【この記事で解決できるお悩み】
焼酎と日本酒の違いってなに?
ダイエット中におすすめなのは、焼酎?日本酒?
禁酒中だけど、ちょっとだけ…体にいいのは焼酎?日本酒?
この記事では、こんなお悩みを解決します!
「本格的なお酒に挑戦したいけど、どうせ飲むなら体によくて、太らないお酒がいい!!」
そう思ったことはありませんか?
焼酎と日本酒は、どちらも日本で古くから飲まれている人気のお酒。
でもなんとなく飲んでいる方が大半で、成分や原料の違いは気にしていない人が多いみたい。
そこで今回は、焼酎と日本酒の違いを徹底解説!
発酵ライフプロフェッショナルが焼酎と日本酒の違いをポイント別に整理します。
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この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
焼酎と日本酒の違いはココ!8つのポイント解説
焼酎と日本酒の違いのポイントを整理すると、以下の8つ。
一つずつ見ていきましょう。
最大の違いは製造方法!「醸造酒」と「蒸留酒」
日本酒と焼酎の最大の違いは、製造方法です。
酒類は大きく分けると、「醸造酒」と「蒸留酒」に分類されます。
醸造酒 | 蒸留酒 | |
---|---|---|
定義 | 穀物や果物を酵母の力でアルコール発酵させたアルコール飲料 | 醸造酒を蒸発させてできた気体を冷やして、再び液体に戻したアルコール飲料 |
特徴 | アルコール以外の不純物や雑味の原因になるものが多い | 不純物や雑味の原因になるものが少なく、アルコール純度が高い |
例 | 日本酒、ワイン など | 焼酎、ウイスキーなど |
このうち、日本酒は醸造酒に、焼酎は蒸留酒に分類されます。
日本酒は、お米に含まれるでんぷんを麹菌の力で糖化させ、できた糖分をエサに酵母が発酵し、アルコールを作ります。
もろみを絞るだけの生原酒の中には、麹菌や酵母菌、食物繊維やビタミンなどが多く含まれている商品も存在。
バラエティ豊かな香りや個性的な味が楽しめるという特徴があります。
一方、焼酎は、米・芋・麦などの穀類やいも類を酵母の力で発酵させて、もろみを作りますが、まだ終わりません。
もろみを蒸発させて、透明な液体にします。
透明な液体を集めると、麹菌や酵母菌、食物繊維やビタミンなどの雑味の素になる成分は取り除かれます。
残るのは、原料に由来する香味とアルコールだけ。
雑味が少ないキリっとしたお酒になります。
似ているようで、ぜんぜん似ていない日本酒と焼酎!笑
どちらがおいしく感じるかは、人によりますね。
さらに、醸造酒は、3つのタイプに分類されます。
醸造酒の種類 | 概要 |
---|---|
単発酵酒 | 発酵過程を経て作られるお酒 (糖化の必要がない) |
単行複発酵酒 | 糖化と発酵という2つの過程を 別々に行う必要があるお酒 |
並行複発酵酒 | ひとつのタンクで 糖化と発酵を同時並行で進めて作られるお酒 |
日本酒は醸造酒の中でもめずらしい、並行複発酵酒。
日本酒の原料であるお米には、酵母のエサになる糖分が含まれていないため、そのままでは発酵がうまくすすみません。
そこで、麹菌の出番です。
麹菌を追加すると、お米に含まれるでんぷんを分解し、糖分を作ってくれるので、酵母菌がアルコールを作れるようになるのです。
単発酵酒と単行複発酵酒&並行複発酵酒の違いは、糖分が含まれる原料を使っているか、否か。
例えば、ぶどうが原料のワインは、ぶどうに最初から糖分が含まれるため、単行複発酵酒になります。
日本酒=お米に含まれるでんぷんを麹菌の力で糖化させ、できた糖分をアルコール発酵させたお酒
ワイン=ブドウに含まれる糖分をアルコール発酵させたお酒
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原料の違い
日本酒と焼酎は、原料も違います。
日本酒の原料=米
焼酎の原料=米・芋・麦などの穀類やいも類
日本酒は原料もとてもシンプル!焼酎は、いろんな種類があります。
でも、米焼酎なら、お米が原料の日本酒と同じじゃない?
