【この記事で解決できるお悩み】
・水キムチづくりに失敗したっぽい…原因はどんなこと?
・水キムチの失敗と成功の見分け方がわからない
・食中毒リスクがある水キムチの見分け方や、失敗しないコツをおしえて!
この記事では、こんなお悩みを解決します!
辛いものがニガテでも食物繊維と乳酸菌がたくさん摂れる、「水キムチ」。
見た目も涼しく夏にぴったりで、自宅でかんたんに作れることから、人気急上昇中の発酵食品です。
しかし、発酵の仕組みを知らないまま適当に作ると、食中毒になる可能性もあるのだとか。
そこで今回は、水キムチの失敗の原因や見分け方を徹底解説!
コレって腐ってる?食中毒リスクある?と気になったら、ぜひ確認してみてください。
発酵を体系的に勉強したくなったら…
発酵ライフ推進協会オンライン校へ
\仕事に繋がる無料サポートもたくさん(*´ω`*)/
この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
水キムチで食中毒?腐るとどうなる?見分け方のポイント
水キムチは、自宅でかんたんに作ることができる発酵食品のひとつです。
あさイチなどの人気のテレビ番組でもたびたび特集が組まれていますよね。
しかし、発酵食品は「腐っていても気がつけないかも」「食中毒が心配」という方が多いのが正直なところ。
特に水キムチは涼やかな見た目もあり、夏に食べられることが多いので、確かに作り方や保存方法は注意が必要です。
水キムチの食べごろと腐った状態の特徴を並べると、以下のとおり。
水キムチの食べごろ | 腐った状態 | |
---|---|---|
見た目 | 白い膜ができる ぷつぷつと小さい泡がでる | 緑色や黒色のカビが生える 糸引くようなぬめりがでる |
におい | 酸っぱいにおい | アルコール臭や腐敗臭 |
味と食感 | 適度な酸味 しゅわしゅわ感・ピリピリ感 | 異常な酸味&苦味 |
確かにちょっと見分け方が難しいかも…
一つずつ見ていきましょう。
カビやアルコール臭がする
水キムチが腐ると、カビやアルコールの臭いがします。
これはわかりやすいよね!明らかに危険なにおいです。
水キムチは雑菌等が入ると、白や黒、緑やピンクっぽいカビが生えることがあります。
目に見えるのはもちろんですが、異臭も放ちます。明らかにかびくさい時もあれば、アルコール臭の場合もあります。
カビが生えてしまったら、基本的に食べてはいけません。
味噌みたいにカビが生えているところをすくって取り除けばいいじゃん!って思う人もいるかもしれませんが、それはリスク大。
水キムチは水分量が多いので、味噌のように1か所腐ったところだけを取り除くということはできません。
全て混ざっていると考えたほうが安全です。
味噌などと比べるとリスクが高いので、すくって食べるのはおすすめしません。
一方で、発酵中に少し泡が立っているだけであれば、心配することはありません。
ほとんどの場合が、乳酸菌発酵によるものです。
さすがに真夏に発酵食品を仕込むのは、勇気がいります…怖
\ 乳酸菌たっぷりで自家製手作り(*´▽`*) /
糸をひいている/白っぽいぬめり気が出てくる
水キムチが腐ると、糸をひいたり、白っぽいぬめり気が出てくることがあります。
糸をひく場合は、納豆菌が混ざった可能性があります。
納豆菌はとても繁殖力が強いので、普段納豆を食べる人の冷蔵庫には必ず納豆菌が住み着いていると言ってもよいのだとか。
もし、水キムチを作る際に納豆菌が混ざってしまったら、糸をひくのはもちろん、納豆のにおいが充満してしまい、後戻りはできません。
納豆は食べたところで問題ありませんが、納豆味の水キムチはあまりおいしくないので、そうならないように常に冷蔵庫は清潔にしておきましょう。
納豆は大好きだし、まぁいっか…と思ったあなた!納豆は納豆だからおいしいのであって、納豆味の水キムチはおいしくないぞ。
また白っぽいぬめり気が出てきた時も注意が必要です。
これは発酵なのか腐敗なのか、見極めは難しいですが、水キムチの乳酸菌だけの場合は白っぽいぬめり気が出てくることはありません。
何らかの菌が繁殖していることが原因なので、安全のためには食べることを控えることをおすすめします。
臭いに異様な酸っぱさが加わる
水キムチが腐ると、つんとした酸っぱい臭いが気になることがあります。
水キムチは乳酸菌の発酵によって「酸」が作られるので、柔らかい酸味を帯びたにおいがしたり、濃厚な発酵臭が発生するのは正常です。
しかし、通常のキムチよりも酸っぱい臭いがツンと強くにおう場合は、発酵が進み過ぎて、腐ってしまっている可能性があります。
腐っていないとしても、美味しい発酵段階は過ぎてしまっていることは確かです。
過発酵の状態かもしれません…こうなってしまうと美味しくありません。
過発酵の水キムチは、味が落ちているのはもちろん、下痢の原因になる可能性もあるので、避けることをおすすめします。
乳酸菌って自然界のどこにでもいますし、野菜の表面なんかにも多くいるんですよ。
— あひるさん🇺🇸 (@5ducks5) August 2, 2020
水キムチは汁が乳酸菌のエサになるので、発酵が早いんです。2日目にもう食べられますし、5日くらいで過発酵で酸っぱくなります。
舌がピリピリする?!
