【この記事で解決できるお悩み】
・納豆に砂糖を入れる地域があるってホント?
・なんで納豆に砂糖を入れるの?
・納豆に砂糖を入れるとどんな効果が期待できるの?
・納豆にいれる砂糖の量や混ぜ方など、具体的な食べ方をおしえて!
この記事では、こんなお悩みを解決します!
北海道や秋田、山形などの寒い地域には、納豆に砂糖を入れて食べる食文化や郷土料理があります。
日本テレビ系「秘密のケンミンショー」で特集されたことがきっかけとなり、全国的に注目されることになりました。
関東で生まれ育った人からすると、とても不思議な組み合わせですが、試してみると意外とおいしいと大評判。
そこで今回は、納豆に砂糖を入れる地域とその理由・効果について、徹底調査!
実際に砂糖を入れて食べる食べ方や食べた先輩たちの口コミもまとめてみました。
発酵を体系的に勉強したくなったら…
発酵ライフ推進協会オンライン校へ
\仕事に繋がる無料サポートもたくさん(*´ω`*)/
この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
納豆に砂糖を入れる地域と食べ方
納豆に砂糖を入れる地域は、実は日本全国にありますが、その多くは東北の寒い地域に集中しています。
もちろんすべての県民が同じ食べ方をするわけではないですが、新潟県、北海道、山形県では特に納豆+砂糖の組み合わせに違和感を持つ人は少なく、よくある組み合わせなのだとか。
実際に納豆と砂糖を組み合わせた料理を見てみましょう。
新潟県のきりざい
新潟県・魚沼地方の郷土料理のきりざいは、給食にもでてくる人気の料理。
農林水産省のホームページ(※1)では、「日本各地の郷土料理」の中で新潟県の郷土料理として紹介されている、新潟県民のソウルフードです。
「きりざい」は昔から魚沼地方で食べられている郷土料理です。「きり」は切ること、「ざい」は野菜の「菜」のことを表し、野菜を細かく切って混ぜ合わせるという意味です。
引用:(※1)日本各地の郷土料理|農林水産省
きりざい
=新潟県・魚沼地方の郷土料理
=納豆に野沢菜などの漬物やごまを混ぜて、砂糖醤油とだしで味付けしたもの
=タンパク質が豊富な納豆はごちそうで、かさましのために野菜や漬物をいれていた
きりざいは、隠し味として砂糖を入れるのが定番です。
きりざいって、もしや、元祖あまじょっぱ系おかずなのでは?笑
北海道の砂糖醤油納豆
北海道では、納豆に砂糖と醤油をかけて食べるのは珍しいことではありません。
ただ、全員が砂糖醤油で食べているわけではなくて、道民の10%程度なのだとか!
そもそも寒い地域は、砂糖を多用する食文化があります。
日本経済新聞出版の書籍『全日本「食の方言」地図』に掲載されていた北海道民を対象にしたアンケートによると、納豆に砂糖を入れる人は10%、茶碗蒸しに砂糖を入れる人は26%、茶碗蒸しに栗の甘露煮を入れる人は55%もいるとのこと。
寒い地域では、甘いおかずってそんなに珍しくないんですね!
山形県の甘い納豆餅
山形県の郷土料理と言えば、お餅に納豆をかけた納豆餅です。
スーパーの総菜売り場に普通に売っているぐらい定番のおかず兼主食ですが、山形県民の中には納豆に砂糖を混ぜた甘めの醤油を使う方も多いのだとか。
河北町溝延(みぞのべ)地区には、古くから「餅を食べる人は粘り強く力持ち(餅)で、家、村、国を宝持ち(餅)にする」という考えがあります。
引用:納豆餅|山形県
ボリュームたっぷりなお餅は、お湯につけて、しっとりやわらかくするのが普通らしいよ。
\ 今すぐ食べたい人はこちらから(^○^) /
沖縄県の納豆味噌
沖縄本島中部や宮古島などでは、給食の際にごはんのお供として、納豆と味噌、砂糖を炒めた「納豆味噌」という郷土料理があります。
暖かい地域ではちょっと珍しいかも!?
東北に限らず、みんな甘い納豆が意外と好き…ということでしょうか?