もちろん米焼酎の原料は米だけど、お米はお米でも種類が違うんです。
焼酎の原料になるお米は、わたしたちが普段から主食として食べている食用米です。
一方、日本酒の原料になるお米は、酒造専用の酒米や酒造好適米と言われるもの。
酒造好適米=酒造りに向いているお米のこと。有名なものでは山田錦などがある。
食用米 | 酒造好適米 | |
---|---|---|
粒の大きさ | 小さい | 大きい |
粒の割れにくさ | 割れやすい | 割れにくい |
心白の大きさ | 小さい | 大きい |
タンパク質の量 | 多い | 少ない |
脂質の量 | 多い | 少ない |
例 | 「あきたこまち」、「コシヒカリ」 | 「山田錦(やまだにしき)」 |
食用米と比べると、酒造好適米は粒が大きく、とても丈夫です。
さらに心白と呼ばれる、お米の芯の白色不透明の部分が大きく、吸水性が高いため、麹菌が繁殖しやすいと言われています。
タンパク質や脂質がうま味やツヤを作り出すので、食用米の場合はたくさん含まれているほうが良いとされますが、酒米として使う場合は話が別です。
タンパク質が雑味の元となったり、脂質が立ち上る香りを妨げる要素となったり、美味しい酒作りの邪魔をしてしまうことも多いのだとか。
そのため、酒造好適米は、タンパク質や脂質が少ないものが多くなります。
同じ日本酒でも、酒米に何を使っているかによって味が違うので、すごく不思議です。私は広島とか高知でよく使われる、「八反錦(はったんにしき)」っていう酒米を使うお酒が好きみたい…笑
精米割合の違い
日本酒と焼酎は、精米割合も違います。
精米割合とは、お米の外側を削り落とす割合のこと。
お米を原料にした米焼酎と日本酒の一般的な精米割合は以下のとおり。
米焼酎:10%~15%程度
日本酒:50%以下
日本酒はお米の半分以上を削ってしまう、贅沢なお酒!笑
なぜ、日本酒は精米割合が高いのか。
それは、原料のところでも説明した、タンパク質や脂質の割合が関係しています。
日本酒造りにとっては、雑味を作り出したり、芳醇な香りがたつのを邪魔してしまうタンパク質や脂質をあまり好みません。
そのため、質のよいお酒を造ろうとすると、お米の外側のタンパク質や脂質が多い部分は、削り落としてしまうのが普通。
逆に、焼酎の場合は、たんぱく質や脂質が風味を加える要素として有益なため、精米割合が低くなります。
発酵微生物(麹菌)の違い
日本酒と焼酎は、発酵微生物が違います。
とはいっても、どちらも麹菌を使うよ!麹菌の種類が微妙に違うんです。
米焼酎:黒麹菌(アワモリコウジカビ)
日本酒:黄麹菌(ニホンコウジカビ)
日本酒造りに利用される黄麹菌(ニホンコウジカビ)は、日本古来の麹菌です。
気温が高い場所や湿度の高い場所がニガテという特徴があります。
名前にも「二ホン」が入ってますね!
日本の伝統的な発酵食品である、味噌や醤油に使われるのも、この黄麹菌(ニホンコウジカビ)です。
一方、米焼酎に良く使われるのは、黒麹菌(アワモリコウジカビ)。
沖縄の泡盛作りに使われてきた菌で、クエン酸をたくさん作ってくれるという特徴があります。
クエン酸は、キリっとした味づくりに貢献してます!
さらに黒麹菌の突然変異で生まれた、白麹菌という菌も存在します。
白麹菌は黒麹菌よりもさらに、クエン酸の生成量が多いという特徴があります。
アルコール度数の違い
実際にお酒をたしなむ際には、日本酒と焼酎のアルコール度数の違いも気になるところ。
日本酒と焼酎は、どちらも酒税法によってアルコール度数が定められているため、規定を逸脱したお酒を造ることはできません。
日本酒:アルコール度数22度未満
焼酎:連続式蒸溜焼酎(甲類焼酎)の場合は36度未満、単式蒸溜焼酎(乙類焼酎)の場合は45度以下
焼酎の方がかなりアルコール度数は高いよ!
上記はあくまで酒税法上の制限で、一般的な日本酒のアルコール度数は15度前後、焼酎のアルコール度数は20度や25度が主流です。
なぜ日本酒のアルコール度数は15度前後のものが多いのか。
これは、現酒税法の前の旧酒税法が、アルコール度数16度未満までの税を同額にしていたからです。
現酒税法 | 旧酒税法 | |
---|---|---|
日本酒 | 22度未満 | 16度未満 |
焼酎 | 20度未満 | 25度未満 |
昔の酒税法の名残りで、
日本酒は15度、焼酎は25度ぐらいのものが多いのか…!
糖質量・カロリーの違い
ダイエット中の方や健康が気になる方にとって重要なのは、糖質量・カロリーの違いなのではないでしょうか?
