【この記事で解決できるお悩み】
・ヨーグルトは温めて食べたほうが、ダイエットや健康に良いってほんと?
・ヨーグルトを温める「ホットヨーグルト」の作り方や注意点をおしえて!



この記事では、こんなお悩みを解決します!
ヨーグルトは、アイスやプリンに並ぶ定番コンビニデザート。
おいしさはもちろんのこと、タンパク質やカルシウム、ビタミンなどの栄養がたっぷりな栄養補助食品として、腸活やダイエット中の方にも注目されています。
その一方で、気になるのはその冷たさ。胃腸を冷やしてしまわないか心配する人も少なくありません。
そんな冷え体質の人が注目している食べ方と言えば、ヨーグルトを温めて食べる「ホットヨーグルト」。
温めるだけで、いろんな健康・美容効果が得られるというウワサは、本当なのでしょうか?
そこで今回は、ヨーグルトを温める効果を徹底解説!さらに、ヨーグルトの効果的な温め方も整理してみました。
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この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
ヨーグルトを温める効果4選


ヨーグルトを温めることによる主な効果は、以下の4つです。
一つずつ見ていきましょう。
胃腸を冷やさず、深部体温を下げにくい
冷たいヨーグルトを食べる時に、いちばん心配なのは「胃腸を冷やしてしまわないか?」ということ。
城西大学や戸板女子短期大学が共同で行った研究(※1)によると、冷え性の人は冬の間冷たいものを食べないように意識していると言われています。
冷飲料の摂取(冬)は,冷えに対して逆の影響を示した。この結果は,冷飲料の多量摂取が冷えを防ぐことを示しているわけではなく,冷え症者が冷飲料を控えていると解釈するほうが妥当である。すなわち,非冷え症者は,季節に関係なく冷飲料を飲み,反対に冷え症者は,冷飲食物の摂取を意識的に避けている
引用:(※1)若年女性の冷えと食および生活習慣との関連



わたしもまさにそうです…。最近はコンビニやスーパーでも常温のお水を用意しているぐらい、冷えを気にしている人は多いよね。
東洋医学では、食べ物を体を冷やす「陰性食品」と体を温める「陽性食品」、そしてそのどちらでもない「中性食品」の3つに分けています。
陰性食品 | 陽性食品 |
---|---|
(生野菜、お刺身など) ・冷たいもの (清涼飲料水、アイスクリームなど) ・白いもの (白米、白パン、小麦粉、牛乳、砂糖など) ・春夏に収穫されるもの (レタス、キュウリ、トマト、スイカなど) ・南国産のもの (バナナ、キウイ、パイナップル、コーヒーなど) | ・生のもの(野菜の煮物、魚の煮つけなど) ・発酵させたもの (漬物、味噌、納豆、チーズ、紅茶など) ・天日に干したもの (干物、昆布、干ししいたけ、きくらげなど) ・秋冬に収穫されるもの (ごぼう、大根、レンコンなど) ・北国産のもの (りんご・柿・さくらんぼなど) | ・火を通したもの
同じ原材料でも、物理的に火を通したり、発酵させたり、干したりすることで陽性食品に変化させることができます。
例えばヨーグルトは、このどちらでもない「平性食品」です。
原料の牛乳は陰性の食品ですが、発酵させることによって「平性食品」に。さらにほっとヨーグルトにすることで、陽性食品に近づきます。
しかし、冷蔵庫で何時間も冷やしたヨーグルトを出してすぐに口に入れてしまうと、胃腸を冷やしてびっくりさせてしまう可能性があります。
人肌程度(30~40℃)まで温めて食べたほうが、冷え体質の人は安心です。
「全国冷え症研究所」所長の山口勝利先生(※2)によると、冷たい食べ物は内臓温度を4℃下げるのだとか。
【内臓温度を4℃下げる食べ物】
ビール:1杯
清涼飲料水:1杯
アイスクリーム:1個
さらに、日本スポーツ振興センターの暑熱対策ガイドブック(※3)によると、37℃の人肌に温められた水を飲んだほうが、4℃の冷たい水を飲んだ時よりも深部体温が高かったことも報告されています。
4℃の水を摂取した方が、37℃の水を摂取した場合に比べて運動中の深部体温が低く抑えられ、運動継続時間が長くなったことが報告されています。



