【この記事で解決できるお悩み】
・マスタードの栄養や効能が知りたい!
・自家製マスタードの作り方をおしえて!
この記事では、こんなお悩みを解決します!
ウインナーや鶏肉、豚肉にちょっとつけるだけで、格段に美味しくなるマスタード。
最近はマスタードとはちみつを混ぜた「ハニーマスタード」も人気があり、サンドイッチやサラダ、シュウマイやとんかつ、和風の和え物などなど、なんにでもつける人が増えています。
でもあのマスタード、いったいどんな栄養や効能があるのかご存じですか?
そこで今回は、ピリッとしたアクセントがおいしいマスタードを徹底解説!
さらにかんたんに作れる自家製マスタードの作り方もご紹介します。
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この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
マスタードとは?
マスタードは、マスタードシードと呼ばれるアブラナ科のカラシナの種子で作る西洋の「からし」です。
「からし」というととても辛そうですが、使うマスタードシードの種類によっては、まったく辛くありません。
辛くないどころか、酸味や甘みが強いマスタードも存在します。
まずは、マスタードの原料や栄養成分についてみてみましょう。
マスタードの原料
マスタードは、アブラナ科のカラシナの種子である「マスタードシード」を原料とした調味料。
マスタードシードのほかには、酢と塩、そしてたまに砂糖を入れることもあります。
【マスタードの原料】
マスタードシード
酢
塩
砂糖など
起源は古代のエジプトで、ワイン酢を使って作られていたことからワインの産地であるフランスで多く流通するようになりました。
日本には平安時代に中国から伝わったのがはじまりで、当時は漬物の原料「カラシナ」として認識されていたそうです。
今でも葉っぱの部分は「からし菜のお漬物」にしますよね。
マスタードの栄養と成分
日本食品標準成分表2020年版(八訂)(※1)によると、粒マスタードの栄養素は以下のとおり。
ここでは和からしの代表「わさび」と比較してみましょう。
成分名 | 粒マスタード | わさび |
---|---|---|
エネルギー(kcal) | 229 | 265 |
たんぱく質(g) | 7.6 | 3.3 |
脂質(g) | 16 | 10.3 |
炭水化物(g) | 12.7 | 39.8 |
ナトリウム(mg) | 1600 | 2400 |
カリウム(mg) | 190 | 280 |
カルシウム(mg) | 130 | 62 |
マグネシウム(mg) | 110 | 39 |
リン(mg) | 260 | 85 |
鉄(mg) | 2.4 | 2 |
亜鉛(mg) | 1.4 | 0.8 |
銅(mg) | 0.16 | 0.11 |
マンガン(mg) | 0.62 | 0.23 |
ヨウ素(μg) | 1 | – |
セレン(μg) | 87 | – |
クロム(μg) | 3 | – |
モリブデン(μg) | 17 | – |
ビタミンA(μg) | 32 | 15 |
ビタミンK(μg) | 5 | – |
ビタミンB1(mg) | 0.32 | 0.11 |
ビタミンB2(mg) | 0.05 | 0.07 |
ナイアシン(mg) | 1.8 | 0.7 |
ビタミンB6(mg) | 0.14 | – |
ビタミンB12(μg) | 0.1 | – |
葉酸(μg) | 16 | – |
パントテン酸(mg) | 0.28 | – |
ビオチン(μg) | 23 | – |
食塩相当量(g) | 4.1 | 6.1 |
粒マスタードとわさびの栄養素を比較すると、粒マスタードのほうが全体的に栄養バランスがよいことがわかります。
わさびは脂質や糖質が多いところ、粒マスタードはタンパク質が比較的多いだけでなく、ミネラル、βカロテン、ビタミンB群も豊富です。
またアブラナ科の植物に多い、グルコシノレート(カラシ油配糖体)が豊富です。
グルコシノレート(カラシ油配糖体)
=アブラナ目の植物に多く含まれる辛味をもつアミノ酸誘導体
=すりつぶされるとアリルイソチオシアネート(イソチオシアン酸アリル、アリルカラシ油)という抗酸化作用のある天然成分を発生させる
近年、この抗酸化成分「グルコシノレート」「アリルイソチオシアネート」などが、とても注目されています!
