【この記事で解決できるお悩み】
・甘酒って本当に美容や健康にいいの?
・甘酒の栄養成分や効果効能が知りたい!
・甘酒は甘ったるくてニガテ…それでも習慣化しやすいレシピはある?



この記事では、こんなお悩みを解決します!
飲む点滴と呼ばれ、美容や健康が気になる方に人気の甘酒。



今さら感もあって「どんな栄養成分が入っているの?」「どんな効果効能があるの?」って聞きにくいんだよね。



それは、もったいない!ちゃんと聞いて、納得して、発酵生活にとりいれるのがおすすめだよ。
そこで今回は、飲む点滴と呼ばれてひさしい「甘酒」の栄養成分・効果効能を徹底解説!苦手な方も多い甘酒のイメージを変える、習慣化しやすいずぼらレシピもご紹介します。
この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
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飲む点滴「甘酒」とは?
甘酒が「飲む点滴」と言われるのは、甘酒が点滴の成分と似ていることに由来します。
甘酒は食糧がそれほど豊かではなかった江戸時代に、庶民の命を助けた救世主でした。
甘酒の歴史
甘酒がはじめて書物に掲載されるのは、1597年(慶長2年)の国語辞典「易林本節用集(えきりんぼんせつようしゅう)」とのこと。(江戸時代の直前です)
この時代の甘酒は、「庶民の夏バテ防止ドリンク」として認識されていました。



その後、甘酒の利用用途は広くなります。
夏の飲み物としてだけではなく、冬にも飲まれるようになり、また料理に入れるなど調味料としても使われるようになったのです。



甘酒の種類と選び方➀ 材料別
甘酒には大きく分けて2つの種類があります。
=米+米麹+水で作られる甘酒
=アルコールは入っていないので誰でも飲みやすい
久しぶりに米麹・炊飯器甘酒
先月は、
毎日の観劇で忙しく
作れなかったし
お友達に頼まれたのもあって
5合炊いた。瓶や蓋は、ハイターして
しっかり洗い 煮沸消毒今 お粥モードで炊いてる
炊けたら 麹入れて8時間さぁ~ 何本取れるかな?#ひよくもち #兼吉こうじ#米麹甘酒#炊飯器甘酒 pic.twitter.com/jdW3t7t9xn
— 牡丹 (@KqxdKif16QcV1Ys) July 5, 2022
=酒粕+砂糖+水で作られる甘酒
=アルコール入りなので赤ちゃんや妊婦さんは飲めない
冷やし酒粕甘酒でアミノ酸チャージ! pic.twitter.com/q3LKZnMsUS
— AM-FAN/マフィアドクター🍙🍀 👓🥼 (@amfan42) July 10, 2022



米麹甘酒と酒粕甘酒を見分ける方法は、かんたんです。
原材料の表示を見た時に、米と米麹しか入っていないものは「米麹甘酒」、酒粕と砂糖が入っているものは「酒粕甘酒」だと考えてみてください。
米麹甘酒は、麹菌が米に含まれるでんぷんを分解し、ブドウ糖やオリゴ糖を作るので発酵の過程で甘くなります。
しかし、酒粕甘酒はすでにアルコール発酵まで済んでしまった日本酒のしぼりかすを使っているので、あまり甘さは感じません。
酒粕を水(お湯)で溶きながら、砂糖を加えて作るのが普通です。
一般的には米麹よりも酒粕のほうが値段が安いので、酒粕甘酒のほうが身近に感じるかもしれません。
でも、酒粕甘酒にはアルコールが含まれます。アルコールが弱い人、妊婦さんや授乳中の方、お子様は飲むことができません。





甘酒の種類と選び方➁ 加工方法別
材料別の種類のほかに、加工方法による種類にも以下のようなものがあります。
=飲料用の甘酒で、そのまま飲める
=飲料用として飲む場合は希釈する必要あり
=砂糖や甘味料の代わりに使用可能な甘酒



=人工甘味料や保存料、酸化防止剤などが含まれていない甘酒
=加熱処理していない甘酒
=米麹の発酵を止めていないので、酵素が元気で、味が変わる可能性もある
ストレートタイプと濃縮タイプは、使用用途によって使い分ければOKです。



なるべくシンプルな甘酒が飲みたいなら、麹だけ買ってきてヨーグルトメーカーで作るのもおすすめです。
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甘酒に含まれる注目の栄養成分
甘酒の栄養成分を整理してみましょう。





米麹甘酒と白米の栄養比較
日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、甘酒と白米の成分表は以下の通りです。
成分名 | 甘酒 | 白米 |
---|---|---|
エネルギー(kcal) | 76 | 156 |
たんぱく質(g) | 1.7 | 2.5 |
脂質(g) | 0.1 | 0.3 |
炭水化物(g) | 18.3 | 37.1 |
ナトリウム(mg) | 60 | 1 |
カリウム(mg) | 14 | 29 |
カルシウム(mg) | 3 | 3 |
マグネシウム(mg) | 5 | 7 |
リン(mg) | 21 | 34 |
鉄(mg) | 0.1 | 0.1 |
亜鉛(mg) | 0.3 | 0.6 |
銅(mg) | 0.05 | 0.1 |
マンガン(mg) | 0.17 | 0.35 |
B1(mg) | 0.01 | 0.02 |
B2(mg) | 0.03 | 0.01 |
ナイアシン(mg) | 0.2 | 0.2 |
B6(mg) | 0.02 | 0.02 |
葉酸(μg) | 8 | 3 |
水溶性(g) | 0.1 | 0 |
不溶性(g) | 0.3 | 0.3 |
総量(g) | 0.4 | 1.5 |
食塩相当量(g) | 0.2 | 0 |





