


ザワークラウトが茶色くなっちゃった…これって失敗?いつまでたっても塩辛いままで酸っぱくならない…これって失敗?
今回は、こんな疑問にお答えします。
・ザワークラウトの失敗と成功は、乳酸菌の働き次第
・色、気泡、におい、味を総合すればかんたんに見分けられる
・ザワークラウトを手作りする時に大事なことは、空気に触れないようにすることと塩分の量
ザワークラウトは、特別な材料がなくてもキャベツと塩さえあれば、手軽に手づくりできる発酵食品のひとつ。
シンプルであるがゆえに、なにが正解なのか分かりにくいのも事実です。
特に発酵食品の「発酵」状態と「腐敗」状態は紙一重。
「腐敗してしまった!」と思っても、実はその個性的なザワークラウトのほうが、乳酸菌がどんどん増殖していて、大成功であることも少なくないのです。
そこで今回は、ザワークラウトはどういう状態が失敗なのか、その見分け方を解説します。失敗しないための初心者向けのコツも合わせて整理してみましょう。



発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。
ザワークラウト、これって失敗?
ザワークラウトの良くある失敗例は以下のとおりです。
失敗例➁ 【色】キャベツの色が緑色のままかわらない
失敗例➂ 【気泡】漬け込んだ汁の色が透明のまま、気泡が出ない
失敗例➃ 【におい】サワークラウトが糸をひいて、納豆臭がする
失敗例➄ 【味】塩辛いだけで、酸っぱくならない



失敗例➀ 【色】キャベツの色が茶色くなった
ザワークラウトの失敗例の1つ目は、キャベツの色が茶色くなった場合です。
実はこの、「茶色」というのは、なかなか判断が難しいのが正直なところ。
なぜなら、茶色は度合いによっては大成功である可能性もあるからです。
ザワークラウトは、塩をもみ込んで放置し3日ほどたつと、キャベツの葉についた乳酸菌が乳酸発酵をします。
すると、キャベツからぶくぶくと小さい泡(気泡)が出て、発酵液の水分も白っぽくなるのです。
そして、そのまま放置すれば、キャベツ自体の色もキレイな緑色から黄色っぽい色に変わっていきます。



閃光のキャラウェイ
ザワークラウト編 pic.twitter.com/9DNAiEinPq— 水上燈夜🎐 (@1o8_sn0w_2hite_) June 20, 2022



でも、このキャベツの色が黒に近い茶色だったり、どろどろしていたり、腐敗臭がしている場合は、明らかな失敗です。
ザワークラウトがいい感じに酸っぱくなってきてます。ぷくぷく気泡が愛しいです。よしよし。 pic.twitter.com/HZwoM6lDCs
— vegeMoko (@vegeMoko1) March 17, 2019



失敗例➁ 【色】キャベツの色が緑色のままかわらない
ザワークラウトの失敗例の2つ目は、キャベツの色が緑色のままかわらない場合です。
本来は乳酸発酵によって、気泡が出てきて、キャベツの鮮やかな緑色が少しずつ薄く(白く)なっていき、もうしばらくたつと黄色や薄い茶色に変わります。
↓
気泡が確認でき、白っぽくなる
↓
黄色(黄金色)っぽくなる
白っぽくなるまでの期間は、季節や環境にもよるので一概には言えませんが、大体2~3日で様子が変わってくるのが普通です。
3日経っても、4日経っても、全く色が変わらず緑色のままで、気泡も出てこないのであれば、そのキャベツには乳酸菌がほとんどついておらず、発酵が進んでいない可能性が高いです。



失敗例➂ 【気泡】漬け込んだ汁の色が透明のまま、気泡が出ない
ザワークラウトの失敗例の3つ目は、気泡がでない場合です。
これも失敗例➁の緑色のキャベツのままのケースと同様、キャベツを漬け込んだ状態から何も変化がないタイプの失敗です。
発酵が始まると、乳酸菌は乳酸はもちろん、炭酸ガスやアルコールも作り出します。
主に炭酸ガスが気泡となり、観察できてあたりまえなのですが、そもそも乳酸菌がいなければ、変化が起こりません。
発酵液も最初は無色透明ですが、少しずつ白くなっていくのが普通です。