舌がピリピリすると、水キムチが腐ってしまったと心配する方が多いようですが、このピリピリは、乳酸菌が発酵の過程で作った炭酸ガスである可能性が高いです。
本当に発酵している水キムチは、シュワシュワとした不思議な舌触りとふんわりした酸味がすごくおいしいのよね~!本当の発酵キムチだけのおいしさです。
ほかにもピリピリしたと感じるケースがあるとすれば、白菜やキャベツなどのアブラナ科の野菜に含まれているポリフェノール「イソチオシアネート」の可能性もあります。
イソチオシアネート
=アブラナ科の野菜に含まれているポリフェノール
=胃液の分泌を促し、胃の健康を保つ働きがある
=血栓の予防や動脈硬化の予防に役立つ
ピリピリだけで腐っているかどうかを判断するのは難しいので、においや味などと共に総合的に判断するようにしましょう。
水キムチの日持ち時間
水キムチは、季節や環境によって、食べごろになるまでの時間が異なります。
夏:2~6時間
冬:2~3日
その他:1日ぐらい
常に周りの温度や環境に合わせた対応が必要なので、慣れるまでは腐らないように良く観察することが必要です。
完成するまでは常温保存が基本ですが、完成後は必ず冷蔵庫で保管します。
冷蔵庫で保管できる日持ち時間は、1週間程度です。
水キムチができあがったら、必ず冷蔵庫に入れてください。常温のまま放置すると、日持ちしないぞ。
水キムチの失敗の原因は?
水キムチの失敗の原因は、主に以下の6つ。
一つずつ見ていきましょう。
塩の分量を間違えている
水キムチが発酵しない、もしくは腐ってしまう原因のひとつは、塩の分量を間違えていること。
実は発酵食品において、塩の分量ってめちゃくちゃ大事なんです。
前提として、塩には殺菌作用があり、雑菌も発酵菌も塩はニガテです。
そのため、塩が少なすぎれば雑菌が繁殖し、腐る原因になります。
反対に塩が多すぎると、発酵菌も減って、発酵しない原因になります。
塩が少ない=雑菌が繁殖する可能性大
塩が多い=乳酸菌が死滅する可能性大
減塩したいという理由から、よく塩の分量をレシピより少なくする人がいるけど、これは食中毒リスクを高める可能性が。最低限の塩は、発酵食品づくりに不可欠です。
野菜や果物を加えるタイミングが悪い
水キムチは、最初に米のとぎ汁をベースにしたスープ(漬け汁)を作り、そこに野菜や果物を加えていくのが、一般的です。
スープ(漬け汁)を作る際に火にかけて、まだ汁が冷めないうちに野菜や果物を加えてしまうと、そこについている乳酸菌が死滅して、発酵活動が進まなくなります。
スープ(漬け汁)は火にかけずに作るか、加熱したとしても十分に冷ましてから野菜や果物を加えると、失敗しにくくなります。
乳酸菌は60℃以上になると、元気がなくなり、それ以上加熱を続けると死滅しちゃうから気をつけて。
発酵場所の温度と時間が適切ではない
水キムチの発酵に適した温度は、15℃~25℃だと言われています。
適切な発酵時間は季節によって異なりますが、冬は2~3日、夏は2時間程度が一般的。
特に近年は猛暑がヤバい!熱すぎる蒸した室内だと、正直腐敗リスクも高く、管理が難しいかもしれません。室内温度は15℃~25℃にしたいところです。
水キムチを料理のついでに作って、放置したまま忘れてしまうこともあると思いますが、夏はその数時間が命とり。
傷みやすい時期は、目を離せないのが正直なところです。
発酵中は常温においておき、発酵後はすぐに冷蔵庫に入れて保管しましょう。
なんだかんだ衛生管理は必須です。自信がない人は、市販の水キムチを買うのもおすすめ!