寒い地域で納豆に砂糖を入れる理由
納豆と砂糖という組み合わせは、日本中で人気がありますが、特に東北地方などの寒い地域で熱愛されています。
考えられる大きな理由は、以下の3つ。
一つずつ見ていきましょう。
東北では甘い味付けが好まれる
古くから伝わる郷土料理を見ると、寒い地域では、砂糖を使った甘い味付けや甘辛い濃い味付けが好まれる傾向にあることがわかります。
これは、冬の寒さを乗り越えられるよう、食欲を増進させるため。
松前漬(北海道南地域)
=乾燥させたスルメイカと昆布を細切りにし、醤油、酒、みりん、砂糖などで漬け込んだ保存食
鮭のちゃんちゃん焼き(北海道全域)
=鮭や野菜を味噌や砂糖、酒でつくったタレを加えて蒸し焼きにしたもの
がっぱらもち(青森県津軽地方)
=米粉や冷ごはんに、砂糖と塩、黒ごまを混ぜて水を加えてのばし、油をひいたフライパンで焼いたもの
かまもち(岩手県全域)
=小麦粉を熱湯でこね、黒砂糖、味噌、くるみを練り合わせたものをつつみ、ゆでたもの
鯉のうま煮(山形県米沢市)
=コイを輪切りにし、砂糖・醤油・酒で煮た郷土料理
鯉の甘露煮(福島県会津地方)
=ぶつ切りにした鯉を水、醤油、酒、砂糖、水あめなどを煮こんだ郷土料理
みょうがの葉焼き(宮城県北部)
=小麦粉やもち米粉と砂糖、味噌を混ぜ、みょうがの葉に包んで焼いたもの
もともとは甘くない料理でも、わざわざ砂糖を入れて甘くして食べるということも多いようです。
例えば、北海道ではお赤飯に使う小豆の代わりに甘い甘納豆を使用します。
さらに卵焼きや茶わん蒸しなどの卵料理には、必ず砂糖を入れるのはもちろん、とてもあまい栗の甘露煮を入れるご家庭も多いようです。
はっきりした甘さを欲する食文化があるのかな~
歴史的に砂糖が身近だった
江戸時代から昭和初期にかけて、物流のかなめとなっていた船、北前船(きたまえぶね)。
この船が大阪から北海道までの長距離で、さまざまな物資を運んでいたそうなのですが、東北の北前船のルートでは砂糖を運ぶ船が多かったことも砂糖を使う食文化が発達したひとつの要因なのではと言われています。
本州からは、米や塩、砂糖、酒、酢、鉄、綿、薬、反物や衣類などあらゆる生活物資を積み込み、売買しながら日本海を蝦夷地に向けて北上した。 これを「下り荷」という。
引用:(※3)北前船が運んだ北陸の食文化|JR西日本
砂糖で効率的にエネルギー補給をしようとしている
寒さは体力を奪いやすく、いつもより多くのエネルギーを必要とします。
そのため、東北の労働者はエネルギーを効率的に補給するために、食事の中に積極的に砂糖を利用するようになったのではと言われています。
納豆と砂糖は、タンパク質と糖質を両方いっぺんにとることができてとても効率的。
納豆=大豆に含まれるタンパク質や脂質
砂糖=糖質
現代人から見ると、太ってしまいそうな危険な組み合わせですが、食べ物が豊かではない古来の人たちにとっては、明日を生きていくために砂糖の糖質が重要だったことが想像できます。
納豆に砂糖を入れる効果
納豆と砂糖の組み合わせは、なにも昔の日本の労働者のためだけにあるわけではありません。
実は現代に住む私たちにとっても、納豆がおいしくなるというシンプルな効果が期待できます。
一つずつ見ていきましょう。
ネバネバが増え、おいしくなる
納豆に砂糖を入れると、納豆のネバネバが増強し、まろやかでおいしくなる効果があります。
この理由は、砂糖の特徴のひとつである保水力にあります。
保水力
=水分を吸収して固める働き
例えば、割れにくいシャボン玉を作りたい時、シャボン玉液に砂糖を加える方法があります。
これは砂糖の保水力によって、液体の粘度が上がるから。
納豆のネバネバについても粘度が上がり、ネバネバ(=ポリグルタミン酸)をより強く感じることができます。
東北の寒い地域では、納豆菌が活発に働く20℃前後よりかなり気温が低いため、発酵があまり進まず、力強い粘りがある納豆を作ることができませんでした。
現在は技術が進み、計画的に納豆の発酵状況を管理できるようになりましたが、昔は納豆に砂糖を追加することで粘りを強く出そうとしたという説もあります。
砂糖って味を甘くするだけじゃなくて、他にもいろいろな隠れた効果があるんです。お肉を柔らかくしたり、生クリームなどの泡の強度を高めてくれることも…
砂糖は卵白・生クリームに含まれている水分を保持します。
引用:(※4)こんなにすごい!お砂糖の調理効果|三井製糖株式会社
キメが細かく、消えにくい泡を作ることができます。
においが抑えられる
納豆に砂糖を入れると、納豆の独特の発酵臭が薄まり、においがニガテな人でも食べやすくなる効果があります。
わたしは納豆の発酵臭、好きだからいいけど、嫌いな人は砂糖を入れると食べられるようになるかも…!ぜひやってみて。
納豆に砂糖を入れる食べ方
納豆に砂糖を入れる食べ方には、いくつかのポイントがあります。
実際にやってみたい方は、こちらのポイントに注意して、納豆に砂糖をいれてみるのがおすすめです。
一つずつ見ていきましょう。
砂糖の量は、ひとつまみ
納豆に入れる砂糖の量は、多すぎるとよくありません。
親指と人差し指で砂糖を軽くつまんだひとつまみ(=ティースプーン1/2杯程度)が目安です。
それなりに甘くなるので、隠し味として少し感じるぐらいで抑えておくのがおいしくするポイントです。
納豆に砂糖を入れるだけだと、違和感が大きいので、通常は砂糖と醤油を一緒に入れます。
これは、付属のタレとほぼ同じなので、違和感も少ないはずです。
納豆の味を確認しながら、好みの味を追求してみましょう。
砂糖入れる順番は、砂糖が先、醤油が後
納豆に砂糖を入れる順番は、砂糖が先、醤油が後が一般的です。
醤油を先に入れてしまうと、納豆の粒についている納豆菌やアミノ酸などの有効成分が、醤油の液体によって流れてしまい、砂糖を入れても粘りが強く出てくれないことがあるからです。
砂糖は液体ではないので、その心配はありません。
粘りが固い時は、水もちょい足し
納豆に砂糖を入れると、強い粘りが出てくることがあります。
あまりに粘り部分が固くて、味わいにくいと感じたら、少し水を足して柔らかくするのがおすすめです。
さぁ、実際に納豆に砂糖と醤油で味付けしてみよう。
納豆に砂糖を入れたらどんな味?口コミチェック
納豆に砂糖を入れたらどんな味なのか、みんなの口コミが気になるところ。
実際に納豆と砂糖を一緒に食べてみた人の口コミをまとめてみました。
一つずつ見ていきましょう。
意外とおいしい
砂糖入りの納豆を食べた人にいちばん多かった意見は、意外とおいしいというものです。
砂糖の甘みがプラスされると、甘味だけでなくコクや濃厚さが生まれて、全体的に美味しくなるとのこと。
砂糖入りの納豆、食べてみたくなる意見がたくさん!
