白砂糖に比べると、健康的なイメージがある「はちみつ」。
「はちみつダイエット=痩せるためにはちみつを毎日なめる」という考え方もあるほど、はちみつには健康的なイメージがあります。しかし、あくまでも糖分が多いはちみつ。本当に痩せるのでしょうか?
今回ははちみつのダイエット効果や腸内環境に与える影響について、まとめてみたいと思います。
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砂糖とはちみつの違い
まずははちみつとはなんなのか、一般的には甘味料の白砂糖と比べながら整理してみたいと思います。
白砂糖はそのほとんどが「ショ糖」からできています。特に精製された白いお砂糖は、約98%がショ糖です。
それでは、ショ糖とは一体なんでしょうか?
ショ糖は、ブドウ糖と果糖からできています。その割合は、大体1:1。人工的に作られているので、白砂糖の中身はだいたい一緒です。
一方、はちみつは、人工的作られたものではありません。(人工的に作られたはちみつもどきは別です)
はちみつは、みつばちが作ります。みつばちが花の蜜を集め、巣の中で貯蔵します。そのため材料になる花の種類や環境、みつばちの種類などによって、はちみつの成分は大きく変わります。
例えば、糖類。ショ糖だけでなく、ブドウ糖や果糖も入っています。そして、腸内細菌のエサになりやすいオリゴ糖も混ざっています。
ブドウ糖は比較的早くエネルギーになる糖で、血糖値を上げやすいと言われています。はちみつはブドウ糖以外にも多くの糖が入っているので、ブドウ糖の割合が大きい白砂糖よりも血糖値が上がりにくいと言われています。
ダイエットするなら、血糖値が上がりにくい低GI食品を食べたほうがいいと言われますが、一般的にははちみつよりも白砂糖のほうが血糖値が上がりやすいと言われています。
=ショ糖がほとんど(ブドウ糖:果糖=1:1)
=血糖値が上がりやすい
はちみつ
=ブドウ糖少なめ、果糖多め
=血糖値が上がりにくい
はちみつの栄養素
はちみつは、糖の種類が多いだけではありません。他にもビタミンB群を始め、ミネラルや有機酸、ポリフェノールなど健康や美容にいい栄養素が含まれています。
酵素:ジアスターゼ ・ホスファターゼ
ビタミン:ビタミンC・ビタミンB1・ビタミン B2・ナイアシン
ミネラル:ナトリウム・リン・鉄・カルシウム・カリウム・マグネシウム・銅・亜鉛・マンガン
アミノ酸:バリン・ロイシン・イソロイシン・アラニン・アルギニン・リジン・アスパラギン酸・グルタミン酸・プロリン・スレオニン・メチオニン・ヒスチジン・フェニルアラニン・チロシン・グリシン・セリン
ポリフェノール:カフェ酸・p-クマル酸・フェルラ酸・ケンフェロール・クリシン・ケルセチン・p-ヒドロキシ安息香酸・バニリン酸・バニリン・シリングアルデヒド・ガランギン
この中には、ダイエットによい脂肪燃焼効果があるポリフェノールや痩せ菌を増やす酸も含まれています。
はちみつがダイエットにいいと言われることが多いのは、そのためです。
はちみつダイエットとは?
