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長谷川ろみ
編集長:長谷川ろみ麹のちから推進委員会代表。元おデブの腸活研究家。腸内細菌に救われたことをきっかけに、日本の発酵文化や腸の大切さを伝えるためのコト・モノ・しくみづくりに挑戦中。詳細はこちら>

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便移植、日本で実施している方法は?費用や安全性の最新事情

工藤孝文先生
この記事の監修ドクター:工藤内科副院長 工藤孝文先生 詳しくはこちら

「便移植」って聞いたことはありますか?「糞便移植療法」や「便微生物移植」とも言うみたい。

健康な人の腸内細菌を移植することで、潰瘍性大腸炎のような難病が治るかもしれないとして注目されています。

今回は、この便移植について、日本で実施している方法、費用、安全性の最新事情を調べてみました!
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目次

便移植とは?

腸内環境を整えるために、自分以外の人の便を腸内に移植する方法です。

もちろんそのまま人のうんちをお腹にいれるわけじゃないので、心配してくださいね。
健康な人の便を摂取して、生理食塩水に懸濁し、大腸内視鏡を使って患者の大腸内に注入するのが一般的な移植方法です。

アメリカではかなりメジャーな治療になってきたそうですが、日本ではまだ一般的ではないかもしれません。でもとても注目されて、対応する医療機関が少しずつ増えています。

日本では、2015年2月に放送されたNHKスペシャル「腸内フローラ 解明!驚異の細菌パワー」で「便移植」が取り上げられて、「便移植」が知られるようになったように思います。

便移植の効果

便移植は腸に関する多くの病気に置いて、効果が高いと言われています。また、腸内環境を整えることで緩和されると言われる、うつやアレルギーなどの疾患にも影響があることがわかっています。

Clostridium difficile感染症
過敏性腸症候群
潰瘍性大腸炎
クローン病
難治性便秘
うつ
アレルギー など

潰瘍性大腸炎の回復率は…?

2015年、Gastroenterologyという消化器系では権威のある学術雑誌に、潰瘍性大腸炎を患っている患者さんが便移植を行った際の効果が掲載されていました。

この論文によると…

潰瘍性大腸炎の患者さん38人中9人が回復した。(回復率24%)
病気になってから1年以内の人は4人中3人が回復した。(回復率75%)
効果がある糞便の持ち主は特定していた。

参考:http://takyamamoto.hatenablog.com/entry/2017/04/13/232816

潰瘍性大腸炎は、原因がわからないため厚生労働省が難病に指定している病気です。

これが治るって本当にすごいこと!でも、とはいえ、回復率25%以下は、スゴイ!というか、んー?と思うか、人によって意見が分かれる気がします。

潰瘍性大腸炎が治るかどうかは、病気にかかってからの期間や、どの糞便を元にしているかなど、いろいろな好条件が重ならないと、まだ厳しいのかもしれません。

効果がある糞便の持ち主は特定していた。というのは、なんかとても納得。

人によって持っている腸内細菌は違いますから、いくら「健康な人」の便であっても、それぞれ特徴は違います。たまたま、潰瘍性大腸炎の患者さんが持っていた方がよい菌を持っていた人の便が当たった人は、とてもラッキーですよね。

その菌がどの菌なのか性格にわかっていないのが、なんだかもどかしいです。

また、便移植をしてから1年、2年、3年と時が経過した時に、再発しないかどうかも心配。やっぱり日常生活のクセを変えない限りは、完治ってすごく難しいのではと思ってしまいます。

腸内細菌は最初はお母さんからもらっているし、遺伝要素もないわけじゃないけど、やっぱり日々の生活習慣が腸内フローラを変えるっていうもんね。

便移植が効く病気・効かない病気

どうやら便移植は効く病気と効かない病気があるということは少しずつ分かってきています。藤田保健衛生大学病院消化器内科の城代康貴氏の発表によると、潰瘍性大腸炎への有効率は、やっぱり2割…。

先ほどの24%と近いものがあります。

Clostridiumdifficile感染症(CDI)への有効性が知られる糞便移植療法だが、潰瘍性大腸炎への有効率は2割と限定的である可能性が、藤田保健衛生大学病院消化器内科の城代康貴氏らの検討で示された。

参考:https://www.m3.com/open/clinical/news/article/541717/

ただし同じく腸に関する難病とされている、クローン病では高い有効性がわかってきていたり、Clostridiumdifficile感染症(クロストリジウム-ディフィシル感染症)などにも効果が高いことがわかっているみたい。

第103回日本消化器病学会総会(4月20-22日、東京都)のワークショップ「腸内細菌を標的とした消化管疾患の治療と実際」での発表内容で、潰瘍性大腸炎での成績が芳しくなかった一方、CDIおよびクローン病では高い有効性が示唆された。

参考:https://www.m3.com/open/clinical/news/article/541717/

うーん、まだまだ、これが正解!という便移植の見解は出しにくく、研究中というのが正しそうです。期待はしたいですよね!

便移植を行っている施設は?

日本では各大学病院で、難病に悩む患者さんに健康な人の腸内細菌を移植する「糞便移植療法」の臨床研究に取り組んでいます。

・順天堂大学医学部

・慶應大学病院

・千葉大学医学部付属病院

・滋賀医科大学医学部付属病院 など

便移植の費用はどのくらい?

便移植の費用は、まだまだ安いとは言えません。一般的な治療じゃないからあたりまえかもしれませんが、100万円を超える場合もあるみたい。

保険適用ができないので、どうしても高くなってしまいますよね。

ただ研究として実施される場合は、大学病院で費用を負担される場合もあるらしく、実際に治療をする機関によって値段は変化しそうです。

便移植の費用や安全性まとめ

腸内フローラの大切さが叫ばれるようになってから、かなり注目されている便移植、私もすごく気になりますが、まだわからないこともたくさんあります。

今のところ、クローン病やClostridiumdifficile感染症は、かなり多くの方に効果があったことがわかっていますが、潰瘍性大腸炎は回復率が20%前後と決して高いとは言えない数字。

病気によって便移植の成功率は変わりますし、またもらう便によっても異なるよう・・・。

まだまだ、一概に効く!効かない!効果ある!効果ない!っていうことができないことがわかってきました。

早くもっといろんなことがわかってくるといいな♪

とりあえず私は、今日も発酵食品や食物繊維をたっぷり食べて、病気予防をがんばります!

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