\ 乳酸菌たっぷりで自家製手作り(*´▽`*) /
保存方法が衛生的でない
水キムチをはじめとする発酵食品を作るときは、保存容器を清潔に保つ必要があります。
煮沸消毒をするのが基本!
見た目では特に汚れがなくても、雑菌や腐敗菌が付いていることが多いので、清潔な保存容器を使うようにして、発酵中も衛生管理を徹底しましょう。
水キムチに関わらず、発酵食品はすべて煮沸消毒しましょう。
普段から除菌しすぎている
ここ数年の除菌ブームにより、家庭内で発酵食品を作ろうとしても、失敗しやすい場合が増えているとのこと。
嘘のような本当のはなし?!コロナ禍の今、どちらがよいかは難しいところですが、本当は、緩やかに共存していけるといいんだけどなぁ…
水キムチの失敗しない作り方
詳しく見てみましょう。
材料
【基本のスープ】
米のとぎ汁:500㏄
甘酒:50㏄
塩麹:大さじ3
唐辛子:適量
しょうが:適量
昆布:5㎝
【水キムチの具材】
基本のスープ:500㏄
大根:200g
きゅうり:1本
りんご:半分
塩:5g
基本の作り方
➀米のとぎ汁に、塩麹・甘酒・しょうが・唐辛子・昆布を入れて基本のスープを作る。
➁大根とりんごはイチョウ切り、きゅうりは縦1/4に切って1㎝の長さに切り、重量の2%程度の塩をふってしんなりさせる。
➂➀と➁を混ぜてそのまま常温でおいておく。
➃夏は1日程度、冬は3日程度おいて、味がなじんだら出来上がり(出来上がったら冷蔵庫で保存する)
基本的な保存期間の目安
水キムチの保存期間目安は、季節によって全く違います。
完成前の発酵中は、夏なら数時間でできますが、冬はどんなにがんばっても2~3日かかります。
発酵中 | 発酵後 | |
---|---|---|
夏・常温 | 2時間程度 | 2~3日 |
春秋・常温 | 1~2日 | NG |
冬・常温 | 2~3日 | NG |
冷蔵 | 推奨しない | 推奨 |
水キムチづくりで失敗しないためのコツ
水キムチづくりで失敗しないコツは、以下のとおり。
詳しく見てみましょう。
無農薬野菜を使うのがおすすめ
水キムチの乳酸菌は、いったいどこからやってくるのか…。
その答えは、水キムチに入れる野菜たち。
野菜には野生の乳酸菌が付いていますが、乳酸菌は米ぬかや果物などの糖を目当てに寄ってきて、発酵します。
その際、農薬が付いていると発酵菌の活躍が見られにくい可能性があります。
りんごを入れるのがおすすめ
水キムチってよくりんごを入れるよね?フルーツを漬物にするのってちょっと抵抗があるなぁ…
そういう人も結構いらっしゃいますよね。
でも、りんごはぜひ入れてほしいなぁ。
りんごは皮に乳酸菌がたっぷりついているのはもちろん、果実の糖が菌のエサにもなるので、水キムチが成功しやすくなるんです。
水キムチをおいしく作るには、以下の2つがたっぷり含まれる発酵液に野菜を漬けることが必要です。
➀乳酸菌
➁乳酸菌のエサ(糖)
乳酸菌は野菜や果物の皮にたくさんついている自然由来の植物性乳酸菌。
そして、それらのエサになる糖が含まれるものを一緒に入れることで、発酵がすすみ、おいしい水キムチができます。
もし、どうしても水キムチにりんごを入れたくない場合は、りんごの代わりに乳酸菌と乳酸菌のエサを意識して入れる必要があります。
お米のとぎ汁
米麹甘酒
梨などのフルーツ
一つずつ見ていきましょう。
お米のとぎ汁もりんごの代わりになる
りんごの代わりに入れてほしい材料の1つ目は、お米のとぎ汁です。
お米のとぎ汁には、お米に含まれる糖がたっぷり含まれています。これが乳酸菌のエサになるので、発酵が進みやすくなります。
お米のとぎ汁だけじゃなくて、お米と同じような成分が入っているものでもOK。具体的には、米粉や上新粉、白玉粉などを入れるレシピもあるよ。
お米のとぎ汁は乳酸菌のエサがたっぷり!
