メディアで腸の比較写真が取り上げられてから注目されている「むくみ腸」。
その名のとおり「むくんだ腸」のことですが、私たちは自分の腸がむくんでいることに気が付くことができず、ほったらかしにしがちです。
でも、腸は手足と同じようにむくみ、時には肥満や便秘、ぽっこりお腹の原因になることもあります。
今回は、そんな恐ろしいむくみ腸の原因やチェック方法、そして改善法をまとめてみました。
むくみ腸とは?
何らかの原因で炎症が起き、腸管がぶよぶよに膨れ上がっている状態を「むくみ腸」といいます。
通常の健康な腸は、腸壁のひだや血管が見えるほどにすっきりとしていて腸内も広いのですが、むくみ腸は炎症によって腸壁が膨れ上がり、腸内が狭くなっています。
腸は食べ物を消化、吸収、排泄する大切な器官なので、この腸がむくみによって水分を含み、重くなり、内部が狭くなると、様々な問題を引き起こします。
むくみ腸はぽっこりお腹の原因になる?!
体は痩せているし、体重も多くはないのに、お腹だけぽっこりと出ているぽっこりお腹。悩んでいる方も多いですよね。
フジテレビ系健康番組の「その原因Xにあり!」の中で行われたアンケート結果によると、20代から50代の女性の73.8%が 「ぽっこりお腹」に悩んでいるそうです。
ぽっこりお腹の原因として一番有名なのは、筋肉の低下によるものですが、むくみ腸が原因である場合も多いといいます。
むくみ腸は、腸が炎症を起こしているため、水分を多く含んでむくんだ状態です。ということは・・・水分を含んでいる分、重いんですよね。
筋肉の低下によって、腸を支えきれずに下に垂れ下がってしまうぽっこりお腹は、腸が重たければ重たいほどなりやすいのです。
むくみ腸は便秘の原因になる?!
もう一つ、むくみ腸の場合に引き起こされやすいのが便秘です。
むくみ腸は、炎症が起きていることで、水分の吸収や排泄がうまくされず、腸壁に水分が溜まってしまった状態です。
ですから、本来の健康な腸よりも腸管がかなり狭くなっています。狭くなると、腸に送り込まれた固体や液体が通りにくいだけでなく、炎症が起きていることにより腸のぜん動運動が起きにくくなっています。
腸のぜん動運動が起きにくければ、便を外に押し出す力が弱くなってしまうので、老廃物は停滞します。老廃物が停滞すると、老廃物が発酵し、ますます腸にとって良くない物質を作り出すため、腸内環境が乱れ、ますます炎症を起こすなどの悪循環に陥ります。
むくみ腸になる
↓
腸のぜん動運動がおこりにくくなる
↓
老廃物が停滞する
↓
腸内環境が乱れる
↓
腸に炎症ができる
↓
むくみ腸になる
ひぃ・・・。これは魔のむくみ腸スパイラルですね。ここから抜け出すのはなかなか難しそうです。
むくみ腸の原因
むくみ腸スパイラルは恐ろしすぎますが、そもそもむくみ腸の原因になる炎症は、なぜ起きるのでしょうか?
炎症の原因はもちろん一つではありません。
炎症が起こるのは、腸内環境が乱れているということと、ほぼイコールです。腸内環境の乱れを起こすものを排除しなければ、健康的な腸を取り戻すのは難しくなります。
原因1:食生活の乱れ
腸がむくむむくみ腸は、血流が乱れて腸の水分調整ができなくなっているということ。
腸の血流を乱す原因の1つが、食生活の乱れによる腸内環境の乱れです。
特に暴飲暴食、早食い、夜中の食事などの乱暴な食生活は、腸内環境を乱しやすいと言われていますし、食べるもののバランスが悪く栄養素が偏っているのも腸内環境を乱す原因になります。
刺激物や脂質や糖質が多い食事は腸に負担をかけますし、消化を無視した量の食べ物が体のリズムに関係なく入ってくると、自律神経の乱れにより体内時計も狂ってしまう可能性があります。
原因2:冷えによる血行不良
冷えも腸内環境を乱す原因の一つです。
特にむくみ腸は、血流やリンパの流れが滞ることで、水分が溜まってしまっている状況なので、冷えによって血流の流れが悪くなると、水分が停滞し、どんどんむくんでしまいます。
特に筋肉の少ない女性の場合は冷えが原因の血流の停滞によって、むくみ腸を招きやすいので、湯船にちゃんと使って体を温めることや、冷たい食べ物や飲み物を採り過ぎないことを注意しましょう。
原因3:運動不足
腸内環境の乱れは、食生活や冷えだけの問題ではなく、運動不足による筋力の低下が招いている場合も多いと言われています。
特にインナーマッスルが低下すると、腸のぜん動運動がきちんと行われず、便秘がちになり、腸内環境を乱します。
デスクワークなどの方は特に、毎日ほとんど同じ姿勢になってしまいがちなので、きちんと運動の時間をとることが大切です。
このようにむくみ腸を招く生活習慣は、腸内環境を乱す生活習慣とほぼ同意です。
腸内環境を整えるための対策を行うことが、結果的にむくみ腸の予防になります。
むくみ腸のチェック方法
むくみ腸が恐ろしいことはわかりましたが、なかなか自分の腸を目で見ることはできないですよね?笑
そんな方のために、むくみ腸の可能性があるかどうかチェックする方法があります。
それは、腸内環境を整えたい方にもおすすめしている「観便(かんべん)」という方法です。
=便をみること
観便(かんべん)は、自分の便を観察することです。
毎日ちゃんと排便できていますか?できているとしたら、ちゃんとどんな便が出たか目でみて確認していますか?