栄養成分が多いのは、麹菌が発酵の過程で栄養成分を作っているから。
特に「ビタミンB2」や「葉酸」、「食物繊維」は白米よりも甘酒のほうが増えています。
甘酒は白米の糖質やエネルギーを半分にして、栄養成分の含有量をキープしているという意味で、とても注目されています。
注目されている甘酒の栄養成分は、以下のとおりです。
栄養成分➁ 必須アミノ酸
栄養成分➂ ビタミンB群(ビタミンB1,B2.B6)
栄養成分➃ 食物繊維
栄養成分➄ コウジ酸
栄養成分➅ エルゴチオネイン(米麹甘酒のみ)
栄養成分➆ フェルラ酸エチルエステル(酒粕甘酒のみ)
一つずつ見ていきましょう。


栄養成分➀ ブドウ糖・オリゴ糖
オリゴ糖=腸まで届き、腸内細菌のエサになる。腸内環境の改善に役立つ
米や米麹に含まれるでんぷんを麹菌が分解して作る糖類です。
甘酒に含まれるブドウ糖は、これ以上分解できない小さい糖で、脳を活性化させるエネルギーになります。
オリゴ糖は、いくつかの糖が連なっているため、胃では分解されず、腸まで届き、腸内細菌のエサになります。
栄養成分➁ 必須アミノ酸
甘酒には必須アミノ酸9種類すべてが含まれています。
アミノ酸は、筋肉や臓器はもちろん、体内の酵素やホルモン、血液などを作る材料になるため、とても重要です。
栄養成分➂ ビタミンB群(ビタミンB1,B2.B6)
ビタミンB群は、細胞の新陳代謝を高め、筋肉の疲労回復に役立ったり、皮膚や粘膜が健康的に維持するのをサポートします。
栄養成分➃ 食物繊維
食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
水溶性食物繊維は腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整える役割をします。一方の不溶性食物繊維は、老廃物のかさましをすることで腸のぜん動運動を促し、便秘の予防をします。
甘酒には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれています。
栄養成分➄ コウジ酸
コウジ酸は、麹に含まれる独自成分で、日本酒を作る職人さんの手が白くきれいなことから研究が始まった美白成分です。甘酒にも多く含まれます。


栄養成分➅ エルゴチオネイン(米麹甘酒のみ)
菌類だけが合成できる成分で、近年の研究では皮膚の老化を予防する効果やアルツハイマー病予防効果が期待されています。(※1、2、3)
栄養成分➆ フェルラ酸エチルエステル(酒粕甘酒のみ)
甘酒に含まれるフェルラ酸エチルエステルは、ストレスを和らげる作用が期待され、研究が進められています。(※4)
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甘酒の効果効能(エビデンス付き)
甘酒に期待される効果効能をまとめると、以下のとおりです。
効果効能➁ 睡眠改善&目の下のクマ改善
効果効能➂ 腸内環境改善&便秘解消
効果効能➃ エネルギー代謝アップ&肥満予防
効果効能➄ 育毛&髪のツヤ感アップ



効果効能➀ 肌荒れ予防&美肌対策
甘酒には、肌の皮脂のバランスを調整する効果があります。



森永製菓株式会社の研究(※5)によると、甘酒を1日2本、1か月摂取することで皮脂を減らし、肌荒れリスクが減らせることがわかりました。


効果効能➁ 睡眠改善&目の下のクマ改善
甘酒には、目の下のクマを薄くして、朝の目覚めをよくする効果があります。



朝の目覚めをよくする理由は、甘酒に含まれる睡眠物質「アデノシン」に関係があると考えられています。



森永製菓株式会社の研究(※5)によると、甘酒を1日2本、1か月摂取することで目の下のクマが薄くなり、心地よく朝目覚められるようになったことがわかりました。


効果効能➂ 腸内環境改善&便秘解消
甘酒には、腸内環境を改善して、便秘を解消する効果があります。
便秘薬(酸化マグネシウム)を飲んでいる軽度の便秘症の方が甘酒を1日1本、1カ月間摂取したことで、便の量や回数が増え、便秘薬を飲む量が減ったことがわかりました。(※5)





効果効能➃ エネルギー代謝アップ&肥満予防
甘酒には、エネルギー代謝を増やして、肥満を予防する効果があります。
2003年に月桂冠が行ったマウス実験(※6)をご紹介しましょう。
この実験ではマウスを以下の2つのグループに分けました。
グループ➁ カゼインが10%配合された高脂肪食をエサとして与える
そして、体重の変化の推移を確認しました。すると、明らかに甘酒入りのエサを食べたほうが体重の増加が抑えられることがわかりました。





