ピコスルファートナトリウム錠は、腸を刺激する刺激性下剤であるにも関わらず、比較的体に優しい成分であることが注目されている便秘薬です。
子供の便秘や妊娠中の便秘に対して、よく使われるんだって。
体に優しいということは、効かない可能性も?今回は添付文書をよみながら、ピコスルファートナトリウム錠について詳しくみてみましょう!
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ピコスルファートナトリウム錠とは?
ピコスルファートナトリウム錠・ピコスルファートナトリウム液は、1980年から発売されている「ラキソベロン」という便秘薬の後発品で「ジェネリック医薬品」なんだそう。
ピコ太郎みたいなとてもかわいらしい名前なのでごまかされちゃいますが、腸を刺激する刺激性下剤に分類されています。
私なんかは刺激性下剤だとちょっとだけ心配になりますが、このピコスルファートナトリウム錠は、その安全性が注目されることも多い便秘薬なんですよ。
体にやさしいとされる理由
刺激性下剤なのに、なぜカラダに優しいことが注目されているのでしょうか?その理由が、ヘルスケア大学さんの記事に書かれていました。
大腸内に入ってからはじめて、腸内細菌がもっている酵素によって加水分解され、腸の蠕動運動を促進することになります。
また、腸壁からの水分再吸収を抑制するため、便に水分を保つことにも繋がります。
参考:http://www.skincare-univ.com/article/002524/
おおーーー。でたー、腸内細菌のチカラ!このピコスルファートナトリウムは、腸内細菌と力を合わせて、私たちの便秘を解消してくれるお薬だったんですね。
安全性が高いとされるためか、添付文書の用法・用量のところにも成人についてだけではなく、小児に対しての記述もあります。あまり薬に頼らないほうが良いと思いますが、表示上は6か月以下から記載されており、その安全性がうかがわれますね。
薬価が安くて経済的
薬価についてもそんなに高くないので経済的なお薬と言えそうです。
ラキソベロン錠2.5mg 8.6円
「ラキソベロン」という便秘薬の後発品とのことだったので比較してみましたが、うん、やっぱり安いですね!
ピコスルファートナトリウム錠の効果・効能
ピコスルファートナトリウム錠の効果として一番注目されているのは、やはり便秘薬としての役割です。
添付文書の効能・効果には、このように書かれています。
2.術後排便補助
3.造影剤(硫酸バリウム)投与後の排便促進
4.手術前における腸管内容物の排除
5.大腸検査 (X線・内 視鏡)前処置における腸管内容物の排除
参考:http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00058778.pdf
ピコスルファートナトリウム錠は、大腸刺激性下剤の一種ですから、大腸の動きが悪くなってしまっているタイプの便秘によく効くと言われています。
いわゆる「弛緩性便秘」、もしくは、直腸に固い便が溜まった「直腸性便秘」と言われるタイプの便秘です。
また高齢者の方や子供の便秘などにもよく利用されます。
ビサコジル(コーラック)やセンナなども大腸を刺激するタイプの便秘薬です。ピコスルファートナトリウム錠は、ゆっくりとした刺激であるため、高齢者やお子さんでも飲める安全性が高い便秘薬として認知されています。
妊娠中でも飲めるってほんと?
妊娠中に使える便秘薬として有名なのは、「酸化マグネシウム」と「ピコスルファート」を使った便秘薬です。
液体タイプもあって自分で飲む量を調節できますが、飲み過ぎて下痢になってしまうことがあるので用法・用量はしっかりと守ってください。
ピコスルファートを含む市販薬には「コーラックソフト」「ピコラックス」などがあります
参考:https://192abc.com/26700
市販薬なので、見たことがある方も多いのではないでしょうか?市販薬はみんな刺激が強そう・・・と思っていたけど、そうでもないんですね。
妊婦さんでも使用可能とは言われますが、やっぱり妊婦さんの自己判断はキケンです。その方それぞれの体質もあるし、市販薬でも、まずはお医者さんに相談してから飲んでくださいね。
即効性が高いってほんと?
ピコスルファートナトリウム錠は、服用してから約7時間~12時間に便意をもよおす場合が多いと言われています。
これは一般的な便秘薬に比べて、とても即効性が高いほうだと言えますね!
ピコスルファートナトリウム錠の副作用は?
基本的にピコスルファートナトリウムは安全性が高いことで有名な薬です。ですが、まれにこのような副作用が起こることがあるようです。
大腸検査前処置に用いた場合、腸管に狭窄のある患者において腸閉塞を生じ、腸管穿孔に至るおそれがあるので、観察を十分に行い、腹痛等の異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
虚血性大腸炎:
大腸検査前処置に用いた場合、虚血性大腸炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
参考:http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00058778.pdf
ピコスルファートナトリウム錠は、市販薬としても売っていて、副作用がほとんどないと言われています。
でもその点を過信して服用量を増やしてしまう方も多いようです。でもピコスルファートナトリウム錠は、あくまで便秘薬ですので、服用量を間違えてしまうと、腹痛、腹部膨張、胃もたれなどの副作用が起きることもあります。
あくまで、ピコスルファートナトリウム錠は便秘薬であるということを忘れないでください。ピコスルファートナトリウムなしでは排便できない、ダメな腸にしてしまうとなかなか復活できません。
「下剤依存症」にならないように注意してくださいね。
▼便秘薬、漢方なら安心?選び方と注意点まとめ
ピコスルファートナトリウム錠の飲み方は?
市販のピコスルファートナトリウム錠として有名な便秘薬は以下の2つです。
ピコラックス(佐藤製薬)
飲むタイミングは「就寝前又は空腹時」で、まずは少量から飲み、自分のカラダの状態を確認して量を調整してほしいとのことです。1日1回で15歳未満は服用できません。
ただし,初回は最小量を用い,便通の具合や状態をみながら少しずつ増量又は減量してください。
[年齢:1回服用量:1日服用回数]
大人(15才以上):2~3錠:1回
15才未満:服用しないでください
参考:https://minacolor.com/brands/1921/medicines/40302/dosage/
コーラックソフト(大正製薬)
飲むタイミングは「就寝前又は空腹時」で、まずは少量から飲み、自分のカラダの状態を確認して量を調整してほしいとのことです。
ピコラックスと同じですね!
1日1回で15歳未満は服用できません。
[年令:1回量:服用回数]
15才以上:2~3錠:1日1回
15才未満:服用しないこと
参考:https://minacolor.com/brands/1278/medicines/40021/dosage/
ピコスルファートナトリウム錠は安全性が高い便秘薬ではありますが、油断禁物です。ちゃんと用法用量を守って飲んでくださいね。
ピコスルファートナトリウム錠のまとめ
ピコスルファートナトリウムというかわいい名前でありながら刺激性下剤であり、刺激性下剤でありながら、安全性が高いという不思議な便秘薬でした。笑
効かないって言う人もいるみたいだけど、「弛緩性便秘」のような大腸の動きが弱っているタイプの便秘ではない可能性もありそうですね。
どんな便秘でも効果がないわけではないとのことですが、体質によって効くもの、効かないものがあるので、効かない場合はさっさと違う方法に移動するのも手です。
腸活の参考にしてみてください。