米麹甘酒もりんごの代わりになる
りんごの代わりに入れてほしい材料の2つ目は、米麹甘酒です。
甘酒には米麹から作られる米麹甘酒と酒粕から作られる酒粕甘酒があります。
米麹甘酒=米+米麹+水
酒粕甘酒=酒粕+砂糖+水
酒粕甘酒は乳酸菌が苦手なアルコールが入っているので、おすすめしません。必ず米麹甘酒のほうを選んでね。
米麹甘酒には、たくさんの糖が含まれているので、乳酸菌が増殖しやすくなります。
甘酒もエサとしては優秀だけど、りんごに比べると乳酸菌を補うことができないので、乳酸菌自体が多くいると思われる野菜もたくさん入れてね。
梨などのフルーツもりんごの代わりになる
りんごの代わりに入れてほしい材料の3つ目は、梨などのフルーツです。
本場韓国では、水キムチの材料としてりんごと同じくらい多く使うのが果物の梨です。梨はりんごと同じくらい糖が多い果物で、乳酸菌もついていることが期待できます。
梨以外にもいろんなフルーツを入れるケースがあるんだって!わたしが韓国に言った時にごちそうになったのは、なんとマンゴーを入れた水キムチ。これは韓国でもめずらしいみたいです。笑
発酵中は常温においておき、発酵後はすぐに冷蔵庫に入れて保管しましょう。
なんだかんだ衛生管理は必須です。自信がない人は、市販の水キムチを買うのもおすすめ!
\ 乳酸菌たっぷりで自家製手作り(*´▽`*) /
水キムチとは?
最後にもう一度、水キムチの特徴をおさらいします。
発酵時間が短いのですぐ食べられる
水キムチとは、名前のとおり漬け汁で漬けたキムチのこと。 通常のキムチのように何ヶ月も熟成させなくていいから、おうちで簡単にできる発酵食品です。
辛いものがニガテでも食べられる
通常のキムチは真っ赤で、唐辛子がたっぷり。
しかし、水キムチは唐辛子などの辛い香辛料は入れません。
甘いものに興味がなくても、リフレッシュするのに快適だよ。
乳酸菌の数が普通のキムチの20倍
一説によると、白い水キムチは、通常の赤いキムチに比べて乳酸菌の量が約20倍であると言われています。
【乳酸菌の量】
参照:日本発酵文化協会|乳酸菌いっぱいの水キムチより
ぬかみそ漬け:約1,600万個
通常の赤いキムチ:約1億6,000万個
水キムチ:約3億個
わあ…全然違う!!
まとめ:水キムチって食中毒大丈夫?失敗の原因を解説!発酵と腐敗の見分け方
水キムチは、自宅でかんたんに作ることができる発酵食品のひとつです。
かんたんに作れる反面、品質管理は難しく、食中毒のリスクが心配されるケースも…。
こんなことになったら、もう食べることはできません。
水キムチづくりに失敗してしまう原因はいろいろありますが、大事なのは保管方法です。
自信がない場合は、本場直販の手作り水キムチを購入するのもおすすめです。
\ 乳酸菌たっぷりで自家製手作り(*´▽`*) /
参考にしてみてね。