日本酒と焼酎は、糖質量やカロリーも違います。
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」による、100gあたりのカロリーと炭水化物量は、以下のとおり。
カロリー | 炭水化物 | |
---|---|---|
純米酒 | 102kcal | 3.6g |
連続式蒸留しょうちゅう(甲類) | 203kcal | 0g |
単式蒸留しょうちゅう(乙類) | 144kcal | 0g |
カロリーは焼酎のほうが高いですが、炭水化物(糖質)は日本酒のほうが高めです。
糖質制限ダイエット中の方は、日本酒よりも焼酎のほうがおすすめです。
焼酎を選ぶなら、連続式蒸留の甲類焼酎よりも、単式蒸留の乙類焼酎・本格焼酎のほうが、カロリーがかなり低くなる点もポイントです。
単式蒸留のお酒
モルトウイスキー
テキーラ
コニャック(ブランデー)
乙類焼酎(芋、麦、米などの本格焼酎)
泡盛など
連続式蒸留のお酒
グレーン・ウイスキー
アルマニャック(ブランデー)
甲類焼酎
バーボン・ウイスキー(※商品による)
ウォッカ(※商品による)など
甲類焼酎と乙類焼酎で、カロリーが約半分になるのもおもしろいですね。
味や風味の違い
日本酒と焼酎は、そもそも味や風味が全く違います。
日本酒 | 焼酎 | |
---|---|---|
甘み・まろやかさ | 強い | 弱い |
すっきり感 | 弱い | 強い |
アルコール | 弱い | 強い |
もちろん、日本酒の中にはすっきりした雑味の弱いものもありますし、焼酎の中にも日本酒を彷彿とさせるような芳醇な香りがするものもあるので、お酒の種類に関わらず、いろいろ飲んでみて、自分好みのお酒を見つけてみましょう。
日本酒が好きな人におすすめの米焼酎1:吟香鳥飼(熊本県)
吟香鳥飼は、フルーティーな味わいや芳醇な香りが特徴の米焼酎。
上品な味わいでロックで飲むのが人気の銘柄。
\日本酒が好きで、焼酎に挑戦してみたい方向け(*´▽`*)/
あれだ!吟香鳥飼だ!
— 藤光JUN@上越Uターン民 (@Tohkou_Jun) January 27, 2021
昔焼酎にハマっていた時期があって、でもやっぱり日本酒が好きで「そんなのないですか?」って酒屋に聞いたら「吟香鳥飼」をお勧めしてくれた。
スッキリした日本酒みたいで、何にでも合うお酒でした。似ている。#吟香鳥飼
日本酒の吟醸酒っぽいと言われることが多いんだって。
日本酒が好きな人におすすめの米焼酎2:白岳KAORU(熊本県)
白岳KAORUは、香りがフルーティーで日本酒好きにも人気の米焼酎。
ソーダ割にレモンを添えたり、ロックで飲むのが人気。
\日本酒が好きで、焼酎に挑戦してみたい方向け(*´▽`*)/
白岳は、酵母を変えて発酵させた「銀しろ」や、樽でしっかい熟成させた「金しろ」などなど、ラインナップがすごいんです。飲み比べしたらおもしろいかも?
飲み方・楽しみ方の違い
日本酒と焼酎は、飲み方・楽しみ方にも違いがあります。
例えば、日本酒はそのままストレートで飲むのが一般的。
お水やお湯、ソーダ水を追加して飲むケースはあまりありませんが、その一方で温度を変えて楽しみます。
キンキンに冷やして雪冷え、花冷え(冷酒)で飲んだり、冷や(常温)で飲んだり、ぬる燗や熱燗にして飲んだりと、温度を変えるだけで味が大きく変わります。
一方、焼酎はそのままロックで飲むこともありますが、水割りやソーダ割りにして飲むことのほうが多いようです。
カクテルのアルコールとしてよく使われるのも焼酎で、定番のチューハイのベースとしても利用されます。
日本酒 | 焼酎 | |
---|---|---|
飲み方 | ストレートが一般的 | 割って飲むのが一般的 |
楽しみ方 | 銘柄ごとの特徴の違いを楽しむ (酒造、米の種類、菌の種類など) 温度の違いによる変化を楽しむ (冷酒、冷や、ぬる燗、熱燗など) | 原料に由来する香りの違いを楽しむ(米、麦、いも、黒糖など) 割るものを変えて楽しむ (水、お湯、炭酸、ジュースなど) |
日本酒は冬でも熱燗よりも、ぬる燗が好きかも…笑
焼酎と日本酒、この場合に飲むのはどっち?