マスタードの種類
マスタードの原料「マスタードシード」には、いろんな種類があります。
マスタードシードの種類
よく使われるマスターシードは、以下の3種類です。
イエローシード
=黄色っぽい
=穏やかな辛みとうま味の強さが特徴
=マスタードの原料になる
オリエンタルシード
=黄色っぽい
=辛みが強く、鼻にツーンと来るのが特徴
=練りからしの原料になる
ブラウンシード
=茶色っぽい
=辛みが強く、鼻にツーンと来るのが特徴(オリエンタルシードに似ている)
一般的に練りがらしを作るときは、オリエンタルシードを使います。
辛くないマスタードを作るときは、イエローシードを使うか、イエローシードにブラウンシードを混ぜて使うことが多く、この割合で辛さの調整ができます。
また、粒マスタードの粒をどのくらいつぶすかによっても、辛さは異なります。
たくさん粒をつぶせばつぶすほど辛くなるの。
辛くないイエローマスタード
ホットドックにケチャップと一緒にいれるイエローマスタードは、ほとんど辛みはありません。
辛みの少ないマスタードシードに、酢と糖類を追加して、ターメリックなどで黄色い着色をしています。
別名フレンチマスタード、アメリカンマスタードとも言います。
辛いイングリッシュマスタード
洋がらしと言われることもある辛いマスタードは、イングリッシュマスタードと呼ばれます。
辛みが強いオリエンタルシードを水で溶いて作るので、うま味よりも辛みががつんとくるマスタードです。
辛さ調整可能な粒マスタード
マスタードシードの粒が残った、粒マスタードは辛さの調節が可能です。
いろんな種類のマスタードシードを混ぜて、酢や白ワインに漬けこんで作ります。
粒マスタードをたくさんつぶせば辛くなりますし、ほとんどつぶさなければ、酢と砂糖の味が強くでて、刺激的な辛さになることはありません。
マスタードシードの旨味やつぶつぶした食感がおもしろい人気のマスタードです。
マスタードの効果・効能
マスタードは1度に使う分量は多くないものの、栄養価が高くいろんな効果効能が期待されています。
一つずつ見ていきましょう。
ダイエット&代謝アップ|ビタミンB群
マスタードの原料であるマスタードシードには、ビタミンB群が豊富に含まれています。
わさびと比べると全然違いますね!
成分名 | 粒マスタード | わさび |
---|---|---|
ビタミンB1(mg) | 0.32 | 0.11 |
ビタミンB2(mg) | 0.05 | 0.07 |
ナイアシン(mg) | 1.8 | 0.7 |
ビタミンB6(mg) | 0.14 | – |
ビタミンB12(μg) | 0.1 | – |
葉酸(μg) | 16 | – |
パントテン酸(mg) | 0.28 | – |
ビオチン(μg) | 23 | – |
ビタミンB群は、糖質、脂質、タンパク質の代謝を促すビタミンです。
代謝のスピードを上げることでダイエットのサポートをしてくれることが期待できます。
水に溶ける水溶性ビタミンなので、体の中に貯めることができず、常に摂取することが必要です。
ビオチンはアミノ酸の代謝を助ける酵素「カルボキシラーゼ」を助けてタンパク質の合成を支えるので、皮膚や粘膜を維持するコラーゲンや、髪の毛を作るケラチンの育成もサポートします。
ビタミンB群は、美肌や美髪にもつながる大事な栄養素です。甘酒や塩こうじなどの発酵食品にもたくさん含まれているよ。
便秘予防|酢酸&食物繊維
マスタードの原料であるマスタードシードには食物繊維が多く含まれています。
さらに、粒マスタードを作る際に使う発酵調味料の酢には、胃酸の分泌を促す作用があります。
胃や腸を刺激することで、腸の蠕動運動を活発にしたり、便秘予防に役立ってくれます。
お酢には胃酸の分泌を促す作用があり、胃酸やお酢の成分そのものが胃や腸を刺激し、ぜん動運動を活発にすると言われております。さらに、お酢には、腸内の善玉菌を増やすことで、便通の改善効果が期待できます。
引用:(※2)便秘改善のお手伝い|タマノイ酢
老化防止&抗酸化作用|イソチオシアネート
マスタードの原料であるマスタードシードには、ビタミンAなどの抗酸化作用の高いビタミン類のほか、アブラナ科の植物に含まれる発がん予防が期待される成分、イソチオシアネートも多く含まれます。
もちろん「マスタードに抗ガン効果がある」という話ではなくて、科学的に抗ガン作用が認められた成分「イソチオシアネート」がマスタードに含まれている…という意味です。まだまだ分からないことは多いの。
ただ、注目の成分であることは間違いありません。
辛み成分のアリルイソチオシアネートは、植物が持っている抗酸化物質のフィトケミカル(別名:ファイトケミカル)の一種です。
