【この記事で解決できるお悩み】
黒にんにくを食べてはいけない人がいるってほんと?
黒にんにくの栄養素やメリットは?
黒にんにくのデメリットとは?食べ過ぎが危険な理由は?
この記事では、こんなお悩みを解決します!
黒にんにくとは、生の白いにんにくを熟成させ、真っ黒に変色させた食べ物のこと。
ドライフルーツのような濃厚な甘みがおいしく、低カロリー&高栄養であることから、健康食品としても人気です。
でも、栄養が多く含まれる反面、黒にんにくを食べてはいけない人がいるというウワサも…。
そこで今回は、黒にんにくを食べてはいけない人を徹底解説!
黒にんにくのメリットとデメリットを整理してみましょう。
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この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
黒にんにくを食べてはいけない人はこんな人!
黒にんにくを食べてはいけない人は、以下のとおり。
一つずつ見ていきましょう。
常備薬があり、飲み合わせに注意が必要な人
黒にんにくには、一部の薬の効果を弱めてしまう成分が含まれるため、常備薬がある人は飲み合わせに注意が必要だと言われています。
厚生労働省のホームページによると、抗凝固薬(抗凝血剤)や免疫抑制剤などとの飲み合わせなどにも注意喚起がされています。(※1)
種類 | 飲み合わせが悪い薬 | 起こりうる影響 |
---|---|---|
抗凝固剤 | ワルファリン、クマディンなど | 抗血栓作用のため、 血液の抗凝固作用が 過剰に働く可能性あり |
降圧薬 | リシノプリルなど | 血圧を下げる作用があるため、 降圧作用が過剰に働く可能性あり |
免疫抑制薬 | シクロスポリンなど | 効果が下がる可能性あり |
抗HIV薬・経口避妊薬 | サキナビル、リトナビルなど | 効果が下がる可能性あり |
黒にんにくの影響範囲は、結構ひろいぞ…。
ニンニクのサプリメントを摂取すると、出血のリスクが高まる可能性があります。ワルファリン(クマディン)などの抗凝固薬(抗凝血剤)を服用している場合、または手術が必要な場合は、ニンニクのサプリメントを摂取している、または摂取を検討していることを今かかっている医療機関に伝えてください。ニンニクサプリメントは、HIV感染症の治療に使用される薬であるサキナビルを含む、一部の薬の効果を阻害する可能性があります。また、ニンニクのサプリメントは、一部のダイエットハーブや他のサプリメントと相互作用する可能性があります。
(※1)海外の情報「ニンニク」|厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
上記の薬以外でも、常備薬がある方で心配なことがある方は、お医者様に相談してから食べましょう。
にんにくのアレルギーを持っている人
黒にんにくに関わらず、にんにくはアレルギーを持っている人がいる野菜です。
にんにく全般に含まれる「アリシン」という成分は、ヒトの体内でアレルゲンに変化することが知られています。
アリシンのアレルギーは、じんましんなどの皮膚症状から始まり、腹痛や下痢などの消化器の症状や、ひどい時はアナフィラキシーショックを発症することもあるため、油断は禁物です。
意外と悩んでいる人が多いアレルギーのひとつかも…。
医師から食事制限をされている人
「常備薬は飲んでおらず、にんにくアレルギーでもないから大丈夫」と思っても、にんにくには他のさまざまな成分が含まれます。
メリットとなる栄養成分が多い食べ物は、体質に合わない場合はデメリットになります。
黒にんにくに関わらず、普通の白いにんにくや玉ねぎなどが合わず、医師から食事制限を受けている人は、当たり前ですが食べられません。
