「リンゼス」とは、アステラス製薬が過敏性腸症候群(IBS)の薬として2017年3月に発売を開始した注目の便秘治療薬です。
アメリカやカナダ、メキシコでは結構前から販売されていたのに、日本ではつい最近まで有効な過敏性腸症候群(IBS)の薬がなかったので、とても注目されています。
どんなお薬かはこちらの過去記事をチェックしていただくとして・・・
▼過去記事
今回は、ちょっとずつ報告されつつあるリンゼスの副作用について、まとめてみたいと思います。
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薬には必ず主作用と副作用がある!
薬を飲むときは、私たちには必ず飲む目的があります。
例えば、風邪薬を飲むときは、「風邪の症状を緩和する」ことが目的です。だから「風邪の症状を緩和する」作用があるものを服用します。これが「主作用」。
でも薬というのは1つしか作用がないことはほとんどありません。
「主作用」以外の作用を「副作用」と言います。「主作用」は私たちが望んだ作用だけど、全く関係のない「副作用」が出てしまうことも少なくないのです。
風邪薬の時は、副作用として「眠くなる」とかの症状が出るのは、よくある話。
このように薬には必ず、「副作用」が存在するのです。
今回のテーマである「リンゼス」にももちろん「副作用」があります。
リンゼスの副作用~添付文書チェック~
リンゼスの主作用(効果効能)と副作用をおさらいしてみましょう。
便秘型過敏性腸症候群
副作用:
重度の下痢(がでる恐れがある)
副作用は、添付文書で確認できるので詳しく見てみます。ちゃんと臨床試験の結果が掲載されていました。
承認時までの国内臨床試験で便秘型過敏性腸症候群患者を対象に安全性を評価した総症例数855例中、臨床検査値異常を含む副作用発現症例は184例(21.5%)であり、主な副作用は下痢111例(13.0%)であった。(承認時:2016年12月)
参考:http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2399017F1020_1_02/
下痢が13%・・・。副作用としてすごくすごく多いわけではなさそうだけど・・・。その下に少し恐ろしい記述が・・・。
重度の下痢があらわれるおそれがあるので、症状の経過を十分に観察し、異常が認められた場合には本剤を減量又は中止するなど、適切な処置を行うこと。
参考:http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2399017F1020_1_02/
頻度不明?!この李勇は、国内の臨床試験ではみられなかったから、正確にはわからないそうなんです。海外の臨床試験や販売後に寄せられた意見として、重度の下痢が心配されたケースがあったようですね。
心配しすぎる必要はないかもしれませんが、なんといってもお薬です。ちゃんと自分たちの体にどう影響があって、何を気を付けるべきか知っておいて損はありません。
リンゼスで下痢が起こるメカニズム~作用機序チェック~
「リンゼス」は言ってみれば下剤の一種ではあるので、下痢がおこるのもそんなに不思議ではない気がしますが、カラダの中でどんなことが起こっているのか、作用機序欄(メカニズムの説明)をチェックしてみましょう。
参考:http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2399017F1020_1_02/
リンゼスは、「グアニル酸シクラーゼC受容体アゴニスト」とも呼ばれます。
「アゴニスト」とは、「作動薬」を指す言葉で、「グアニル酸シクラーゼC受容体」を作動させる薬ですよ。ということです。
「グアニル酸シクラーゼC受容体」が刺激されると、腸管の水分分泌や便の輸送が促進されるんですって。
リンゼスで下痢にならないための注意点
当たり前だけど、薬はすべて、指定のある用法・用量を守らないといけません。リンゼスで下痢にならないための注意点もそこだけ。結構これが、重要なんです。
リンゼスは「食前」に飲む「理由」
リンゼスの添付文書には、用法及び用量がはっきりと書かれています。
なお、症状により0.25mgに減量する。
参考:http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2399017F1020_1_02/
ここで気になるのは・・・「食前」という指定。これにはちゃんとワケがあるんです。なんと臨床試験で食前に飲んだほうが食後に飲むよりも下痢の発生率が低いことがわかっているんだって。
やっぱり書いてあることはきちんと守らないと!大変なことになってからでは遅いし、さすが添付文書に書いてあることは、ちゃんとした臨床結果という裏付けがあってのことなんですね。当たり前だけど、軽視しちゃいかんね。笑
まとめ
というわけで、今回はリンゼスと下痢の関係について深堀してみました。
用量・用法を間違えなければ、私たちの過敏性腸症候群(IBS)などのお腹のトラブルを解決してくれる救世主になりえます。
そして何と言ってもまだ販売が開始されたばかり!もしかしたら、今後誰もが知る過敏性腸症候群(IBS)のお薬としてますます注目されることになるかもしれません。
腸活の参考にしてくださいね。