【この記事で解決できるお悩み】
・納豆っていつ食べるのがいちばんいいの?
・朝?夜?効果が高いタイミングはどっち?
この記事では、こんなお悩みを解決します!
タンパク質などの栄養が豊富で、健康や美容、ダイエットに良い効果をもたらす「納豆」。
納豆は、食べる時間やタイミングによって、効果が変わる食品です。
そこで今回は、納豆はいつ食べるのが良いのかを徹底解説。
朝・夜、食前食後など、いつ食べるのがおすすめなのかを整理してみました。
発酵を体系的に勉強したくなったら…
発酵ライフ推進協会オンライン校へ
\仕事に繋がる無料サポートもたくさん(*´ω`*)/
この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
納豆いつ食べる?食べる時間で効果が変わる?
納豆はいつ食べるのが効果的か。
この質問の答えは、納豆を食べる目的によって異なります。
それぞれ詳しく見てみましょう。
納豆を「朝」食べる効果
ダイエット中の方や睡眠の質を高めたい方は、納豆を「朝」食べるのがおすすめです。
なぜなら、納豆には、代謝アップに役立つ良質なタンパク質がたくさん含まれているから。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)(※1)によると、納豆1パック(50g)あたりのタンパク質量は、8.3g。
納豆 | 鶏むね肉 | |
---|---|---|
エネルギー | 95kcal | 115kcal |
タンパク質 | 8.3g | 9.8g |
脂質 | 5.0g | 8.6g |
炭水化物 | 6.1g | 0g |
鶏むね肉と比べると、多少タンパク質は少ないですが、脂質はかなり抑えられるのがポイントです。
ダイエット中で脂質の摂り過ぎに気を付けている人向きかも!
納豆は食物繊維も豊富で、体内の老廃物を体の外に出すことができるため、ダイエット時には重宝する食材のひとつです。
さらに、タンパク質を構成しているアミノ酸のバランスを示す「アミノ酸スコア」も、納豆は最高値の100を出しています。
日中の活動量を増やし、代謝をアップしてくれる効果が期待できます。
また、ダイエットだけでなく、睡眠の質を高めてくれる効果も期待できる理由は、トリプトファンと呼ばれるアミノ酸が含まれているから。
トリプトファン
=必須アミノ酸のひとつ
=幸せホルモン「セロトニン」や睡眠ホルモン「メラトニン」の材料になる
トリプトファンを朝のうちに摂取すると、昼になるまでに幸せホルモン「セロトニン」をたくさん作ってくれるので、精神が安定しやすくなります。
そして、幸せホルモン「セロトニン」が睡眠ホルモン「メラトニン」を作ってくれるので、寝つきがよくなり、すっきりと起きられるようになります。
トリプトファンを食べる
↓
幸せホルモン「セロトニン」ができる
↓
睡眠ホルモン「メラトニン」ができる
納豆は朝食べると、代謝アップや睡眠の質の向上が期待できます。
納豆を「夜」食べる効果
血行促進の効果や美肌効果に期待する方は、納豆を「夜」食べるのがおすすめです。
日本ナットウキナーゼ協会の報告(※2)によると、納豆に含まれるタンパク質分解酵素のナットウキナーゼは、血栓を色んな角度から溶解することができる物質なのだとか。
血栓は深夜から早朝にかけて出来やすいため、ナットウキナーゼを摂取する時間帯は夕食後や寝る前がよいと考えられます。40代以上の方、ストレスの多い方、血圧が高めの方、高脂血症や糖尿病などで血液粘性の高い方等には、特に定期的な摂取をお勧めします。
(※2)納豆のネバネバに含まれるナットウキナーゼ
夕食後から就寝前までの夜の時間にナットウキナーゼを摂取すると、朝摂取するよりも血液をかたまりにくくして、血流を改善してくれることがわかっています。
特に寝ている間は、知らぬ間に汗をかいて、血液がドロドロになりやすいんだって…!