心配なことがある人は、必ず黒にんにくを食べる前に医師に確認することをおすすめします。
黒にんにくのデメリット!食べ過ぎNGな理由
黒にんにくは、高栄養食品です。
そのため、体質的に食べられる人であっても、食べ過ぎはよくないと言われます。
その理由は、主に以下のとおり。
一つずつ見ていきましょう。
口臭の原因になる
黒にんにくは、食べ過ぎると口臭の原因になる可能性があります。
にんにくが原因の口臭の正体は、「アリイン」という臭気成分です。
「アリイン」は生のにんにくに多い成分なので、黒にんにくに加工するまでの熟成期間である程度は減っています。
アリイン
↓
アリシン
↓
ジアリルジスルフィド
↓
アリルメチルスルフィド(AMS)
そのため、口臭の原因である「アリイン」は、生のにんにくよりは少ないはずですが、それでもゼロではありません。
おならが臭くなる原因になる
黒にんにくによるにおいは、もちろん口の中だけにとどまりません。
黒にんにくを分解・消化する過程で、口から胃や腸へ移動したニオイ物質「アリルメチルスルフィド(AMS)」は、さらに腸管から血液に乗って、身体全体を巡ります。
そのため、もちろん食べ過ぎれば、体臭としてにおいの成分が体に染みついてしまう可能性があります。
もちろん永遠に臭くなるわけではなく、一時的なものなので心配しすぎないで。笑
臭いの素になる成分が体内にとどまる時間は、食べた量やその人の消化力によっても異なりますが、1~2日臭いままということもあり得ます。
口臭や体臭が心配な方は、臭いを抑えるシャンピニオンエキスと一緒に採るという方法も…
シャンピニオンエキス
=きのこポリフェノールの一種
=腸内で発生している悪臭成分(アンモニア・スカトール・メチルメルカプタン・硫化水素)と化学結合して、消臭効果を発揮
\ 8週間飲用する評価試験済み/
下痢になる場合がある
生のにんにくほどではありませんが、黒にんにくにも殺菌効果が高い「アリシン」が含まれます。
「アリシン」は、胃腸が弱い方や胃腸が弱っている時に大量に摂取すると、下痢などの原因になることがあります。
元気になろうとして栄養満点の黒にんにくを大量に食べると、かえって下痢になるということも…
胃痛・腹痛・腹部膨張感の原因になる場合がある
黒にんにくを食べ過ぎると、下痢以外にも胃痛・腹痛・腹部膨張感が起こることがあります。
他にもおならが止まらなくなるって人に会ったことが…
にんにくは食物繊維も多いので、胃腸には良くも悪くも影響が大きい可能性があります。
良い影響になればいいのですが、あくまで食べ過ぎは禁物。
人によっては胃腸に不快感が出たり、腹部膨張感がしばらく続くことも…。
生のにんにくよりは影響が少ないとはいえ、食べ過ぎには注意してください。 笑
健康効果(メリット)いっぱい!黒にんにくとは?
黒にんにくは、食べ過ぎたり、食べ方を間違えなければ、メリットがいっぱいの食品です。
詳しく見てみましょう。
機能性表示食品「黒にんにく」の歴史
黒にんにく発祥の地については諸説あり、もともとは1990年代後半に三重県で生まれたのではないかと言われています。
このころから日本各地で、にんにくを長時間熟成させた「黒にんにく」に関する研究開発が行われ、三重大学の田口寛教授や、弘前大学の佐々木甚一教授が、その機能性について様々な見解を述べてきました。
今では、にんにくの生産量が多い青森県で、にんにくの新たな付加価値として「黒にんにく」の商品が増えている印象があります。
平成19年には機能性表示食品としての販売もはじまり、消費が大きく拡大したという報告(※5)も!約2年間で3.1億円から4億円に販売額が上昇しました。
青森県には黒にんにくの自動販売機があるんだ!!
