【この記事で解決できるお悩み】
・納豆って、毎日食べると太るの?
・1日何パックまでなら食べてもOK?
・ダイエットをサポートする、納豆の効果的な食べ方を教えて!
この記事では、こんなお悩みを解決します!
健康や美容に良いというイメージがある日本の発酵食品、納豆。
しかし、意外と高カロリー食材であることはご存じですか?
毎日納豆を食べ続けると太るといわれることもありますが、果たして本当なのか?
さらに、1日何パックまでなら食べても問題ないのか、ちゃんと整理しておきたいところ…。
そこで今回は、納豆を毎日食べると太るのか、徹底解説!
私の体験談も踏まえて、ダイエット中や腸活中にちょうどいい納豆の食べ方を整理してみました。
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この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
「納豆を毎日食べると太る」って本当?
納豆を毎日食べると太るというのは、本当です。
しかしこれは、納豆に限ったことではありません。
どんなに低カロリーでヘルシーな食べ物でも、食べ過ぎれば太ります。
納豆の栄養素(1パック40~50gあたり) | |
---|---|
カロリー | 80~100kcal |
たんぱく質 | 6g~8g程度 |
毎日納豆だけ大量に食べたらそりゃ太るよっていう…そりゃそうか。
ダイエットで大事なこと
ダイエットする上で大事なのは、自分が食べているものをきちんと把握し、バランスの良い食生活を目指すこと。
実は太っている時は、自分でも気が付かないうちに食べる量が増えていたり、バランスが悪くなっていることが多いと言われています。
だから「レコーディングダイエット(=自分が食べたものを記録するダイエット)」がいいんだねぇ…。耳が痛い…。笑
太る
=摂取したカロリーのうち消費できなかったカロリーが蓄えられて、脂肪にかわること
太るのは、摂取したカロリーのうち消費できなかったカロリーが蓄えられて、脂肪にかわっているからです。
基本的にはとてもシンプルな話です。
消費カロリーと摂取カロリーの関係
痩せる:消費カロリー>摂取カロリー+α
太る:消費カロリー<摂取カロリー+α
摂取したカロリーが多すぎたり、消費するカロリーが少なすぎると太ります。
しかし、そこに体質や体の状態による「+α」があるのは事実…。
なるべく脂肪をため込みにくい体を維持するために、偏った食事を調整し、腸内環境を整え、代謝を良くして、体の機能がそれぞれ十分に働く環境を作ることが大切です。
ダイエットの基本となるPFCバランス
ダイエット中は基本栄養素である、タンパク質、脂質、炭水化物のバランスを整えることが大切です。
Protein(タンパク質)
Fat(脂質)
Carbohydrate(炭水化物)
特にダイエット中は代謝を維持するために、タンパク質を減らさないようにするのが重要です。
厚生労働省の資料(※1)によると、筋力を維持するためのアミノ酸必要量は0.66g/㎏体重/日)と言われています。
たんぱく質必要量(g/kg 体重/日)に対するアミノ酸必要量(mg/kg 体重/日)
年齢 | 維持量 | 成長量 |
---|---|---|
0.5 | 0.66 | 0.46 |
1~2 | 0.66 | 0.20 |
3~10 | 0.66 | 0.07 |
11~14 | 0.66 | 0.07 |
15~17 | 0.66 | 0.04 |
18以上 | 0.66 | 0.00 |
日本食品標準成分表2020年版(八訂)(※2)によると、納豆のアミノ酸は100gにつき、17000㎎。
大豆のアミノ酸は16000㎎なので、発酵のちからで増えていることがわかります。
体重50㎏の人の1日のアミノ酸必要量
50(Kg)×0.66g=33g/日
体重50Kgの人の1日のアミノ酸必要量は、約33g。
1パック(50g)の納豆で8~9gのアミノ酸がとれると仮定すると、納豆1パックで1日の1/4のアミノ酸がとれるのか~。たすかる~!