タンパク質分解酵素のナットウキナーゼは、熱に弱いのも特徴のひとつ。
納豆を食べるときは、加熱料理にするのではなく、なるべく生のまま食べるのがおすすめです。
\ 納豆菌と乳酸菌が一度にとれるサプリメントならコレ!(*´▽`*) /
納豆いつ食べる?メーカーの見解まとめ
実際に納豆を作っている製造メーカーは、納豆をいつ食べるのがよいと思っているのでしょうか?
一つずつ見ていきましょう。
ミツカンの見解
いつ食べていただいてもよろしいです。
納豆は良質なたんぱく質、食物繊維、カルシウムなどを含む栄養価の高い食品ですので、お客様のご都合のよい時にお召上がりいただくのがよいかと思います。
納豆には、血栓を溶かす酵素「ナットウキナーゼ」が含まれています。血液は夜中から朝方にかけて固まりやすくなることから、一般的には、朝よりも夜に食べた方がよいとも言われています。
(※1)納豆はいつ食べるのがいいですか?|ミツカン
ミツカンさんは、若干「夜納豆」押し?!
タカノフーズの見解
タカノフーズの納豆は工場で十分に熟成をかけてから出荷しております。賞味期限内はいつでもおいしく召し上がれます。
(※1)納豆の食べごろはいつですか?|タカノフーズ
製造メーカーがいつがいいかを言及するケースは少なそうです。
納豆の効果をより高める食べ方
納豆をいつ食べたとしても、食べ過ぎは禁物です。
さらにいろんな種類の納豆があるので、選び方によっても効果は変わってきます。
納豆の効果を高める食べ方を整理してみましょう!
納豆の1日の摂取目安量は?
納豆の1日の摂取目安量は、1日1パックです。
2パック食べちゃダメというわけではないけど、バランスの良い食事を目指す場合、栄養が偏らないように1パック/日がおすすめされがちです。
納豆は栄養バランスがよい食材ですが、完全栄養食ではありませんし、カロリーや糖質が低いわけではありません。
ヘルシーなイメージがあるために、野菜と同じようなくくりで考えている人もいますが、どちらかというと納豆は肉や魚と同じ、「タンパク質がメインの食材」です。
たまに、「納豆食べているから、野菜は食べなくていいや…」と思っている人に遭遇することがありますが、バランス悪いぞw
さらに、大豆アレルギーの方も意外と多いので注意が必要。
アレルギーの人は食べられませんし、特にアレルギーがなくても体質によっては少し摂り過ぎただけで体調を崩すことがあるので注意しましょう。
納豆菌やイソフラボンの摂り過ぎのリスクは?
納豆を食べ過ぎることによるリスクは、以下のとおり。
1:納豆菌の摂りすぎ
食べ過ぎると、腸内細菌のバランスを崩し、腹痛や吐き気、ガスの大量発生による体調不良など、トラブルが起こりがち
納豆を食べるとおなかが張ったり、下痢になったりする人もいます。
健康のためと思って食べてるキムチや納豆やヨーグルトで余計に下痢になってないか。IBSかも〜ってストレスがひどいからって言う人めっちゃいるんだけどFODMAPさえ知らずに家系ラーメン食べてる人いた。しっかりFODMAPやって治らなかったらその時別のストレス疑った方がいいと思う。
— ゲリコ (@GERINKORINKO) June 25, 2023
2:イソフラボンの摂りすぎ
女性ホルモン「エストロゲン」と似ているので、女性ホルモンのような働きをする。更年期障害緩和やアンチエイジングなどの効果がある一方で、体質によって、婦人科系疾患をもたらす可能性がある