物理的に温めたホットヨーグルトを食べるのは、「平性食品」としてヨーグルトをとって、深部体温をキープしやすくするためによい方法なんですね。
栄養素の吸収率が落ちない
カルシウムなどのミネラルやビタミンがたくさん含まれるヨーグルト。
その原料である牛乳のカルシウムの吸収率は40%で、ほかの食品よりもかなり高いことが知られています。(小魚は33%、野菜は19%など)
しかし、さらに牛乳を発酵させると、カルシウムが乳酸と合体し、吸収率がさらに高まるという報告(※4)があります。
牛乳ではカルシウム吸収率は40%ですが、ヨーグルトになると、乳酸とくっつき乳酸カルシウムとなり、さらに腸から吸収されやすい形になっています。



ここまででもかなりすごいヨーグルトのカルシウム吸収率!さらにホットヨーグルトにするともっとすごいことが!
イギリスのシェフィールド大学で行われた研究によると、あたたかい食べ物は、冷たい食べ物に比べて、消化酵素の低下を防ぎ、消化スピードを緩めないという報告(※5)があります。
ヨーグルトをホットヨーグルトにすることで、消化酵素の働きが低下するのを防ぎ、それによって乳糖不耐症の方の乳糖を消化する酵素の邪魔をせず、お腹がゴロゴロしにくくなる可能性も。



ホットヨーグルトのほうが、お腹がゴロゴロしない人もいる理由は、そういうわけだったんですね。
味がまろやかになっておいしくなる
冷たいヨーグルトと、ホットヨーグルトは、微妙に味が違います。
冷たいヨーグルト:
全体的に味が薄めで、味がさっぱり
ホットヨーグルト:
甘みとうま味が強く、味が濃厚
この理由のひとつは、ヒトの味覚は温度によって変化するからです。



暖かい飲み物のほうが、なんとなく濃くて甘く感じたこと、ありませんか?
ベルギーで行われた研究(※6)によると、その味覚の変化は以下のとおり。
甘み:低い温度の時は弱く、人肌程度になると強くなる
苦み:温度上昇に比例して弱まる傾向にある
酸味:温度上昇に比例して強まる傾向にある
舌の甘みを感じる受容体は、少し温めると(15~35℃程度)活性化します。
冷たいヨーグルトを温めてホットヨーグルトにすることで、甘味やうま味を感じやすくなり、同じ材料でも濃厚な味わいに感じることができるのです。



甘さがニガテな人は、もしかしたらホットヨーグルトにすると甘ったるいと感じるのかも…味覚っておもしろい!
ダイエット効果がある/痩せたという口コミ多数!
ホットヨーグルトにダイエット効果があるとか、痩せたという直接的な科学的な論文はあまりありません。
しかし、実際に冷たいヨーグルトをホットヨーグルトにすることで、深部体温が下がりすぎて代謝を上げるのに時間がかかったり、習慣的にヨーグルトが食べやすくなることはあり得ます。
それが間接的にダイエットを続けやすい環境を作りやすくなる可能性は大いにありそうです。



ホットヨーグルトダイエットの成功者の口コミって、やっぱり多い印象気がする…笑
ヨーグルトを温めても大丈夫?メーカーの見解


ヨーグルトを温めるメリットは多いけど、デメリットもあるのでは?と心配する人も多いようです。
しかし、いちばんおいしく食べてもらいたいと願っている、ヨーグルトの製造販売メーカーは、ホットヨーグルトにして食べることにどんな見解を持っているのでしょうか?
一社ずつ見ていきましょう。
株式会社明治の場合
ヨーグルトは温めていただいてもかまいません。
引用:ヨーグルトを温めて食べて(飲んで)もよいですか?|株式会社明治
人肌程度までであれば乳酸菌の働きに影響はありませんので、温めたらすぐに食べて(飲んで)ください。
※25~40℃の温度帯に長時間置かれると乳酸菌の活性が高まるため、酸味が強くなります。
※加熱し過ぎると分離がおこり、60℃を超えると乳酸菌が死滅していきます。



人肌程度に温めるだけなら、特に心配はなさそうです。
株式会社森永乳業の場合
温めていただいても構いません。
引用:『ビヒダスヨーグルト』を温めて食べてもよいですか。|株式会社森永乳業
ただし、高温になるとビフィズス菌は死滅してしまいます。
菌を生きて届けるためには、ひと肌程度(40℃)まで、ほんのり温めていただくことをお勧めします。また、温めた状態で放置すると醗酵が進み酸味が強くなりますので、お早めにお召しあがりください。
ヨーグルトで菌を摂取する場合、冷蔵保存したものをお早目にお召しあがりいただくことが最も効率的です。