納豆のカロリーを消費するのに必要な運動時間
基本的には栄養バランスがよく、ダイエット中もぜひ活用したい納豆ですが、もともとタンパク質も糖質も多い大豆が原料のため、低カロリー食品ではありません。
納豆 | 大豆 | |
---|---|---|
エネルギー | 95kcal | 82kcal |
タンパク質 | 8.3g | 7.4g |
脂質 | 5.0g | 4.9g |
炭水化物 | 6.1g | 4.2g |
1パックが50gだとすると、1つで約100kcalです。
厚生労働省の資料(※3)によると、体重50㎏の人が53kcalの活動消費をするために必要な運動時間は以下のとおり。
運動項目 | 時間 |
---|---|
歩行 | 20分 |
自転車 | 15分 |
子どもと遊ぶ | 15分 |
階段上り下り | 10分 |
重い荷物を運ぶ | 7~8分 |
ランニング | 7~8分 |
水泳 | 7~8分 |
納豆1パック分の消費カロリーは、歩行するなら40分!結構大変だ…
バランスの取れたカロリー摂取と消費ができていれば問題ありませんが、もしカロリー摂取が多すぎるなら、納豆1パックでも40分の歩行が必要かもしれません。
このバランスが悪ければ、毎日納豆を食べるだけでも太る可能性はあるってことです。
毎日納豆を食べるメリット
納豆の注目の栄養素とそのメリットは、以下のとおり。
一つずつ見ていきましょう。
良質なたんぱく質が代謝アップに貢献
注目の栄養素の1つ目は、良質なたんぱく質です。
大豆が主原料の納豆には、もともとたくさんのタンパク質が含まれています。そのタンパク質を納豆菌が細かく分解し、アミノ酸を作ります。
納豆がスゴイのは、このアミノ酸の種類が多いこと。
体内では作れない必須アミノ酸9種をすべてそろえている、栄養バランスの良いタンパク源なのです。
さらに大豆のタンパク質には、痩せるホルモンの一種である「アディポネクチン」というホルモンを増やす働きがあります。
財団法人関西情報・産業活性化センター(KIIS)の健康だより(※3)によると、「アディポネクチン」を増やすには大豆食品を積極的にとるのがよいとのこと。
アディポネクチンを増やすには、大豆食品に効果があることがわかっています。
引用:(※3)健康だより|財団法人関西情報・産業活性化センター(KIIS)
煮豆、納豆、豆腐など昔ながらの食べ方と適切な量がポイントです。
ビタミンB群とKが体の働きを整える
注目の栄養素の2つ目は、ビタミンB群とビタミンKです。
ビタミンB群は代謝ビタミンと呼ばれることもあるほど、糖質や脂質、タンパク質などの代謝に関わる、ダイエットには欠かせないビタミンです。
健康的な肌や髪などを作り、体の機能が良く働くためのエネルギーを生み出します。
納豆菌と食物繊維が腸内環境を整える
注目の栄養素の3つ目は、納豆菌と食物繊維です。
納豆菌は発酵菌の中でも熱や胃酸に強く、生命力の高い菌のひとつ。
その理由は殻をかぶった「芽胞菌(がほうきん)」だからです。
耐熱スーツを着ているみたいなものね。
生きて腸まで届き、乳酸菌が好きなオリゴ糖をたくさん作ることができる納豆菌は、腸内細菌の数を増やし、腸内環境を整え、腸の働きを活発にしてくれます。
さらに納豆には不溶性食物繊維もたくさん含まれていますから、腸の蠕動運動を促して、さらに腸を健康な状態に保つのです。
イソフラボンがホルモンバランスを整える
注目の栄養素の4つ目は、イソフラボンです。
イソフラボン
=ポリフェノールの一種
=納豆の苦みや渋みの成分
=抗酸化作用がある
=女性ホルモン(エストロゲン)と同じような働きをする