効果効能➄ 育毛&髪のツヤ感アップ
甘酒には、髪の毛を増やす育毛の効果や、髪のツヤ感をアップさせる効果があります。
育毛効果の理由は、甘酒に含まれるビオチンです。
=別名:ビタミンB7と呼ばれるビタミンB群のひとつ
=皮膚や粘膜の新陳代謝を促して、頭皮の健康状態を改善し、髪の毛に栄養を届ける
ビオチンには、皮膚や粘膜の新陳代謝を促して、頭皮の健康状態を改善し、髪の毛に栄養を届ける効果があると期待されています。(※7)



また、甘酒を1日2個、1カ月摂取することで、髪のつやが良くなるという研究結果(※5)もあります。





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甘酒を習慣化するアレンジレシピ
甘酒は、飲料用としてそのまま飲むことができるだけじゃなく、砂糖の代わりに甘味調味料として使うことができます。
そのため、ちょっと甘酒がニガテと思っている方も、アレンジによっては習慣化することができるかもしれません。
ここでは、甘酒がニガテな方がおっしゃる甘酒の「甘ったるさ」を少し緩和するずぼらレシピをご紹介します。
レシピ➁ 甘酒ソーダ



レシピ➀ 甘酒つけ床
甘酒を甘味料として使い、野菜やきのこ類がたくさん食べられる、漬物を作りましょう。
甘酒つけ床の材料は、甘酒と塩こうじだけです。
甘酒
塩こうじ
➀ジップロックなどのジッパー付き保存袋に、甘酒と塩こうじを1:1の分量を入れて混ぜる
➁好きな野菜を➀に入れて、丸1日放置する



レシピ➁ 甘酒ソーダ
甘酒をそのまま飲むのがニガテな方は、さっぱりした炭酸水と混ぜてみましょう。
甘酒 80㏄
炭酸水 80㏄
レモン汁 少々
➀カップに甘酒と炭酸水を1:1の分量を入れて混ぜる
➁➀にレモン汁を入れてできあがり



まとめ:飲む点滴「甘酒」の栄養成分・効果効能を徹底解説
米麹を使った米麹甘酒は、白米とほぼ同じシンプルな原材料でできています。
しかし、麹菌の発酵パワーによって栄養がたっぷりです。
エネルギー(カロリー)が白米の半分であるにも関わらず、栄養成分が多いことが注目され、美容や健康が気になる方に人気の飲み物になりました。
特に注目されている甘酒の栄養成分は、以下のとおりです。
栄養成分➀ ブドウ糖・オリゴ糖
ブドウ糖=脳の主な栄養素。集中力や記憶力を高める。脳の機能を活性化させる
オリゴ糖=腸まで届き、腸内細菌のエサになる。腸内環境の改善に役立つ
栄養成分➁ 必須アミノ酸
体内で作ることができないアミノ酸。食べ物から得るほかない。
栄養成分➂ ビタミンB群(ビタミンB1,B2.B6)
代謝を高めるビタミン
栄養成分➃ 食物繊維
腸内細菌のエサになり、腸内環境を整える
栄養成分➄ コウジ酸
美白成分でメラニンの生成、シミ、くすみを予防する
栄養成分➅ エルゴチオネイン(米麹甘酒のみ)
きのこや米麹甘酒に多く含まれる、抗酸化が期待される成分
栄養成分➆ フェルラ酸エチルエステル(酒粕甘酒のみ)
酒粕甘酒に多く含まれる、抗ストレスが期待される成分
栄養成分が多いので、多くの健康・美容効果が期待されています。
効果効能➀ 肌荒れ予防&美肌対策
効果効能➁ 睡眠改善&目の下のクマ改善
効果効能➂ 腸内環境改善&便秘解消
効果効能➃ エネルギー代謝アップ&肥満予防
効果効能➄ 育毛&髪のツヤ感アップ
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参考文献
(※1)A comparison of the relative antioxidant potency of L-ergothioneine and idebenone
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17760697
(※2)L-Ergothioneine scavenges superoxide and singlet oxygen and suppresses TNF-alpha and MMP-1 expression in UV-irradiated human dermal fibroblasts
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15744438
(※3)Ergothioneine protects against neuronal injury induced by β-amyloid in mice
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22921351
(※4)森永製菓株式会社 “酒粕と米麹”を使用した甘酒にストレスを和らげる作用が期待される成分が含まれる
https://www.morinaga.co.jp/public/newsrelease/web/fix/file5dd1e0d039039.pdf
(※5)森永製菓株式会社 健康機能の研究成果「甘酒」
https://www.morinaga.co.jp/company/healthcare/amazake.html
(※6)月桂冠 江戸から続く健康飲料甘酒の知られざる力
https://www.gekkeikan.co.jp/RD/health/health05/
(※7)A Review of the Use of Biotin for Hair Loss
https://www.karger.com/Article/FullText/462981