森永乳業さんも同じ!ビヒダスヨーグルトはビフィズス菌が入っているヨーグルトですが、ほんのり温めるのもおすすめとおっしゃってますね。
江崎グリコ株式会社の場合
お召し上がりいただく分だけを、別の容器に取り分けてほんのり人肌程度(40℃前後)まで温めていただく分には、問題ございません。温めすぎ(60℃以上)ますと、乳酸菌やビフィズス菌が減ってしまいます。
引用:ヨーグルトを温めて食べてもいいですか?|江崎グリコ株式会社



やっぱり、「ほんのり」がキーワードみたい!笑 間違っても温めすぎはよくないとのことでした。
ヨーグルトを温める方法!ホットヨーグルトの作り方


ヨーグルトを温める方法で重要なのは、あくまでも温めすぎないことです。
理想的なホットヨーグルトの温度は、約40℃。
60℃以上の温めすぎたヨーグルトは、分離して味が落ちるのはもちろん、乳酸菌やビフィズス菌の状態もベストではありません。
ここでは失敗の少ないホットヨーグルトの作り方を3パターン、ご紹介します。
一つずつ見ていきましょう。
湯せんで作る
ホットヨーグルトづくりに絶対に失敗したくない人は、湯せんで作るのがおすすめです。
湯せんで作る方法は、温めすぎやヨーグルトが分離するなどの失敗が少なく、初心者でも安心して作れます。
作り方
1:60度くらいのお湯を張ったボウルを準備する
2:1のボウルの中に、ヨーグルト(100g)を入れた小さいボウルを準備する
3:2のヨーグルトを混ぜながら、温度が均一になるように混ぜる
4:人肌ぐらい(40℃程度)まで温度が上がったら完成(約5分)
メリット
・温めすぎる失敗がかなり少ない
・ヨーグルトが分離する失敗がかなり少ない
デメリット
・準備品が多くて面倒
・終わった後の洗い物が多い
おすすめの人
・時間がある人
・はじめてホットヨーグルトを作る人
・絶対に失敗したくない人



湯せんで作る方法は絶対失敗しないけど、かなりめんどくさいです…笑 私は一度作って、それ以降はやってません…笑
電子レンジで作る
とにかくかんたんにホットヨーグルトが作りたい人に向いているのが、電子レンジで作る方法です。
作り方
1:電子レンジOKの耐熱皿にヨーグルト(100g)を入れる
2:ラップはかけずに電子レンジで約40秒加熱
3:取り出して温度が均一になるように混ぜ、人肌ぐらい(40℃程度)までになったら完成
メリット
・とにかく簡単で準備がいらない
・洗い物も耐熱皿のみ
デメリット
・温めすぎるとヨーグルトが分離する
・電子レンジから目が離せない
おすすめの人
・とにかく簡単にホットヨーグルトが作りたい人
・最悪失敗しても笑って済ませられる人
・多少乳酸菌やビフィズス菌が死んでも気にしない人



電子レンジの場合は、その機種によってもかかる秒数が違うので、40秒ぐらいから少しずつ止めながら様子を見ていくのがベストです。
【ホットヨーグルトづくりにかかる時間の目安】
500w:1分
600w:40秒
電子レンジの場合は、マイクロ波によって乳酸菌やビフィズス菌が多少は死んでしまいますが、菌は死んでも死菌として腸内環境を整える手伝いをしてくれるため、気にしすぎる必要はありません。
それよりも習慣的にヨーグルトを食べてみることのほうが大事なので、この簡単さはとても大きなメリットです。
お湯を入れて作る
ホットヨーグルトドリンクを作るなら、お湯を入れて作る方法もあります。



この方法はドリンクにしたい人しか使えませんが、比較的簡単で失敗も少ないよ。
作り方
1:人肌より少し暖かい50℃程度のお湯を準備する
2:コップに常温のヨーグルト(100g)を入れ、かき混ぜながらゆっくり1を混ぜる
3:好みの柔らかさになったら完成
メリット
・とにかく簡単で準備がいらない
・洗い物もコップのみ
デメリット
・お湯が熱すぎるとヨーグルトが分離する
・ヨーグルトドリンクにしたい時しか使えない
おすすめの人
・とにかく簡単にホットヨーグルトが作りたい人
・最悪失敗しても笑って済ませられる人
・ヨーグルトドリンクが飲みたい人