納豆にはたくさんのイソフラボンが含まれていて、更年期障害を起こりにくくしたり、肌荒れやしわをできにくくすると言われています。
サポニン、レシチンで肥満を防止する
注目の栄養素の5つ目は、サポニン、レシチンです。
サポニン
=マメ科の植物の根、葉、茎に含まれる苦み成分
=抗酸化作用が高い
レシチン
=脂質の一種
=神経伝達物質のアセチルコリンを作るための材料のひとつ
サポニンやレシチンは、体内で脂肪をなるべくため込まないように老廃物を体の外に出し、肝機能を高める効果があるといわれています。
納豆の食べ過ぎで生じる「デメリット」
一方、納豆を毎日食べると、心配な点もあります。
一つずつ見ていきましょう。
塩分の摂り過ぎによるむくみや高血圧の悪化
納豆は、その味付けに醤油をかけることが多く、塩分の摂り過ぎになる可能性があります。
塩分はむくみや高血圧の悪化を招くだけでなく、生活習慣病になりやすくなるリスクを秘めています。
濃い味が好きな人は、醤油のかけすぎに注意してね。
不溶性食物繊維の摂り過ぎによる便秘の悪化
納豆は不溶性食物繊維が多く、水溶性食物繊維が少なめという特徴があります。
不溶性食物繊維
=腸の蠕動運動を促す
=便のかさましをする
水溶性食物繊維
=腸内細菌のエサになる
腸の蠕動運動を促してくれるというメリットはありますが、腸が動きにくい人にとっては、逆に食物繊維が腸内で詰まってしまう可能性もあります。
くれぐれも食べ過ぎには注意が必要です!
納豆菌の摂りすぎによる腹痛や吐き気
納豆に含まれる納豆菌がとても強く、腸まで届くことをお話しました。
ということは、腸内に納豆菌が増えて、異常発酵の原因になることも。
お腹が張ってしまったり、腹痛や吐き気に見舞われることもあるので、納豆を食べるたびに少し調子が悪くなる…という方がいたらすぐに納豆を毎日食べるのはストップして、様子をみましょう。
イソフラボンの摂りすぎによる婦人系疾患の可能性
イソフラボンは、女性ホルモン「エストロゲン」と似た動きをします。
そのため、更年期障害の緩和やアンチエイジングに繋がるとも言われていますが、逆にとらえれば婦人科系疾患をもたらす可能性もあります。
厚生労働省の資料(※4)によると、イソフラボンの1日の摂取目安量の上限は70~75mgとされています。
納豆1パックには、すでに35㎎程のイソフラボンが含まれているので、他の食事からもイソフラボンをとる場合は、1日1パックで上限になってしまう可能性があります。
毎日納豆を食べていて、さらにサプリをとっているという人がいたら、ちょっとリスクがあるかも…?
ビタミンKの摂りすぎによる血栓症の悪化
納豆には丈夫な骨を作るのに役立つ、ビタミンKが豊富に含まれています。
ビタミンKは出血を止めることもできるビタミンなのですが、血液の抗凝固剤「ワーファリン」を服用している方は摂ることができません。
毎日納豆を効果的に食べる方法
納豆は健康や美容メリットが大きいものの、注意すべきデメリットが多いことがわかりました。
そんな納豆を毎日効果的に食べるには、何かしらの工夫が必要です。
一つずつ見ていきましょう。
納豆は「1日1パック」まで
納豆の1日の摂取目安は、1日1パックまでにしましょう。
毎食納豆しか食べないとか、たまにいらっしゃるけどかなり特殊だよね…。
加熱しないで生のまま食べる
加熱すると納豆に含まれる納豆菌の数が減り、発酵が鈍化し、有効成分が作られにくくなる可能性があります。
その状態を回避するために、納豆は加熱しないで生のまま食べるのがおすすめです。
賞味期限に近いほど、うまみ成分が増えておいしくなると感じる方も多いよ!