抗酸化成分「メイラード反応化合物」
黒にんにくは、白い生のにんにくよりも抗酸化成分が多いことが報告(※2)されています。
発酵・熟成の過程で作られるメイラード反応化合物の中でも、特に注目されているのが「5-HMF(5-ヒドロキシメチルフルフラール)」の存在です。
5-HMF(5-ヒドロキシメチルフルフラール)
=白にんにくよりも黒にんにくに多く含まれる注目の抗酸化成分
=醤油などの発酵食品にも多く含まれる
=抗ガン作用の可能性などに注目が集まっている(※3)
まだ、5-HMFの研究は始まったばかりですが、間違いなく黒にんにくブームの火付け役となった成分のひとつです。
疲労回復成分「S-アリルシステイン」
黒にんにくには、強い抗酸化作用がある「S-アリルシステイン」も多く含まれます。
S-アリルシステインは機能性表示食品の「機能性関与成分」としても認められている成分で、一時的な疲労回復、精神的疲労感の軽減、睡眠の質を向上などの機能性が注目されています。
機能性関与成分名 | 表示しようとする機能性 |
---|---|
熟成にんにくエキス (指標成分:S-アリルシステイン、アルギニン) | 本品には熟成にんにくエキスが含まれますので、睡眠の質を向上する機能があります。また、日常生活で生じる疲労感を軽減する機能があります。 |
S-アリルシステイン | S-アリルシステインには、毎日の摂取により、日常生活における一時的な疲労感を軽減する機能があることが報告されています。一時的なカラダの疲れを感じている方に適した食品です。 |
S-アリルシステイン(SAC) | S-アリルシステイン(SAC)は、注意力や思考力などを使う作業による一時的な精神的疲労感を軽減することが報告されています。 |
にんにくを食べると疲労回復にいいというのは、ちゃんとエビデンスがある話なんですね。
黒にんにくには、S-アリルシステイン以外にも「アルギニン」や「アリアチミン」という血流を良くする成分も多く含まれます。
血流を促すと、代謝が良くなり、疲労回復を促してくれると言われているよ。
高血圧抑制成分「GABA」
黒にんにくには、血圧の上昇を防ぐ「GABA」が多く含まれます。
「GABA」は発酵食品全般に多く含まれる成分です。
GABA
=ガンマアミノ酪酸(アミノ酸の一種)
=気分を落ち着かせる効果や血圧降下作用などが注目される成分
黒にんにくには、GABAが多く含まれるため、一部の商品には機能性表示食品として降圧作用が認められているものも存在します。
商品名 | 機能性関与成分名 | 表示しようとする機能性 |
---|---|---|
おいらせ黒にんにく | GABA | 本品にはGABAが含まれます。GABAには血圧が高めの方の血圧を下げる機能があることが報告されています。 |
黒にんにくのおすすめの食べ方
黒にんにくは、栄養満点でドライフルーツのような濃厚な甘さが感じられるおいしいおやつです。
しかし、おいしいからと言って、一度に大量に食べるとリスクもあります。
メリットを最大限得られるおすすめの食べ方を整理してみましょう。
黒にんにくは一日何個?適量は?
黒にんにくは、栄養たっぷりのおやつですが、特に胃腸が弱い方は食べ過ぎは禁物です。
黒にんにくメーカーによって、おすすめの1日摂取目安量は異なりますが、だいたい1日に1〜2粒をおすすめするケースが多いみたい。
黒にんにくを製造する柏崎青果さんのホームページでは、毎日1〜2片をおすすめしていました。
黒にんにくの皮をむいてそのまま毎日1〜2片をお召し上がりください。安心安全、良質な青森県産おいらせ黒にんにくが毎日の健康と年齢に負けない体づくりをサポートします。
引用:柏崎青果の熟成おいらせ黒にんにく
もちろん人によって適量は違うので、自分の体の変化を確認しながら、黒にんにくのデメリット無理ない食べ方を模索するのがおすすめです。
黒にんにくは毎日食べても大丈夫?
黒にんにくを食べたときの影響は、ヒトによって違うため、あくまで自分の体次第ですが、多くの黒にんにくメーカーさんは、毎日1〜2片を食べ続けることをおすすめしています。
この理由は、黒にんにくに含まれるポリフェノールやS-アリルシステイン、GABAなどは1度食べたら何日も食べなくていいものではなく、少しずつ摂ることで健康効果が得られる成分だからです。
黒にんにくは毎日食べても大丈夫な人がほとんどですが、そうでない人もいるので注意は必要です。
黒にんにくを食べるタイミングはいつがいい?