便は、私たちの腸や腸内細菌の実力を測る大切なモノ。
腸がちゃんと栄養を吸収し、排泄物を外に出す力をチェックすることができます。
よい腸内細菌がいて、腸が正常に働いている時は、こんな便が出ます。
硬さ:固すぎず、柔らかすぎず、適度な水分を含んでいる
色:黄色か茶色
形:バナナ状
におい:臭すぎない発酵臭
下痢や逆にコロコロした固い便は、水分調整がうまくいっていない証拠ですし、いわゆる悪玉菌が多い乱れた腸内環境の場合は、便の色も黒くなりがちです。便秘の方は、コロコロした固い便よりももっと調整が必要かもしれません。
むくみ腸を改善するには?
観便(かんべん)によって、むくみ腸が疑われるあまりよくない腸内環境であることが予想される人は、ぜひむくみ腸を改善する、そして腸内環境の悪化を改善する方法をためしてみてください。
シンバイオティクス食品をとる
シンバイオティクス食品とは、直訳すると2つの生物をとるという意味があり、微生物と微生物のえさを同時にとることを表した言葉です。
微生物のえさ=食物繊維やオリゴ糖など
発酵食品は、麹菌や乳酸菌などの菌を使い発酵させて作る食品のことです。味噌や醤油、塩麹や甘酒などの日本の発酵調味料や納豆やキムチ、ヨーグルトや漬物などがあります。
これらは腸内環境のパランスを整えてくれます。そして、微生物のえさとなる食物繊維とオリゴ糖を一緒にとるとますます効果アップ!
食物繊維は以下の2種類があります。
=腸内細菌のえさになる。アボカド・オクラ・きのこ・こんにゃく・海藻など。
不溶性食物繊維
=便を増やしてぜん動運動を促進する。穀物・野菜・海藻など。
どちらも腸内環境を整えるためには大切なので、バランスよくとることをおすすめします。
しょうがココアを飲む
しょうがに含まれるショウガオールは、血流を浴する働きがあり、またココアに含まれるココアフラバノールは、腸の血管を広げてくれると言われています。
=血行を促進し、発汗を促すなどの体温維持効果がある。抗菌作用や抗酸化作用、免疫力アップ、血中コレステロールの改善効果などにも期待できる。
=強い抗酸化作用があり、血糖値の抑制や血流の促進効果がある。
ココアにすったしょうがを少し足すと、腸の血流をよくするおたすけドリンクに大変身!体もあたたまるので、おすすめです。
漢方を飲む
普段の食生活で調整していくことが一番大事ですが、それでも不調を感じたり、むくみ腸への心配があるようならば、漢方を飲んでみるという選択肢もあります。東洋医学のお医者様や漢方薬局で相談してみるのもおすすめです。
ガスだまりやむくみ腸に効くと言われている漢方も結構あるんですよ。
おなかの膨満感、ガスが溜まりがちな人におすすめ。過敏性腸症候群などにも効果があります。
冷えによる血流の悪さによるむくみに効果があります。
だるさのあるむくみ、太り気味、便秘による吹き出物が多い人におすすめです。
まとめ
むくみ腸は、腸内環境の乱れや血流の悪化により、腸内に炎症が起こり、その炎症が原因で腸が水分を含みむくんでしまう状態のことを言います。
むくみ腸の場合は、明らかに腸がむくんでいて、わかりやすく腸内が狭くなり、腸壁がむくんだ状態になりますが、自分の目ではもちろん確認できません。
そんな時に確認する方法は、自分の便を確認する観便(かんべん)という方法です。
バナナ状の黄色OR茶色のうんちが毎日でれば、腸内環境は整っていて、むくみ腸である心配も少なくなりますが、便秘や下痢が続いている場合や黒いうんちやコロコロで固いうんちが出る場合は、腸が何かしらの問題を抱えている可能性があります。
もしむくみ腸の疑いがあるのであれば、まずは腸内環境を整えるために、シンバイオティクス食品をとることを意識して、日々の習慣を見直すことからはじめましょう♪