらず、血糖値が上がるしくみを理解すること。
そうすれば、甘酒の豊富な栄養素を十分に摂取しながら、血糖値の上昇をなるべく抑える飲み方をすることができます。



ここからは、甘酒と血糖値のメカニズムについて、詳しく見ていきましょう。


甘酒の成分・カロリー
日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、100gあたりの甘酒の成分とカロリーは以下のとおり。



比較用として、りんごジュースとみかんジュースも並べてみたよ。
甘酒 | りんごジュース | みかんジュース | |
---|---|---|---|
カロリー | 76kcal | 43kcal | 45kcal |
タンパク質 | 1.7g | 0.2g | 0.5g |
脂質 | 0.1g | 0.1g | 0.1g |
炭水化物 | 18.3g | 11.8g | 10.6g |



甘酒のカロリーや炭水化物(糖質)は、フルーツジュースの2倍弱!でも、さらにすごいのがタンパク質。りんごジュースと比べると、なんと8倍近くも含まれています。
甘酒はその名前から、ただの「甘いお酒」と思いがち。
でも実は、タンパク質やビタミン、ミネラルがたくさん含まれていることから、「飲む点滴」と呼ばれることもあるくらい栄養が豊富な液体なんです。
さらに甘酒には、酒粕甘酒と米麹甘酒の2種類がありますが、このうちお米から作られた米麹甘酒には、いっさいアルコールが含まれていません。
米麹甘酒 | 酒粕甘酒 | |
---|---|---|
材料 | 米+米麹(麹菌) | 酒粕+砂糖 |
砂糖 | 入っていない | 入っている |
アルコール | 入っていない | 入っている |



「甘酒」っていう名称が、いろんな誤解を生んでますよね…笑 一般的に「飲む点滴」と呼ばれているのは、米麹甘酒のほう。ここからは米麹甘酒についてみていきます。
甘酒の糖の種類


血糖値の上がりやすさや上がりにくさは、食べ物や飲み物に含まれる糖の種類と、その他のビタミンや食物繊維のバランスによって異なります。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、100gあたりの甘酒に含まれる、糖の種類と量は以下のとおり。
甘酒 | りんごジュース | みかんジュース | |
---|---|---|---|
単糖類 | 18.3g | 10.8g | 9.2g |
でんぷん | 13.4g | 0g | 0g |
ぶどう糖 | 3.4g | 2.8g | 2.6g |
果糖 | 0g | 6.4g | 2.8g |
しょ糖 | 0g | 1.4g | 3.7g |
麦芽糖 | 0.1g | 0g | 0g |
計 | 16.9g | 10.7g | 9.1g |
甘酒に多い糖:でんぷん、オリゴ糖(でんぷんを麹菌が分解したもの)、ぶどう糖など
ジュースに多い糖:果糖、ショ糖(白砂糖)
甘酒には、複数の粒が連なった「でんぷん」という多糖類や、でんぷんを短く分解した「オリゴ糖」が豊富に含まれます。
これらの大きな糖は胃で消化されずに、腸まで届き、腸内細菌のエサになる糖です。
また、同じく甘酒に多いぶどう糖は、糖の中でいちばん粒が小さく、これ以上分解できない糖です。そのためすぐに代謝され、血糖値を上げやすいという特徴があります。
一方、ジュースに多く含まれるのが、果糖とショ糖(白砂糖)です。
ショ糖=ぶどう糖+果糖
ショ糖はぶどう糖と果糖がくっついたもの。
血糖値を上げやすいぶどう糖が含まれているため、ショ糖もぶどう糖と同じく、血糖値を上げやすいと言われています。
【血糖値を上げやすい糖ランキング】
1:ぶどう糖
2:ショ糖(白砂糖)