黒にんにくを食べるタイミングは、いつでもかまいません。
食事に混ぜて食べたり、おやつとしてお茶うけにするなど、いろんな食べ方があるので、自分が食べやすい方法に挑戦してみてください。
黒にんにくの保存方法は?
黒にんにくは、比較的日持ちする食べ物ではありますが、梅雨時や夏などの湿気が多い時期は注意が必要です。
湿気に弱いため、余分な水分が溜まらないように新聞紙などに包んで保存するのがおすすめです。
新聞紙は余分な湿気を吸い取り、黒にんにくに生えるカビや傷みを防いでくれます。
常温保存は、カビが生えてしまうリスクもあるので、冷蔵保存が安心…。商品によっても違うので、きちんと保存法を聞いてから購入するようにしましょう。
臭いが気になる人はシャンピニオンエキスと一緒に
黒にんにくは、生のにんにくと比較したら、臭いはほとんどありません。
しかし、それでも口臭や体臭が気になる人は、消臭効果があるシャンピニオンエキスが含まれたサプリメントや、甜茶などの消臭効果のあるお茶(※4)と一緒に食べましょう。
シャンピニオンエキス
=きのこポリフェノールの一種
=腸内で発生している悪臭成分(アンモニア・スカトール・メチルメルカプタン・硫化水素)と化学結合して、消臭効果を発揮
\ 8週間飲用する評価試験済み/
チーズと一緒につまみとして食べるとおいしい
黒にんにくはドライフルーツととても似ているため、ドライフルーツの代わりにするととてもおいしく食べられます。
特にチーズとの相性はよく、お酒のおつまみとしてチーズ&黒にんにくセットにして食べるのがおすすめです。
味噌と混ぜて調味料の隠し味にするとおいしい
黒にんにくは、甘味と酸味が濃厚なので、味噌や醤油などの発酵調味料ととてもよく合います。
この独特かつ濃厚な味を活かして、調味料として食べる人が結構いるみたい!もとから調味料にした加工品も発売されているそうです!
おにぎりにするとか一見すごく不思議だけど、味が想像できる!絶対おいしい!笑
黒にんにくは意外とご飯ものとの相性が良い
意外かもしれませんが、黒にんにくはカレーやチャーハンなどのご飯ものの隠し味にすると、とてもおいしく食べられます。
わたしもカレーにいれるのだけど、酢豚にパイナップルがニガテじゃなければ、美味しく食べられると思います!笑
まとめ:黒にんにくを食べてはいけない人はこんな人!
黒にんにくは、ドライフルーツのような濃厚なうま味と甘みが混じる栄養食品のひとつ。
カロリーも低く、普段摂りにくい栄養素もたくさん含まれることから、健康や美容が気になる人の間で人気です。
しかし、栄養価が高い食品は、合わない人にとってはデメリットになることも。
常備薬がある人やアレルギーがある人は、決して黒にんにくを食べてはいけません。
さらに黒にんにくが体に合う場合であっても、食べ過ぎには注意が必要。
ムリなくおいしく、体に合った食べ方をすることで、より健康的な体を目指しましょう。
参考にしてみてね。
発酵を体系的に勉強したくなったら…
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参考文献
(※1)海外の情報「ニンニク」|厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/23.html
(※2)青森県の代表的特産「黒ニンニク」の反応過程の解明について|弘前大学
https://www.hirosaki-u.ac.jp/wordpress2014/wp-content/uploads/2020/10/press_20201008.pdf
(※3)醤油香気成分の抗腫瘍効果
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/95/5/95_5_336/_pdf/-char/en
(※4)甜茶抽出物のアリルメチルスルフィドに対する消臭効果
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1995/51/4/51_4_205/_pdf/-char/ja
(※5)付加価値をつけた青森にんにくの商品化|農業生産法人有限会社柏崎青果
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/kikaku/pdf/jirei_04.pdf