結局付属のタレと同じ(珍しい味ではない)
納豆に砂糖を入れるというと、とても珍しいことのように感じます。
しかし、実際は納豆にもともと付属している納豆のタレにも砂糖はいっぱい入っています。
特別珍しい味というわけではなく、違和感なく受け入れられたという人も多いようです。
たしかに隠し味程度に追加するぐらいなら、付属のタレのほうが甘い場合もあるんですよね。
やっぱり甘くて違和感がある
納豆に砂糖を入れる方法は、甘いおかずがニガテな人からしたら、あまりいい組み合わせとは言えません。
違和感がある…という方も少数派ではありますが、一定数いらっしゃいます。
謎の罪悪感がある
砂糖=太るというイメージがついている現代人の私たちからみると、やっぱり不思議な組み合わせ。
謎の罪悪感があるという口コミも多く存在しました。
納豆に砂糖を入れるアレンジレシピ
砂糖醤油で味付けした納豆は、ごはんやパン、お餅などのシンプルな主食にもよく合います。
自炊をしている人は、とても簡単に制限時間5分程度で作れるメニューも多く、タンパク質と糖質がバランスよくとれるというメリットも。
一つずつ見ていきましょう。
納豆砂糖卵かけごはん
砂糖を入れた納豆は、卵かけごはんのトッピングにしてもおいしく食べられます。
砂糖とごはんは合わないでしょ・・・?と思うかもしれませんが、しょせんごはんも糖質です。
案外、違和感ないんだよね。
納豆砂糖トースト
砂糖を入れた納豆は、トーストにするとボリューミーな食べ応えのあるブランチになります。
納豆ごはんよりも納豆トーストのほうが、さらに合うかも…!
甘じょっぱ系の菓子パンのようでありながら、栄養バランスが良く、タンパク質がしっかりとれるのもうれしいところ。
納豆砂糖餅
いちばんのおすすめは、郷土料理としても愛される砂糖を入れた納豆とお餅のコラボです。
【納豆砂糖餅の作り方】
1:もちをゆでて、表面がやわらかいまま一口大にちぎって皿に盛る
2:納豆に砂糖と醤油を混ぜる
3:1に2をかけたら完成
納豆餅の餅は、なるべく柔らかいほうが納豆と絡んでおいしくなるよ。
\ 今すぐ食べたい人はこちらから(^○^) /
まとめ:納豆に砂糖を入れる地域がある?驚きの理由と効果
納豆と砂糖という組み合わせは、日本中で人気がありますが、特に東北地方などの寒い地域で熱愛されています。
考えられる大きな理由は、以下の3つ。
納豆と砂糖の組み合わせは、なにも昔の日本人ためだけのものではありません。
実は現代に住む私たちにとっても、納豆がおいしくなるというシンプルな効果が期待できます。
実際に納豆と砂糖を一緒に食べてみた人の口コミをみても、その評判は上々です。
気になる方はぜひ試してみてね。
発酵を体系的に勉強したくなったら…
発酵ライフ推進協会オンライン校へ
\仕事に繋がる無料サポートもたくさん(*´ω`*)/
参考文献
(※1)日本各地の郷土料理|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/cuisine/cuisine3_1.html
(※2)家計調査|総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/kakei/index.html
(※3)北前船が運んだ北陸の食文化|JR西日本
https://www.westjr.co.jp/company/info/issue/bsignal/06_vol_104/feature01.html
(※4)こんなにすごい!お砂糖の調理効果|三井製糖株式会社
https://www.mitsui-sugar.co.jp/story/dictionary/efficacy.html