ヨーグルトを温める時によくある質問


ヨーグルトを温める時によくある質問は、以下の2つです。
一つずつ見ていきましょう。
ヨーグルトを温めると菌が死んでしまうのでは?
乳酸菌やビフィズス菌は、その菌の種類にもよりますが、一般的には40℃前後がいちばん活性化します。
熱に弱いため、それ以上温度が上がると少しずつ弱まり、60℃ぐらいになると死んでしまうのは事実です。
そのため、乳酸菌やビフィズス菌が死んでしまうのが嫌な人は、ホットヨーグルトの温度管理に注意をしないといけません。
ただし、そもそも乳酸菌やビフィズス菌が死んでしまうことがそんなにまずいことなのかは疑問が残ります。
そもそも人間の体内の胃酸などの酸にやられる菌も多いため、最後まで生きて届けるのは至難の業です。
さらに、乳酸菌やビフィズス菌は、死菌であったとしても、腸内細菌のエサとなって腸内環境を整えると言われています。(菌の種類にもよるので、すべての菌が同じというわけではありません)



免疫力をアップしてくれる効果が高い種類の乳酸菌やビフィズス菌は、むしろ死菌のほうが効果が高いというデータもあるよ。私はあまり菌が生きているかどうかはこだわりません。笑


ホットヨーグルトは朝より夜に食べるといい?
ホットヨーグルトは朝より夜に食べるほうがいいという、明確なエビデンスはありません。
大事なのはホットヨーグルトを習慣化して、自分の腸に合う習慣かどうか、自分なりに研究すること。



もし合わなければ、途中でやめるという判断をすることも大事です。
であれば、やっぱり習慣化しやすいように、自分にとって食べやすい時間を決めてしまうのがおすすめです。
夜のほうが忘れないという方はぜひ夜に、朝のほうが気持ちよく続けられるという方はぜひ朝に。
自分なりのヨーグルト生活を習慣化してみてください。
また、食前に食べるか、食後に食べるかも迷う方がいます。
これについても、自分のペースをつかむことが大事ですが、それぞれのタイミングにメリットとデメリットがあります。
食前に食べるメリット | 食後に食べるメリット |
---|---|
・食欲を抑え、バク食いを阻止できる可能性がある | ・血糖値の急上昇を抑えることができる菌が腸に生きたまま届きやすくなる | ・食事によって胃酸の酸性度が弱くなっているので



生きたまま菌を届けたい人は食後がいいかもしれないし、ダイエット中の方は食前がいいかも…ヨーグルト生活がしたい目的にもよりますね。
まとめ:ヨーグルトを温める効果4選!レンジでできる簡単な作り方


ヨーグルトを温めることによる主な効果は、以下の4つです。
通常の冷たいヨーグルトを食べると、お腹がゴロゴロしたり、体が冷えてだるくなる方は一度試してみると、以外な発見があるかもしれません。
ヨーグルトを温める方法で重要なのは、あくまでも温めすぎないことです。
失敗の少ないホットヨーグルトの作り方は、以下の3つ。
湯せんで作るのは面倒ですが、失敗しません。時間があり、丁寧に作りたい方におすすめです。
やっぱり簡単なのがいちばん!という方は、電子レンジがおすすめです。少しずつ温めて、かき混ぜてを繰り返したほうが失敗は少なくなるのでおすすめです。
参考にしてみてね。
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参考文献
(※1)若年女性の冷えと食および生活習慣との関連
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jisdh/26/4/26_197/_pdf/-char/ja
(※2)山口所長プロフィール|全国冷え性研究所
http://www.hiesyou.com/sta20165/index.html
(※3)暑熱環境下における水分補給|暑熱対策ガイドブック|日本スポーツ振興センター
https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/Portals/0/resources/jiss/jigyou/pdf/shonetsu-24-43pp.pdf
(※4)ヨーグルトの栄養分|株式会社明治
https://www.meiji.co.jp/yogurtlibrary/laboratory/yogurt/02/02/
(※5)Sun, W.M.et.al. Effect of meal temperature on gastric emptying of liquids in man. Gut, 29, 302-305 (1988).
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1433604/
(※6)Food temperature affects taste, reveal scientists” Beverage daily.com
https://www.beveragedaily.com/Article/2005/12/19/Food-temperature-affects-taste-reveal-scientists