毎日食べる!納豆を使ったダイエット実践レシピ
納豆を毎日食べるなら、飽きない工夫が必要です。
みんなに人気で、かつ時短、そんなおいしい納豆ちょい足しレシピは、以下のとおりです。
一つずつ見ていきましょう。
納豆+キャベツ(コールスロー)
キャベツは歯ごたえがあるので、何度も嚙むことで満腹中枢が刺激され、満足感も感じやすく、ダイエットにピッタリ。
血糖値の急上昇を抑えるなら、食事の最初に摂ると、より効果的だよ。
【材料・用意するもの】
納豆1パック
キャベツ150g
マヨネーズ大さじ2
【調理手順】
1:キャベツを粗目のみじん切りにし、ボウルに入れる
2:納豆に付属のタレとからしをいれよく混ぜる
3:1のボウルに2を入れ、マヨネーズで味を調える
納豆+ねぎ
ネギのにおい成分は食欲をそそるだけでなく、納豆のビタミンB1B2の吸収率を高める効果があるそうです。
納豆+青じそ
納豆にはないビタミンA、Cを含んでいます。シソの殺菌作用も取り入れることができます。
納豆+チーズ
納豆にないビタミンAが豊富なので、バランスよく栄養を摂れるでしょう。
納豆+梅干し
独特の香りと酸味がアクセントになります。たれやしょう油の代わりに入れて食べると塩分が抑えられます。
納豆+卵はNGってほんと?
納豆ごはんには必ず生卵を入れる…という方はとても多いと思います。
しかし、実はこのコンビの相性はあまりよくありません。
卵白に含まれる「アピジン」が納豆に含まれる「ビオチン」と結合し、栄養を吸収させにくくなるからです。
どうしても卵が欲しい時は、卵黄だけ使うのがおすすめです。
まとめ:納豆毎日食べると太る?1日何パックまで?ダイエット効果
納豆を毎日食べると太るというのは、本当です。
しかしこれは、納豆に限ったことではありません。
どんなに低カロリーでヘルシーな食べ物でも、食べ過ぎれば太ります。
一方で納豆を毎日食べると、こんなメリットがあります。
納豆は健康や美容メリットが大きいものの、注意すべきデメリットが多いことがわかりました。
そんな納豆を毎日効果的に食べるには、何かしらの工夫が必要です。
ぜひ活用したいのですが、納豆を摂り過ぎるとリスクも多いのが注目な点。
一方で、納豆は毎日1パック(40~50g)程度に抑えられるなら、多くのメリットも期待できます。
発酵を体系的に勉強したくなったら…
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参考文献
(※1)たんぱく質必要量(g/kg 体重/日)に対するアミノ酸必要量(mg/kg 体重/日)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042630.pdf
(※2)日本食品標準成分表2020年版(八訂)|文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
(※3)健康だより|財団法人関西情報・産業活性化センター(KIIS)
https://www.kenpo.gr.jp/kracie/contents/hoken/dayori/pdf/132.pdf?1668297600147
(※4)運動所要量・運動指針の策定検討会 |健康づくりのための運動指針 2006
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/07/dl/s0719-3c.pdf
(※5)ビタミンB1解説|「健康食品」の安全性・有効性情報|国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail173.html
(※6)ビタミンB2解説|「健康食品」の安全性・有効性情報|国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail175.html
(※7)アディポネクチン低下抑制組成物|生命科学関連特許情報
https://dbsearch.biosciencedbc.jp/Patent/page/ipdl2_JPP_an_2012182125.html
https://dbsearch.biosciencedbc.jp/Patent/page/ipdl2_JPP_an_2004332642.html
(※8)Mg citrate found more bioavailable than other Mg preparations in a randomised, double-blind study
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14596323/
(※9)Improved iron bioavailability in an oat-based beverage: the combined effect of citric acid addition, dephytinization and iron supplementation
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17225920/