これだけを見ると、ぶどう糖が多い甘酒がいちばん血糖値を上げやすそうですが、一概にそうとも言えません。
甘酒の糖と血糖値の関係
健康な人が糖をとると、血糖値が上がります。
そのメカニズムをかんたんに説明すると、以下のとおり。
【健康な人の糖分と血糖値のメカニズム】
1:食事に含まれる糖分が、ぶどう糖に分解されて、血液中に流れでる
2:血液中にぶどう糖が増えると、血糖値が上がる



ぶどう糖がいちばん多い甘酒がいちばん血糖値が上がりそう…と思うかもしれないけど、実はそんなに単純ではないんです。
なぜなら、米麹甘酒に含まれているのは、糖だけではないから。
【米麹甘酒に含まれている成分】
ぶどう糖、タンパク質(必須アミノ酸)、ビタミンB群、食物繊維、酵素、独自の発酵成分(エルゴチオネイン、コウジ酸、フェルラ酸など)
甘酒は血糖値を上げる原因になるぶどう糖が含まれている一方で、逆に血糖値の上昇を抑制する成分である、食物繊維やビタミンB群(ビオチンなど)もたくさん含まれています。



フルーツジュースと比較すると、甘酒のほうが血糖値を上げる成分と血糖値を下げる成分の両方とも多く入っている…ってことなんですよね。ここがちょっと難しいところ。
日本ビタミン学会によると、ビタミンB群の仲間であるビオチンには、血糖値の上昇を抑制する力があることが報告(※2)されています。
過剰量のビオチンは高脂肪食摂取の早期の段階から摂食抑制と顕著な体重増加抑制を示し,高脂肪食による肥満と高血糖状態への進展を抑制しました。
引用:(※2)ビオチンによる糖尿病・肥満症・高血圧症の予防|日本ビタミン学会 市民公開講座資料
そのため、一概に「甘酒は血糖値が上がりやすい」、もしくは逆に「甘酒は血糖値が上がりにくい」ということができません。



その甘酒の材料や作り方によって、各栄養素のバランスや質が違うため、選ぶ甘酒によって結果が異なることが考えられるんです。
みんなの口コミ!甘酒で血糖値はあがるのか?


では、実際に甘酒を飲んだ人の口コミから、甘酒で血糖値が上がった人の例と上がらなかった人の例をご紹介してみましょう。
甘酒で血糖値が上がらなかった人の例
実際に甘酒、オレンジ100%ジュース、カルピス、ポカリスエットを飲んで血糖値を比較されているロカボ実験室さんのデータ(※3)によると、なんと食後30分の血糖値がいちばん上がらなかったのは、甘酒…という結果がでました。
甘酒 | オレンジジュース | カルピス | ポカリスエット | |
---|---|---|---|---|
食後30分 | 105 | 114 | 117 | 117 |
食後1時間 | 105 | 149 | 93 | 108 |
食後2時間 | 78 | 87 | 83 | 96 |
食後3時間 | 83 | 74 | 91 | 102 |
なんと食後すぐから3時間経過するまで、いちばん血糖値が安定しているのが、甘酒でした。
オレンジジュースは急上昇&急降下、なぜか時間が経ってから上がってくるのがポカリスエット…糖の種類によってかなり血糖値の上がり方が違います。



うわぁ…おもしろい!!


甘酒で血糖値が上がった人の例
一方で、Twitterでは甘酒は血糖値が上がりやすいという報告をされている方もいます。(他の食べ物との比較はなし)
この甘酒の原材料を見てみると、以下のとおり。
米、砂糖、米こうじ、食塩、酸味料
米こうじ甘酒なのに砂糖が入っているということは、普通の米麹甘酒ではありません。



普通の米麹甘酒は砂糖を入れずに作るので、ショ糖が多めの加工甘酒なのかも?
このように、実験する人によって、また飲む甘酒の種類や原材料によっても、血糖値の上がりやすさは大きく異なることがわかります。