よくある質問のケース別に、おすすめのお酒を整理してみました。
一つずつ見ていきましょう。
次の日は重要な仕事…二日酔いしにくいのはどっち?
二日酔いしにくいのは、焼酎です。
一般的に醸造酒である日本酒よりも、蒸留酒である焼酎のほうが翌日にアルコールが残りにくいと言われています。
これは、日本酒のほうがアルコール以外の成分が多く、アルコールの分解速度を遅らせてしまう可能性が高いから。
日本酒はアルコール以外にもアミノ酸や糖、ビタミンや食物繊維など多くの栄養素が混ざっていますが、焼酎はこれらの栄養素があまり含まれません。
そのため、焼酎のほうが代謝や分解が単純で早いという特徴があります。
二日酔いは絶対にできない!という日は、焼酎をさらにソーダ水や水、お湯でうすめてアルコール度数を減らしましょう。
ダイエット&減量中!太りやすいのはどっち?
アルコールの過剰摂取は、日本酒にしろ、焼酎にしろ、脂肪を増やす原因になります。
ダイエット中はお酒を控えるか、日本酒・焼酎に関わらず、1日のアルコール摂取量25gを守りましょう。
厚生労働省「e-ヘルスネット」のホームページ(※1)では、アルコールの過剰摂取は、肥満を引き起こすと注意喚起しています。
過度のアルコール摂取は肥満や高血圧を引き起こすため、適量にとどめたほうがよいでしょう。
(※1)アルコールと脂質異常症|厚生労働省「e-ヘルスネット」
具体的なアルコールの1日の摂取量は、25g/日まで。
アルコール25gを日本酒と焼酎の量で計算すると、日本酒なら約200ml、単式蒸留焼酎なら約120mlです。
肥満を防ぐ1日のアルコール摂取量の目安
日本酒=約200ml
焼酎=約120ml
日本酒1合は180mlだから、1合強ぐらいですね…。
日本酒100mlのアルコール量:12.3g
(※1)日本食品標準成分表2020年版(八訂)
連続式蒸留焼酎100mlのアルコール量:29.0g
単式蒸留焼酎100mlのアルコール量:20.5g
ぱっとみでは日本酒の方がたくさん飲めるように見えますが、焼酎は水やお湯、炭酸などで割って飲むことが多いため、これだけでは単純計算ができません。
もし、焼酎:炭酸=1:1で割って飲む場合は、日本酒よりも焼酎のほうがアルコール摂取量は少なくなります。
さらにアルコール以外に肥満の元となるのが、糖質です。
焼酎は糖質ゼロであるのに対し、日本酒は100g中3g程度が含まれるので注意が必要です。
ダイエット中は、日本酒ならOK、焼酎ならOKとは言えません…笑 どちらにしても飲酒はほどほどにして、1日のアルコール摂取量25gを守りましょう。
健康長寿を目指せ!体にいいのはどっち?
日本酒と焼酎は飲みすぎなければ、どちらも健康や美容によい成分が多くふくまれていて、健康長寿を後押しするとの報告があります。
ざっと整理すると、こんな感じ!
日本酒 | 焼酎 | |
---|---|---|
有効成分 | ペプチド・アミノ酸・麹成分・フェルラ酸など | 脂肪酸エチルエステル類・ポリフェノールなど |
期待される機能性・健康美容効果 | 肝臓病予防、糖尿病予防、がん予防、美肌効果、老化防止、ストレス低下など | 血栓の溶解、動脈硬化防止など |
まだ研究中の分野ではありますが、約12万人の40歳から54歳の男性について、17年間追跡調査をしたところ、日本酒を飲む人は全く飲まない人に比べて、がんのリスクが低いとの報告(※10)もあり、日本酒の有効成分の機能性は、近年注目されています。
焼酎については、ヒトが持っている血栓を溶かす酵素「アルテプラーゼ(tPA)」や「ウロキナーゼ(uPA)」の活性を高めるという報告(※4、※5)も。
焼酎を飲む人は、飲まない人に比べて、酵素の活性が約2.4倍以上になるというから驚きです。
日本酒も焼酎も飲みすぎなければ、健康長寿を手助けしてくれる可能性があるかも!
