


今回は、こんな疑問にお答えします。
・便秘によって老廃物が腸内に長くとどまると、老廃物が腐敗して有害物質が発生するので吐き気や嘔吐につながることがある
・体内を有害物質が巡ってしまうことによって、自律神経のバランスがとりにくくなり、冷や汗やめまいなどにもつながるので、たかが便秘と思ってはいけない
便がでないだけだと侮っていると、つらすぎる慢性便秘。
その理由は、便が出ないだけではなく、複合的な症状がたくさんでてくるからです。
また逆に、何らかの病気の複合的な症状のひとつが便秘であることもあるので、便秘には注意が必要です。
今回は特に、便秘に伴う吐き気や冷や汗、食欲不振などの複合的な症状についてまとめてみました。



便秘とは?
日本内科学会によると、便秘とは「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」のことを言います。



便秘の3つの種類
便秘には大きく分けて3つの種類があります。
種類➀ 機能性便秘
大腸の機能に問題があるタイプの便秘で、いちばんよくある一般的な便秘です。
腸のぜん動運動が働きにくかったり、結腸の運動、直腸の感覚がにぶかったりして、排便機能が低下していることで起こる便秘です。
症状としては2種類あり、一つは排便の回数自体が低いケース、もう一つは排便自体が困難になるケースだと言われています。
=大腸の通過時間が長いために便の回数が減る
=食物繊維摂取不足が原因であることが多いといわれている(18~20g/日が目標)
=腸のぜん動運動や腸の形、腸内細菌叢の状態などのために便をしにくくなる
近年増えている「便秘型過敏性腸症候群」も機能性便秘に入ります。
過敏性腸症候群の場合も腸のぜん動運動がおかしくなりますが、その原因はストレスです。
ストレスによって大腸がけいれんしてしまうため、下痢と便秘を繰り返すケースが多くなります。
種類➁ 器質性便秘
なにかしらの腸の病気が原因で起こる便秘です。
例えば、大腸にがんや粘膜下腫瘍などができ、大腸が細くなってしまうことで便が出にくくなります。
また、腫瘍ができることで大腸の動きが悪くなり、便秘が悪化することもあり得ます。
がんや腫瘍じゃなくても、クローン病や大腸炎などの炎症性の腸疾患ができると、強い炎症のために腸が硬くなって便秘になることがあります。
種類➂ 続発性便秘
なにかしらの腸以外の原因(病気)で起こる便秘です。
例えば、糖尿病になると腸のぜん動運動が低下することがあります。
また、パーキンソン病などの自律神経に関連する病気や甲状腺機能に関連する病気でも大腸の動きを制限してしまうので、便秘を発症しがちです。
それ以外にも何かの病気の薬の影響で便秘になることがあります。



機能性便秘のうちの「慢性便秘」の定義
いちばん多い機能性便秘のうちの「慢性便秘」については、日本消化器病学会関連研究会等が編集している慢性便秘症診療ガイドライン2017にて、以下の定義が設けられています。
以下の6項目のうち、2項目以上を満たす
➀排便の4分の1超の頻度で、強くいきむ必要がある
➁排便の4分の1超の頻度で、兎糞状便または硬便である
➂排便の4分の1超の頻度で、残便感を感じる
➃排便の4分の1超の頻度で、直腸肛門の閉そく感や排便困難感がある
➄排便の4分の1超の頻度で、用手的な排便介助が必要である
➅自発的な排便回数が、週に3回未満である
【慢性の診断基準】
6か月以上前から症状があり、最近3か月間は上記の基準を満たしていること



便秘に伴う症状とメカニズム
便秘によって老廃物が捨てられなくなると、腸内環境が悪化し、ホルモンや自律神経なども異常をきたすので、複合的な症状が起こりやすくなります。
便秘に伴って起こる主な症状は以下の通りです。
不眠、不安感、うつなどの症状が出やすくなる
頭痛、疲れ、めまい、肌荒れ、冷や汗、肩こり、吐き気、嘔吐、げっぷ、体臭、食欲不振の症状が出やすくなる
特にひどい便秘によって出やすい症状があります。
便秘症状➀ 体臭・肌荒れ・吐き気
便秘によって老廃物が腸内に長くとどまると、老廃物が腐敗して有害物質が発生します。
しかし、便秘のために出口が塞がれているので、おしりから外に有害物質を出すことはできず、有害物質は腸壁から漏れ出て血液に入り全身をまわったり、口から逆流するようになります。
血液にのって全身を巡る有害物質が汗と一緒に毛穴からでて、異臭を放つことで体臭や肌荒れがひどくなります。
また全身に運ばれた有害物質のせいで、自律神経やホルモンの働きも悪くなり、吐き気やめまいにつながることも多くなります。
吐き気や嘔吐は、急性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの消化管の病気や穿せんこう孔、クローン病、脳腫瘍などの病気に関連していることもあるので注意が必要です。