はちみつを使ったダイエットの中でも少し前に流行ったのが、夜はちみつダイエットです。
=毎日夜寝る前に大さじ1杯のはちみつをなめる
毎日、はちみつをなめるだけという簡単なダイエット法です。
そのままなめてもいいし、白湯に入れて飲んでもいいと言われています。
はちみつ大さじ1杯なら、約50kcal。それぐらいであれば太ることもないし、栄養素がたっぷりなので、サプリメントがわりになめることで、代謝が良くなったり、脂肪を燃焼してくれる可能性があると言われています。
はちみつダイエットの効果
はちみつダイエットに関しては、多くの論文が発表されています。ここではいくつか論文をご紹介してみましょう。
まずは、2019年に発表された脂肪燃焼効果に関する研究報告(※1)です。
この研究よってわかったことは、はちみつを摂取すると、内臓脂肪の蓄積を抑えるホルモン「テストステロン」のレベルが増加するということです。
=男性ホルモンの一種
=脂肪燃焼効果を高めたり、メタボを抑制する
テストステロンだけではありません。もうひとつ注目したいのが、ケンフェロールという成分です。
2020年に注目で行われたマウス実験(※2)によると、ケンフェロールという成分が腸内細菌のバランスを整えると言われています。
インスリン抵抗性を正常化し、高脂肪食を食べるマウスを肥満から守ってくれました。もちろんこちらはマウス実験なので人間にはどんな影響があるかははっきりしていません。
抗酸化作用が高く、細胞の中のミトコンドリアの機能を高めてくれるというので代謝アップや脂肪燃焼にも効果がありそうだと期待されています。
もうひとつはちみつの注目の成分は、グルコン酸です。別名:はちみつ酸と呼ばれています。
健康な成人男性にグルコン酸を摂取してもらったらビフィズス菌が増えて腸の働きを促進したという研究(※3)があります。
グルコン酸が増えると、腸内にいるビフィズス菌が増えます。ビフィズス菌は私たちが脂肪燃焼しやすくなる短鎖脂肪酸をたくさん作ってくれますから、結果的にヤセやすい体質に変化することが期待されます。
痩せるはちみつの選び方
ダイエット効果も期待できるはちみつですが、実はとても選び方が難しい食材です。スーパーに売っているはちみつは、すべてが栄養たっぷりではありません。裏の成分表を見ないで適当に買ってしまうと、「はちみつ」とラベルに書いてあっても、そのほとんどが白砂糖から作られたシロップだったなんてことも多いのです。
蜂蜜には大きく分けて3つの種類があります。
=ミツバチが作ったはちみつに何も加えてないもの
=国産では水分含有量が23%以下、海外産では20%以下
加糖はちみつ
=純粋はちみつに、水あめや人工転化糖を加えたもの
精製はちみつ
=食品加工に使いやすくなるよう、はちみつから香りや色を取り除いたもの
このうち加糖はちみつと精製はちみつは加熱加工されています。
また、中にははちみつ風の香りづけしているただの水飴も多いとか。そうなると、先ほど説明したミネラルや有機酸、ポリフェノールなどはほとんど含まれていません。栄養素としては、白砂糖とほぼ同じです。
また、スーパーでよく「純粋はちみつ」と書かれた商品が売っています。
これは加熱なしの生はちみつとは違い、加熱をしていることが多いです。熱を加えると一部栄養素は変形することもあるので、やっぱり生蜂蜜とは違うものだと考えたほうがいいかもしれません。
なるべく多くの栄養素を摂りたいと思ったら、買うときに非加熱のオーガニック蜂蜜を選ぶほうがよいかもしれません。
・蜜源植物・養蜂もオーガニックであること
栄養素の違いはおいておいても、非加熱のはちみつは濃厚でめちゃくちゃおいしいです。
私はBiene Biene(ビーネビーネ)のハチミツがお気に入りです。オーガニックローハニーで、ちょっと苦味や酸味があるところがお気に入り。
お湯に溶かすと薄まっちゃっておいしさが減ってしまうきがして、わたしはそのままスプーンにすくってなめながら、お湯や水を飲むのがすきです。
参考にしてみてね。
ばいばいきん。
参考:研究結果&論文等
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32337249/
Mechanisms of honey on testosterone levelshttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31321328/
High-throughput microbial bioassays to screen potential New Zealand functional food ingredients intended to manage the growth of probiotic and pathogenic gut bacteria https://ifst.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1365-2621.2008.01863.x
グルコン酸のヒト腸内菌叢に及ぼす影響https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim1987/8/1/8_1_29/_pdf/-char/ja
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