焼酎と日本酒の共通点
焼酎と日本酒は、多くの違いがありました。
しかし共通点もないわけではありません。
一つずつ見ていきましょう。
どちらも「麹菌」と「酵母」を使う
日本酒と焼酎の共通点のひとつに、「麹菌」と「酵母」という2つの微生物を活用している点が挙げられます。
日本酒
1:米に含まれるでんぷんを麹菌が分解し、酵母のエサとなる糖分を作る
2:酵母がアルコールを作る
米焼酎
1:米に含まれるでんぷんを麹菌が分解し、酵母のエサとなる糖分を作る
2:酵母がアルコールを作る
3:麹菌と酵母が作ったもろみを蒸留して、さらにアルコール濃度を高める
実はこれは日本の酒造りの特徴のひとつで、海外で作られるワインやビール、ウイスキーなどの酒類には見られません。
どちらも「国酒」である
国家戦略推進プロジェクト「ENJOY JAPANESE KOKUSHU(國酒を楽しもう)(※11)」で、日本酒と焼酎はともに「国酒」に分類されています。
国酒=日本酒、本格焼酎・泡盛、本みりんを指す日本の歴史文化を代表するお酒のこと
日本を代表する花という意味の国花が桜や菊を指し、日本を代表する鳥という意味の国鳥が「キジ」を指すように、実は国酒として、日本酒、本格焼酎、泡盛、本みりんの4つが選ばれています
日本酒、本格焼酎、泡盛、本みりんの共通点は、日本の国菌である「麹菌」が使われていること。
国菌=麹菌
味噌や醤油などの日本の発酵食品に欠かせない麹菌を使ったお酒は、日本独特の文化として守られ、推進されている存在なのです。
どちらも7~8割の人が「自宅」で飲んでいる
日本酒と焼酎は、どちらも7~8割の人が「自宅」で飲んでいるという調査結果(※12、※13)があります。
どちらも日本人の食卓に欠かせない人気のお酒であることがわかります。
いろんな日本酒を少しずつ飲み比べしたい人向けのサブスクサービスなどもどんどん生まれています。自宅飲みが楽しくなりそう!
\お酒は自宅で飲む派の方におすすめ(*´▽`*)/
まとめ:焼酎と日本酒の違いを発酵のプロが解説!
焼酎と日本酒の違いで、いちばん大きいポイントは製造方法です。
日本酒は醸造酒に、焼酎は蒸留酒に分類されます。
日本酒は、お米に含まれるでんぷんを麹菌の力で糖化させ、できた糖分をエサに酵母が発酵し、アルコールを作ります。
バラエティ豊かな香りや個性的な味が楽しめるという特徴があります。
一方、焼酎は、米・芋・麦などの穀類やいも類を酵母の力で発酵させて、もろみを作りますが、まだ終わりません。
もろみを蒸発させて、透明な液体にします。残るのは、原料に由来する香味とアルコールだけ。
他にもこんな違いがあります。
最近はどちらもその機能性や健康・美容効果が注目され、話題になることも多いみたい!
どちらも機能性が高く、これからの研究が期待できるアルコール飲料です。
違いはたくさんあるものの、国菌である麹菌を使っているという共通点があり、実はどちらも日本独自の国酒です。
参考にしてみてね。
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参考文献
(※1)日本食品標準成分表2020年版(八訂)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
(※2)アルコールと脂質異常症|厚生労働省「e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-014.html
(※3)焼酎の香り成分が有する新規機能性|日本醸造協会
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2030871696.pdf
(※4)血液の流れと健康―本格焼酎の機能性
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/98/6/98_6_392/_pdf/-char/en
(※5)医師が健康維持におすすめするお酒、第1位は「本格焼酎」|霧島酒造
https://www.kirishima.co.jp/news/2021030401.html
(※6)清酒および醸造副産物の機能性
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan/110/4/110_198/_pdf
(※7)日本酒の旨み成分が保湿効果をもたらす
https://kitnet.jp/backup/article/31/a31.html
(※8)お酒の健康効果と機能性アルコール飲料
https://kitasangyo.com/pdf/e-academy/tips-for-bfd/BT_7.pdf
(※9)Pulse Pressure is a Stronger Predictor Than Systolic Blood Pressure for Severe Eye Diseases in Diabetes Mellitus
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/JAHA.118.010627
(※10)Overt Proteinuria, Moderately Reduced eGFR and Their Combination Are Predictive of Severe Diabetic Retinopathy or Diabetic Macular Edema in Diabetes
https://iovs.arvojournals.org/article.aspx?articleid=2737136
(※11)日本酒・焼酎の国家戦略推進プロジェクトの立ち上げについて |内閣官房
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/npu/policy04/pdf/20120511/kokushu.pdf
(※12)焼酎の飲用に関するアンケート調査(第7回)|マイボスコム
https://myel.myvoice.jp/products/detail.php?product_id=28701
(※13)日本酒の飲用に関するアンケート調査(第7回)|マイボスコム
https://myel.myvoice.jp/products/detail.php?product_id=28301