食品安全委員会が発表した大豆イソフラボンの一日上限摂取目安(※3)は、以下のとおり。
大豆イソフラボンの一日上限摂取目安:75 ㎎/日(閉経前女性、閉経後女性及び男性)
これは約5年間、大豆イソフラボン錠剤(150㎎/日)を摂取した人が、子宮内膜増殖症のリスクが高まったという研究結果(※3)を元に算出したもの。
食品に含まれる大豆イソフラボンの量は、以下のとおり。
食品名 | 平均含有量(100g中:mg) |
---|---|
黄粉 | 266.2 |
揚げ大豆 | 200.7 |
大豆 | 140.4 |
凍り豆腐 | 88.5 |
納豆 | 73.5 |
煮大豆 | 72.1 |
味噌 | 49.7 |
油揚げ類 | 39.2 |
豆乳 | 24.8 |
豆腐 | 20.3 |
金山寺みそ | 12.8 |
おから | 10.5 |
醤油 | 0.9 |
納豆は100gでちょうど制限量ぐらいなので、1日に納豆2パック食べたら、他の食品を摂ったら摂り過ぎになっちゃうんだよね。やっぱり1パックぐらいで止めておくのが安心…。
3:ビタミンKの摂りすぎ
出血を止めたり、丈夫な骨を作る。血液の抗凝固剤「ワーファリン」を服用している人は注意が必要。
ビタミンKの1日の摂取目安量は、男女ともに150㎍ですが、厚生労働省が設定する日本人の食事摂取基準(2020年版)でもビタミンKの上限量は設定されていません。
納豆に含まれるビタミンKは、100gあたり600㎍。
多いと言えば多いですが、ビタミンKは普通に食べているだけなら、過剰摂取が心配されることはありません。
しかし、血液の抗凝固剤「ワーファリン」を服用している人は、薬が効きにくくなるなどのデメリットが考えられるので、お医者様との相談が必要です。
納豆は単純にカロリーが高め。だから、食べ過ぎれば太りやすくなるリスクもあります。
納豆の種類はどれを選ぶ?
納豆には、大きく分けると大豆をそのまま使った「粒納豆」と大豆を細かく割った「ひきわり納豆」の2種類があります。
粒納豆 | ひきわり納豆 | |
---|---|---|
消化の良さ | 悪い | 良い |
食物繊維の多さ | 多い | 少ない |
納豆菌の多さ | 少ない | 多い |
ビタミンの多さ | 少ない | 多い |
ひきわり納豆は、最初に大豆を砕いてから発酵させているので、発酵面が広く、納豆菌が多く付着しているという特徴があります。
一方、粒納豆は大豆をそのまま使っているので、食物繊維が多い皮の部分がそのまま含まれています。
ひきわり納豆の方が消化が良いので、子どもからお年寄りまで安心して食べることができますが、便秘解消効果を狙うなら食物繊維が多い粒納豆もおすすめです。
納豆づくりに使われる豆にもいろんな種類があるよ。黒豆納豆は、抗酸化作用のあるアントシアニンが含まれているので、老化予防におすすめ。いろいろ試してみるのがおすすめです。
納豆の効果を高めるちょい足しレシピ
納豆の効果を高めるちょい足しレシピを集めました!
詳しく見てみましょう。
めかぶ納豆
めかぶは、食物繊維が豊富な海藻類。
海藻は腸内環境を整えるために必要不可欠な食材ですが、特にめかぶは納豆と同じネバネバ食品なので、混ぜやすくておすすめです。
つるつるっと食欲がない時でも食べられるよ!
また、納豆に足りないと言われている、ビタミンCやヨウ素を補うことができる食材としても優秀です。
海藻は意識しないと食べられないので、積極的に納豆と混ぜるといいかも!