名古屋大学大学院生命農学研究科食品機能化学研究室の発表(※5)によると、ガン予防効果についてはより深い研究が必要としながらも、発がんリスクを軽減することができる可能性があるとのこと。
一方,疫学的研究からも,キャベツ,ハクサイ,ブロッコリーといったアブラナ科野菜の摂取は,様々な臓器での発がんリスクを軽減しうることが示唆されてきた。
(中略)解毒酵素遺伝子多型はITC自体の代謝にも影響することから,解毒酵素誘導のヒトがん予防への関与については今後,より厳密な議論が必要であるが,いずれにせよITC類を含むアブラナ科野菜の摂取によるがん予防効果が,様々な研究の蓄積により信頼性の極めて高いものになりつつあるといえる
引用:(※5)イソチオシアネートによるがん予防の可能性|名古屋大学大学院生命農学研究科食品機能化学研究室
おいしくて、体にもよさそうなら、やっぱりこれからも活用しようかな。笑
超かんたんな自家製マスタードの作り方
粒マスタードは、調味料としてきちんとしたものを買おうとするとお値段も少しお高め。
しかし、実はマスタードシードだけ買ってくれば、自宅でかんたんに作れます。
買ってくると酸味料や保存料もたくさん含まれてしまうから、シンプルなマスタードがほしい時は、手作りしちゃうのがおすすめです。
さらに自分で作った自家製マスタードは、辛さの調節やぷちぷち感も自分の好みに合わせられるのが良いところ。
わたしはかなりぷちぷちが残っているのが好きだから、あまりつぶさずに作ることが多いよ。そしてはちみつはわりとたっぷりめ…笑
発酵調味料のお酢を使用しているので、比較的日持ちもして、作り置きしておけるのもよいところ。
粒マスタードをそのまま食べるだけでなく、ドレッシングにしたり、お料理にかけるソースにしたりと、いろいろな使い方ができます。
自分で作った手作りの粒マスタードは、よりシンプルな材料で作るので、フレッシュなスパイスを感じることができておいしいんよね。
材料
・イエローマスタードシード:30g
・ブラウンマスタードシード:30g
・酢:100g
・塩:3g程度
・ハチミツ:お好みで少々
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作り方
1:ビンにマスタードシードとお酢を入れる。
2:そのまま常温で3日間ほど放置する。
3:マスタードシードが酢をすって膨らんだら、塩、はちみつを入れて、すり鉢でする。
(ミキサーでお好みの状態まで撹拌してもOK)
4:ビンにつめて、味がなじむまで3日間ほど放置する。
※すり鉢やミキサーで細かくすればするほど、辛みの強い粒マスタードになります。辛いものが苦手な方は、あまり細かく擦らずに、粒が残った状態にしておくのがおすすめです。
自家製マスタードはホントに美味!全く辛くないけど、うま味たっぷりです。
まとめ:マスタードの栄養と効能がスゴイ!超かんたんな自家製発酵マスタード
マスタードは、マスタードシードと呼ばれるアブラナ科のカラシナの種子で作る西洋の「からし」です。
「からし」というととても辛そうですが、使うマスタードシードの種類によっては、まったく辛くありません。
辛くないどころか、酸味や甘みが強いマスタードも存在します。
マスタードに期待できる効果効能は、以下のとおり。
参考にしてみてね。
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参考文献
(※1)日本食品標準成分表2020年版(八訂)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
(※2)便秘改善のお手伝い|タマノイ酢
https://www.tamanoi.co.jp/health/
(※3)野菜を食べて発がん予防に期待|九州大学
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/50
(※4)がん予防成分をアブラナ科野菜に作らせる新規遺伝子を発見|独立行政法人 理化学研究所
https://www.riken.jp/medialibrary/riken/pr/press/2007/20070410_1/20070410_1.pdf
(※5)イソチオシアネートによるがん予防の可能性|名古屋大学大学院生命農学研究科食品機能化学研究室
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jems/26/3/26_3_253/_pdf/-char/ja
(※6)Health-Promoting Phytochemicals from 11 Mustard Cultivars at Baby Leaf and Mature Stages
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6151555/