「早寝早起きは三文の得」という言葉があります。
一般的には、「早起きのほうが健康」というイメージがあるので、なんとなく早起きをしたほうがいいと思いがちです。でも実は・・・「朝型」と「夜型」どっちがいいかは人によるという研究結果がたくさん出ています。それも遺伝子レベルで決められているというのです。気になったので、つい先日、自分の遺伝子の夜更かし傾向についても調べてみました。
今回は遺伝子検査の結果をシェアしながら、夜型人間と朝型人間の特徴を整理してみましょう。
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遺伝子で決まる夜型人間OR朝型人間
まずは2005年に秋田大学で行われた研究結果をご紹介します。
被験者は、平均年齢35.5歳の健康な日本人、421人です。彼らに対して、アンケートと遺伝子検査の両面から朝型か夜型か調べました。
2:遺伝子を調べて、朝型か夜型かチェックする
この研究によってわかったことはこちらです。
日本人の場合、朝型人間が多いのは事実です。だから「早寝早起きは三文の得」という感覚も体感し、共感する人も多いのです。
実はわたしも遺伝子検査を受けたのですが、「夜更かし傾向が弱め」と出ました。確かにコロナの影響で自宅勤務になって、寝る時間が早くなって、早起きするようになったら調子がよくなったので朝型であることは自覚しています。
しかし、少数派ではありますが、もちろん夜型人間の人もいます。夜型人間が無理やり朝型に変更すると、いろいろと不都合が起こります。
夜型人間の特徴1:共感的ではない
ロンドンのブルネル大学の研究によると、夜型人間のほうが脳の灰白質(かいはくしつ)と呼ばれる部分が大きいと言われています。
=中枢神経系の神経組織のうち、神経細胞の細胞体が存在している部位のこと。
=社会的行動に関連する部分
灰白質(かいはくしつ)とは、中枢神経系の神経組織のうち、神経細胞の細胞体が存在している部位のこと。灰白質の体積と密度が小さければ小さいほど、「共感的」になることがわかっています。すなわち、朝型人間のほうが夜型人間に比べて、周りの人い共感し、社会的行動を取りやすいというのです。
灰白質が少ない人は、セロトニンやドーパミンなどのホルモンが通る神経経路が少ないこともわかっています。
セロトニンといえば、しあわせを感じることができるホルモンです。夜型人間は、不安を感じやすくなったり、感情が不安定になりやすくなることが考えられます。セロトニンの分泌が弱いことでうつ病になるリスクも増えやすいという研究結果もあるので注意が必要。
夜型人間の特徴2:リスクに強い
夜型人間のほうが朝型人間よりもコルチゾールというストレスホルモンの分泌レベルが高いという研究結果もあります。コルチゾールはストレスに打ち勝つために働いてくれるホルモンです。危機的状況に陥った時に回復するのを助けてくれたり、新陳代謝を高めてくれると言われています。
リスクに強いから、的確なところでリスクをとって、お金を稼ぐのが上手になりやすいとも言われています。うらやましいですね。
夜型人間の特徴3:集中できる
夜型人間は朝型人間に比べると、集中力が高いと言われています。朝型人間は起きてすぐ行動できるけど、夜型人間ほどく集中力がもちません。最近は働き方が多様化していて、フレックスタイム制が導入されている会社も増えてきました。ひとりひとり集中しやすい時間帯や長さが違うので、個人が自由に働く時間が選べるフレックスタイム制は、利益を出しやすい働き方で、効率的です。
人間の体内時計のリズムのことを「サーカディアンリズム」と言います。
実はこのサーカディアンリズムによって、人間の唾液の中にいる口内細菌にも変化が起こることがわかっています。
腸内細菌にも夜型と朝型がある
早稲田大学と東京大学の共同研究グループが発表した研究結果をご紹介しましょう。この研究でわかったのはこちらです。
・唾液細菌には夜に増えやすい菌と朝に増えやすい菌がいる
・同じ菌を試験管に移すとこのリズムは観察されない。(人間の体のリズムに合わせて菌は増減する)
・夜のほうが細菌数が増えやすい
・夜に細菌が活動し、朝~昼にビタミンや脂肪酸の合成などの代謝機能が多くなる
本当に細菌たちは体内時計によっていろんな活動をしています。私たちの体内時計のリズムが違えば、増えやすい細菌、減りやすい細菌も違うし、細菌が違えば、作ることができるビタミンやホルモンも違ってくるんです。
自分に合ったリズムを見つけて、毎日同じリズムで活動し、細菌たちの居心地がいい環境を作りたいですね。私はどうやら朝型みたいなので、もうしばらくこの早寝早起きスタイルを続けてみます。
参考にしてみてね。
ばいばいきん。
参考:研究結果&論文等
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15578592/
GWAS of 89,283 individuals identifies genetic variants associated with self-reporting of being a morning personhttps://www.nature.com/articles/ncomms10448
Genome-wide association analyses of chronotype in 697,828 individuals provides insights into circadian rhythmshttps://www.nature.com/articles/s41467-018-08259-7
Circadian oscillations of microbial and functional composition in the human salivary microbiomehttps://academic.oup.com/dnaresearch/article/24/3/261/3052236
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