大事なのは、なるべく血糖値が上がりにくい飲み方を勉強しつつ、甘酒のメリットをしっかり受け取ること。甘酒には、血糖値の上げ下げ以外にも、こんなメリットがあるんです。
甘酒の効果


甘酒を飲むと、以下の効果があると期待されています。
一つずつ見ていきましょう。
疲労回復を助ける
甘酒には、疲労回復を助ける「ビタミンB群」がたくさん含まれています。
【ビタミンB群の種類】
ビタミンB1
ビタミンB2
ビタミンB6
ビタミンB12
ナイアシン
パントテン酸
葉酸
ビオチン
なかでも疲労回復やだるさ改善、心の安定などに役立つと言われているのが、ビタミンB1、B2、B6です。
ビタミンB1
=炭水化物 (糖質)の代謝を促す
=運動後の疲れや疲労物質「乳酸」が溜まった時に必要なビタミン
ビタミンB2
=脂質や糖質の代謝を促し、タンパク質の合成に関わる
=脂肪を燃焼させ、エネルギー代謝や細胞の新陳代謝を促進するビタミン
ビタミンB6
=神経伝達物質の合成に関わり、精神状態の安定させる



体も心もつかれたーって思ったときには、甘酒でビタミンB群を補おう!
腸内環境を整える
甘酒には、腸内環境を整える「食物繊維やオリゴ糖」ががたくさん含まれています。
岡山県立大学などが女子大生18名を対象に行った実験(※4)では、2週間、150ml/日の甘酒を摂取すると、便の回数が増えたことがわかりました。
さらに八海醸造株式会社は、米麹甘酒を飲むことで排便回数や排便日数が増えるだけでなく、飲み始めてから3週間後に腸内細菌叢のバランスが変化し、一般的に痩せ菌と呼ばれることが多いバクテロイデス属の菌が増えたことも報告(※5)しています。
バクテロイデス属
=Bacteroidetes(バクテロイデーテス)門に属する菌
=国際総合科学ジャーナル「Nature」で、肥満の人の腸内細菌はFirmicutes(ファーミキューテス)門に属する菌が多く、Bacteroidetes(バクテロイデーテス)門に属する菌が少ないと発表されたことから、痩せ菌と呼ばれることもある



たった3週間で腸内細菌叢が変わるなら、試す価値あるかも!?
ダイエットをサポートする
甘酒には、代謝を促進し、ダイエットをサポートする「ビタミンB群やレジスタントプロテイン」がたくさん含まれています。
ビタミンB群の大きな役割と言えば、代謝の向上。
ダイエットのために運動を継続する人にとっても、代謝を促して脂肪の蓄積を防ぐことは大切です。
さらに甘酒に多く含まれるのが、タンパク質の一種であるレジスタントプロテイン。
レジスタントプロテイン
=難消化性タンパク質
=胃で分解されず、腸まで届く
=コレステロール低下作用や肥満抑制作用が期待されている
2007年に中性脂肪が多い男性9名を対象に行った研究によると、レジスタントプロテインが含まれる酒粕発酵物を毎日とると、こんな変化があることが報告されています。
・中性脂肪値が低下
引用:(※6)健康と美容に貢献する「酒粕」の成分|農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター
・食欲ホルモン「レプチン」が低下
・やせホルモン「アデイポネクチン」が増加
・血圧が安定



レジスタントプロテインは、太りにくい体づくりを手伝ってくれるよ
肌の水分量&目のクマを改善する
甘酒には、肌の水分量&目のクマを改善する「フェルラ酸やエルゴチオネイン」が含まれています。
フェルラ酸
=植物が持っているポリフェノールの一種
=皮膚の光による老化を抑制する
=サンスクリーン剤や美白スキンケア材にも利用される
エルゴチオネイン
=麹菌などの一部の微生物のみが作る合硫アミノ酸の一種
=肌の炎症を抑え、老化を抑制する
森永乳業株式会社は、毎日朝と晩1回ずつ100mlのお湯で溶かして酒粕甘酒を飲んだところ、目の下のクマが薄くなり、さらに毛穴のたるみが少なくなったことを報告(※7、※8)しています。