便秘症状➁ 冷や汗
便秘によって同時に冷や汗をかくことがありますが、これも注意が必要です。
便秘による吐き気などの気持ち悪さ、体の異常が原因の発汗は、精神性発汗と言います。
=ストレスや不安にともなって交感神経が緊張することで起こる発汗
体臭・肌荒れ・吐き気などと同じように、体内を有害物質が巡ってしまうことによって、自律神経のバランスがとりにくくなるうえに、精神性発汗によってべたべたした汗をかくことがあります。
べたべたしている理由は、緊張によって大量の冷や汗をかくと汗にミネラルが含まれるからです。
このような精神性発汗は、交感神経の緊張が強くなっていることが原因なので、リラックスできる時間を意識して作りましょう。
リラックスすると副交感神経が優位になるので、緩和しやすくなります。
自分でできる慢性便秘対策
慢性便秘の原因は人によって違います。
体質の問題もあれば、食事の問題もありますし、姿勢や運動のクセ(習慣)が問題であることもあります。
ここからは便秘対策のために一度見直したほうがいい習慣を整理してみましょう。
対策➁ 排便姿勢
対策➂ 運動習慣
対策➀ 水と食事
便秘対策のために大事なのは、やはり水分です。
水が足りないと便がどうしても固くなり、外に出しにくくなります。
しかし、自分がどのくらい水分をとっているかは意識しないとわからない場合が多いので、知らぬ間に便秘体質になることがあります。
生活習慣や体質によって必要な水分量は変わりますが、まずは今自分が1日にどのくらいの水分をとっているか測ることからはじめましょう。
もし2リットル未満だったら、1リットル、1.5リットルと、少しずつ水分量を増やしてみて、自分の体にあう水分量をさがしてみてください。
また、食事についても自分の腸内環境に合った食べ物は人それぞれですが、まずはバランスのよい食事を基本に、食物繊維をたっぷり採りましょう。
特に排便回数が少ないタイプの便秘の場合は、食物繊維摂取不足が原因であることが多いといわれています。
18~20g/日を目標に食物繊維を採りましょう。
=ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸など
=腸内細菌のえさになり、多すぎる脂質や胆汁酸を体の外へ運ぶ
=セルロース、ヘミセルロース、リグニンなど
=便の大きさと水分を保ち、大腸に適切な刺激を与える
対策➁ 排便姿勢
アメリカのクリーブランドクリニックフロリダでは、排便時の姿勢を「考える人」にすると排便しやすくなるという研究結果(※1)を発表しています。
この研究でわかったことは以下の通りです。
➁排便できなかった患者22人中11人の患者は「考える人」の姿勢を取ることで排泄することができた。



対策➂ 運動習慣
運動習慣は、健康のためにはとても大切です。
腸にとってもそれは同じで、継続的に運動をし、適切な休憩をすることで臓器も働きやすくなります。
また、腸もみなどのマッサージも腸にちょうどいい刺激を届けることができます。寝る前におへその周りを一回りするように腸をもむと、次の日の排便がしやすくなります。
お医者さんに相談!便秘は何科?
便秘は慢性的な習慣が原因のことも多いですが、恐ろしい病気が隠れていることも少なくありません。
心配な場合はすぐに病院・医療機関にて「内科」または「消化器内科」を受診してください。
最近は便秘患者がとても多いので、便秘専門外来を設置している病院もあります。
病院・医療機関にて聞かれることは以下のとおりです。
病院で答えられるように整理していきましょう。
・現在の排便頻度はどのくらいか?(何日に1回など)
・便の硬さは?(コロコロしている、ひび割れている、普通、泥状など)
・排便以外の気になる症状は?(吐き気、痛み、お腹のハリなど)
・現在、他の病気があるか?
・現在、飲んでいるお薬はあるか?
まとめ ~便秘で吐き気が出るのはなぜ?~
便秘に伴って起こる主な症状は以下の通りです。
不眠、不安感、うつなどの症状が出やすくなる
頭痛、疲れ、めまい、肌荒れ、冷や汗、肩こり、吐き気、嘔吐、げっぷ、体臭、食欲不振の症状が出やすくなる
便秘によって老廃物が腸内に長くとどまると、老廃物が腐敗して有害物質が発生します。
しかし、便秘のために出口が塞がれているので、おしりから外に有害物質を出すことはできず、有害物質は腸壁から漏れ出て血液に入り全身をまわったり、口から逆流するようになります。
血液にのって全身を巡る有害物質が汗と一緒に毛穴からでて、異臭を放つことで体臭や肌荒れがひどくなります。
また全身に運ばれた有害物質のせいで、自律神経やホルモンの働きも悪くなり、吐き気やめまいにつながることも多くなります。
慢性便秘の原因は人によって違います。
体質の問題もあれば、食事の問題もありますし、姿勢や運動のクセ(習慣)が問題であることもあります。
ここからは便秘対策のために一度見直したほうがいい習慣を整理してみましょう。
対策➁ 排便姿勢
対策➂ 運動習慣
心配な場合はすぐに病院・医療機関にて「内科」または「消化器内科」を受診してください。
参考にしてみてね。
参考文献
https://www.kenei-pharm.com/cms/wp-content/uploads/2018/04/shoudokukannrenn_05.pdf
Influence of body posture on defecation: a prospective study of “The Thinker” position.
https://pmc.carenet.com/?pmid=26690926
\ 今ならオープニング価格で70%OFF (*´ω`*)/