ゆでたまご納豆
ゆでたまごは、「畑の肉」と言われるくらい栄養バランスが良い食材のひとつ。
納豆は植物性タンパク質ですが、卵は動物性タンパク質なので、いろんな種類のタンパク質が少しずつとれるという意味でもおすすめです。
また、納豆の栄養素として不足しがちなビタミンDも含まれているので、栄養バランスの調整にも使えるのがいいところ。
ただし、生たまごではなく、ゆでたまごがおすすめなのには理由があります。
納豆に含まれる栄養素の「ビオチン」は、生の卵白に含まれる「アビシン」に吸収を阻害される可能性があります。
「アビシン」は熱に弱いので、加熱すればOK。
卵と納豆を混ぜるときは、生たまごではなく、ゆでたまごを使うのがおすすめです。
ほうれんそう納豆
ほうれんそうは、納豆に含まれていないビタミンAとビタミンCを補ってくれる相性がとてもよい食材。
納豆に多く含まれるビタミンB群と協力すれば、疲れにくい体や老化しにくい体が作れます。
また軽くゆでるだけで食べられるお手軽さも組み合わせしやすい理由。
栄養バランスを整えたい時は、ほうれんそう納豆がおすすめです。
すりごま納豆・オリーブオイル納豆
すりごまは、良質な油が含まれていて、総コレステロール値およびLDLコレステロール値の上昇が緩和する効果が報告(※5)されている食品です。
また同じく良質な油を含むことが知られているのが、オリーブオイル。
オリーブ油を摂取した子供はBMIの増加が緩和されたという報告(※6)もあり、肥満予防になると言われています。
キムチ納豆
納豆のアレンジ法としては定番中の定番なのが、キムチ納豆です。
キムチの乳酸菌と納豆の納豆菌は、相性抜群。
2つの菌が合わさることで、乳酸菌がさらに増殖するという報告(※7)があります。
味もおいしいし、相性もパーフェクトなコンビです!
\ 納豆菌と乳酸菌が一度にとれるサプリメントならコレ!(*´▽`*) /
きのこ納豆
納豆には、ポリアミンと呼ばれる近年注目の成分が含まれています。
ポリアミン
=アミノ酸の一種であるアルギニンやオルニチンから作られる成分
=代表的なものは、スペルミン、スペルミジン、プトレスシン
=新陳代謝を活発にし、老化を予防すると注目されている
ポリアミンは、納豆はもちろん、発酵食品の味噌や醤油などにも、多く含まれます。
きのこ類にも多く含まれる成分で、きのこと納豆を食べることでたくさん摂取することが可能です。
若返りを目指すなら、ポリアミンを意識してみるのもおすすめです。
まとめ:納豆いつ食べる?ダイエット中は、朝夜どっち?食べる時間の効果
納豆はいつ食べるのが効果的か。
この質問の答えは、納豆を食べる目的によって異なります。
【朝納豆がおすすめの場合】
➀納豆を食べる目的が、ダイエット・代謝アップの場合
➁納豆を食べる目的が、睡眠の質の改善の場合
【夜納豆がおすすめの場合】
➂生活習慣病の予防(血栓予防・血行促進)が目的の場合
ダイエット中なら、朝納豆を食べることで代謝をアップさせることができますし、睡眠の質を上げて代謝しやすい体を作ることも可能です。
血行促進の効果や美肌効果に期待する方は、夜納豆がおすすめです。
納豆に含まれるタンパク質分解酵素のナットウキナーゼは、血栓を色んな角度から溶解することができる物質ですが、血液がどろどろになりがちな夜にとるのが効果的。
ただし、納豆をいつ食べるにせよ、食べ過ぎは禁物です。
納豆は栄養たっぷりの食品ですが、バランスがパーフェクトというわけではないですし、体に合わない人もいます。
納豆は毎日1パック食べつつも、きちんと他の食材もバランスよく食べるのがおすすめです。
飽きないように、納豆の効果を高めるちょい足しをしながら、納豆ライフを楽しみましょう。
参考にしてみてね。
発酵を体系的に勉強したくなったら…
発酵ライフ推進協会オンライン校へ
\仕事に繋がる無料サポートもたくさん(*´ω`*)/
参考文献
(※1)日本食品標準成分表2020年版(八訂)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
(※2)納豆のネバネバに含まれるナットウキナーゼ
http://j-nattokinase.org/nattokinase/index.html
(※3)大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方
https://www.fsc.go.jp/hyouka/hy/hy-singi-isoflavone_kihon.pdf
(※4)大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0202-1a.html
(※5)Hypocholesterolemic effect of sesame lignan in humans
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8724120/
(※6)Children whose diet contained olive oil had a lower likelihood of increasing their body mass index Z-score over 1 year
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21715417
(※7)納豆菌Bacillus subtilis (natto)が腸内菌叢と腸管細胞機能に及ぼす作用
http://gakui.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/gazo.cgi?no=215479