さらに肌の水分量も多くなって、みずみずしい肌を保てるという報告(※9)も!お肌にとってはいいことだらけです。
血糖値を上げない甘酒の選び方・作り方


甘酒を習慣的に飲むなら、同時に血糖値を上げにくくする工夫もしたいところ。
その工夫は甘酒を選ぶところから始まっています。
一つずつ見ていきましょう。
原材料にショ糖(白砂糖)が入っていない甘酒を選ぶ
血糖値をなるべく上げない甘酒が飲みたいなら、原材料にショ糖(白砂糖)が入っていない甘酒を選びましょう。
昔ながらの製法で発酵させて作った米麹甘酒の原材料は、米と米麹だけ。
この作り方で作られた昔ながらの甘酒は、血糖値を上げるぶどう糖ももちろん入っていますが、発酵の過程で血糖値の上昇を抑制する食物繊維やビオチンもたくさん入っています。
しかし、もし原材料に「砂糖」や「ショ糖」が入っているのなら、それは昔ながらの製法ではありません。
どんな作り方をして、どんな栄養素が入っているのか、手がかりが少ないため予想ができません。
血糖値を上げるぶどう糖と砂糖が多くて、血糖値の上昇を抑制する成分がほとんど入っていない可能性だって、もちろんあります。



中身がブラックボックス過ぎて不安…どうせなら中身が予想できる信頼性の高い甘酒が飲みたいですね。
市販品を買うなら「玄米甘酒」にする
血糖値をなるべく上げない甘酒が飲みたいなら、「玄米甘酒」を買うことも検討しましょう。
玄米甘酒は、材料に玄米を使った甘酒です。
普通の白米を使った甘酒よりも栄養価が高く、特に血糖値の上昇を抑制する食物繊維や、ビタミンB群のビオチンの総量が多いのが特徴です。
玄米 | 白米 | |
---|---|---|
水溶性食物繊維 | 0.2g | 0g |
不溶性食物繊維 | 1.2g | 0.3g |
食物繊維総量 | 1.4g | 0.3g |
ビオチン | 2.5μg | 0.5μg |



もちろん作り方にもよるので一概には言えませんが、玄米甘酒のほうが血糖値の急上昇を抑えてくれる可能性が高いと言えそうです。
最近の研究では甘酒を摂取した時とブドウ糖をそのまま摂取した時では、インスリンの分泌量が異なり、個人差も大きいことがわかってきています。
岡山県立大学で行われた研究(※10)をご紹介しましょう。
4名の対象者の甘酒摂取時とブドウ糖摂取時のインスリンの分泌量を比較しました。
A:甘酒(1.038)>ブドウ糖(0.926)
B:甘酒(0.782)<ブドウ糖(2.008)
C:甘酒(0.732)=ブドウ糖(0.743)
D:甘酒(2.441)>ブドウ糖(1.451)
このようにどちらがインスリン分泌が多いかは人によって違うので、必ずしも甘酒が血糖値を挙げてインスリンを過剰分泌してしまうというわけではありません。
甘酒は食物繊維もたくさん入っています。
食物繊維は血糖値の上昇を抑えるので、糖類がたくさん含まれた他のものと比べると血糖値が上がりにくいという研究もあるので一概には言えませんが、少なくともブドウ糖には血糖値をあげて、インスリンの分泌を促す可能性があることは知っておきましょう。
手作りするなら「早造り」も検討する
血糖値をなるべく上げない甘酒が飲みたいなら、手作り甘酒派の方は「早造り」にすることも検討しましょう。
米麹甘酒の作り方には、通常の米+米麹+水で発酵させる作り方のほかに、「早作り」と呼ばれる米を使わずに米麹+水だけで発酵させる作り方があります。
かた作り
=米+米麹+水
=どろっとしていて、米が多い分甘い(ぶどう糖が多い)
=発酵時間が長い
うす作り
=米+米麹+水+水
=かた作りを水で薄めて飲みやすくしたもの
=発酵時間が長い
早作り
=米麹+水
=さらさらしていて、米が少ない分甘さも控えめ(ぶどう糖が少ない)
=発酵時間が短い
早作りならすぐにできるし、さらっとしていて、甘さも控えめ。少し甘さが欲しい時に調味料代わりに使えます。
また、かた作りよりは栄養成分が少なく、もちろんぶどう糖も少なめなので、気軽に使えるのもよいところ。



血糖値の上昇が心配な方は、まずは早作りで作った手作り甘酒で習慣化するのもひとつの手です。
血糖値を上げない甘酒の飲み方


血糖値をなるべく上げない甘酒の飲み方は、以下のとおりです。
一つずつ見ていきましょう。
ヨーグルトと混ぜて飲む
血糖値をなるべく上げたくないなら、ヨーグルトと混ぜて飲むのもおすすめです。
どうせヨーグルトに砂糖を入れて食べるなら、ぶどう糖にオリゴ糖、ビタミン、ミネラル、有機酸、そして食物繊維もたっぷり含まれている甘酒と砂糖を置き換えるのがおすすめです。
ヨーグルトにもたくさんの食物繊維と、食物繊維の代わりをしてくれる乳酸菌も含まれていますから、血糖値はさらに上がりにくくなります。



甘酒をそのまま飲むのがコワいなら、混ぜてしまうのが吉!
豆乳と混ぜて飲む
血糖値をなるべく上げたくないなら、豆乳と混ぜて飲むのもおすすめです。
どうせ豆乳に砂糖を入れて飲むのなら、ここでも甘酒を追加して、ぶどう糖にオリゴ糖、ビタミン、ミネラル、有機酸、そして食物繊維も一緒に取ってしまいましょう。
さらに豆乳に含まれるイソフラボンも摂取でき、美容効果が期待できます。
砂糖の代用品(甘味料)として使う
血糖値をなるべく上げたくないなら、甘酒をそのまま飲むのは避けて、調味料として砂糖の代わりに使いましょう。
コーヒーに少し入れたり、サラダのドレッシングに混ぜたり、甘酒と塩麹を混ぜたつけダレに野菜や肉や魚を漬けて、漬物にしても、うま味と甘みがたっぷりのお料理ができます。
甘酒をそのまま飲み物として飲むよりも、さらに多くの栄養が一緒に取れるので、血糖値は上がりにくくなります。
血糖値を上げない摂取量とタイミング


甘酒をそのまま飲む習慣を作りたい人向けに、血糖値を上げない摂取量とタイミングも整理してみましょう。
飲むタイミングでおすすめなのは?
食前などの空腹時に大量のぶどう糖をとると、血糖値が急上昇しやすくあまりおすすめできません。
甘酒を飲むなら食後がおすすめです。
2017年にウェイル・コーネル医科大学で行われた実験(※11)をご紹介しましょう。
この実験では、食べる順番を変えた3つの方法で、どれがいちばん血糖値が上がりやすいのか調査しました。
1:カーボ・ファースト
パンとオレンジジュース→鶏胸肉のグリルとサラダ
2:カーボ・ラスト
鶏胸肉のグリルとサラダ→パンとオレンジジュース
3:同時に食べる
パンと鶏胸肉のグリルとサラダをサンドイッチにして、オレンジジュースと一緒に食べる
すると、いちばん血糖値が急激に上がったのは、1のカーボ・ファーストで、いちばん血糖値が上がりにくかったのは、カーボ・ラストでした。



甘酒はお米由来の飲み物なので、この実験のパンと同じだと考えると、やっぱり最後に食べるのがよさそうです。
1日の摂取量としておすすめなのは?
世界保健機構 (WHO)のガイドライン(※12)では、ブドウ糖などの遊離糖類は1日のエネルギー摂取量の10%未満にすることを推奨しています。
【ブドウ糖などの遊離糖類の1日の推奨摂取量】
日本の成人男性:約67.5 g以下/日
日本の成人女性:約50g以下/日
世界保健機構 (WHO)のガイドラインによれば、成人女性の場合は約50g以下/日に抑えるのがおすすめです。
甘酒100㏄=約17gになるので、他の食事の分を加味するとこのぐらいにしておくのがおすすめです。
【甘酒100㏄に含まれる糖】
甘酒に100㏄に含まれるでんぷん+ぶどう糖+麦芽糖:16.9g



甘酒100㏄を調味料代わりに毎日使ったり、ヨーグルトや豆乳と1:1で割って飲むとコップ1杯分(200㏄)になってちょうどいいかも!コップ1杯を全部甘酒として飲む場合は、食事のごはんを減らしたりして調整してね。
まとめ:血糖値を上げない甘酒の飲み方を発酵のプロが解説!毎日飲んでOK?


甘酒には、血糖値を上げるぶどう糖がたくさん含まれているのと同時に、血糖値の上昇を抑制する食物繊維やビオチンも同時に取れる飲み物であることがわかりました。
甘酒の成分は複雑で、種類によっても違うので、一概に上げやすい飲み物・上げにくい飲み物だとは言えません。甘酒を習慣的に飲むなら、同時に血糖値を上げにくくする工夫もしたいところです。
血糖値を上げない甘酒の選び方は、以下のとおり。
さらに血糖値をなるべく上げない甘酒の飲み方は、以下のとおりです。
血糖値を上げないために、1日の摂取量や100㏄程度まで、タイミングは食後を選ぶとさらに安心です。
参考にしてみてね。
発酵を体系的に勉強したくなったら…
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参考文献
(※1)麴甘酒の成分・機能性・安全性|八海醸造株式会社
https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9704/9704_tokushu_5.pdf
(※2)ビオチンによる糖尿病・肥満症・高血圧症の予防|日本ビタミン学会 市民公開講座資料
https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/94/2/94_89/_pdf
(※3)甘酒を飲んで血糖値測ってみた。|ロカボ実験室
https://localab.net/sweet-sake/
(※4)便秘に対する甘酒摂取の効果|岡山県立大学
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnas/16/0/16_36/_pdf/-char/ja
(※5)Ingredients, Functionality, and Safety of the Japanese Traditional Sweet Drink Amazake
https://www.mdpi.com/2309-608X/7/6/469
(※6)健康と美容に貢献する「酒粕」の成分|農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010832420.pdf
(※7)美肌効果に期待できる成分|甘酒ラボ|森永乳業株式会社
https://www.morinaga.co.jp/company/rd/amazake_labo/report01/
(※8)毛穴たるみ抑制効果|甘酒ラボ|森永乳業株式会社
https://www.morinaga.co.jp/company/rd/amazake_labo/report06/
(※9)Ingredients, Functionality, and Safety of the Japanese Traditional Sweet Drink Amazake
https://www.dovepress.com/koji-amazake-maintains-water-content-in-the-left-cheek-skin-of-healthy-peer-reviewed-fulltext-article-CCID
(※10) 甘酒が血糖値と血中インスリン値に及ぼす影響
https://core.ac.uk/download/pdf/154141327.pdf
(※11)Carbohydrate-last meal pattern lowers postprandial glucose and insulin excursions in type 2 diabetes
https://drc.bmj.com/content/5/1/e000440
(※12)WHO calls on countries to reduce sugars intake among adults and children
https://www.who.int/news-room/detail/04-03-2015-who-calls-on-countries-to-reduce-sugars-intake-among-adults-and-children