水気は出てるけど気泡が出ないな、、、
今回の乳酸キャベツは色が二層。 pic.twitter.com/ijVzQD4EvZ— ゆうき (@uuuki_yp) February 19, 2021
失敗例➃ 【におい】ザワークラウトが糸をひいて、納豆臭がする
ザワークラウトの失敗例の4つ目は、糸をひいて、納豆臭がする場合です。
これは明らかな失敗であることがわかるでしょう。
糸をひいて、納豆臭がするのであれば、可能性として大きいのは納豆菌が入ってしまったケースです。
納豆が大好きで常に買い置きしているケースだと、ザワークラウトを作るのに使ったボールや箸、キャベツを千切りにするために使ったまな板や包丁などに納豆菌がついていた可能性が否定できません。
雑菌が入ってしまったのは確実ですが、その中でも納豆菌の仕業である可能性が大きいでしょう。
この場合はもう食べられませんので、残念ですが廃棄しましょう。



また、納豆菌ならまだなじみがあるのですが、もっと違和感のある「雑巾のにおい」がする場合もなんらかの雑菌が入り込んでしまっています。
失敗例➄ 【味】塩辛いだけで、酸っぱくならない
ザワークラウトの失敗例の5つ目は、塩辛いだけで、酸っぱくならない場合です。
これもキャベツが緑のまま変わらないケースや、気泡が出てこないケースと同じ、発酵菌がきちんと働いていない(=乳酸菌がいないか少ない)場合の失敗です。
酸っぱくならないということは、「酸」が少ないということ。
ザワークラウトにあるはずの「酸」とは、乳酸菌が作る「乳酸」です。



キャベツを発酵させる際の塩の分量はとても大事で、少なすぎると雑菌が繁殖しやすくなりますし、多すぎると乳酸菌が弱くなってしまいます。
なぜなら、基本的に微生物は塩が苦手だからです。
塩が少なすぎる=乳酸菌は働きやすいが、雑菌が寄り付きやすい



味については、苦みがあったり、舌がしびれるような酸味を感じたりしたら、何かしらの異変が起きているので、絶対に食べないでください。
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準備編!失敗しないザワークラウト作りのコツ3選
ザワークラウト作りに失敗しないためには、以下の2点の工程のポイントをきちんと抑えることが重要です。
工程➁ 材料と道具のセッティング
まずは、材料と道具の準備から確認しましょう。コツは次の3つです。
コツ➁ キャベツは洗わない
コツ➂ まな板や瓶などの道具はすべて煮沸消毒をする
一つずつ見ていきましょう。
コツ➀ 傷んでいない新鮮なキャベツを使う
材料と道具の準備の中で大事なコツの1つ目は、傷んでいない新鮮なキャベツを使うことです。
ザワークラウトは、キャベツと塩だけで作るシンプルな発酵食品なので、キャベツに住んでいる乳酸菌の量や質が、成功と失敗に大きく関係します。
例えば、使ってはいけないのはこんなキャベツです。
・古いキャベツ→雑菌がついているかも?
・科学的な消毒がされているキャベツ→乳酸菌がいないかも?
ザワークラウトを作るときにおすすめなのは、春キャベツです。
=別名:新キャベツ
=やや小さくて丸い
=色が鮮やか
=葉と葉の間隔があいていて、ふわっとしている
=水分が多い
=別名:寒玉
=大きくて、楕円形
=色は黄緑色
=実が詰まっていて、葉と葉の間に隙間がない
=水分が少ない
春キャベツはふわっとしていて、とても葉がやわらかいので、ザワークラウトのようなシンプルな食べ方をするだけでも、おいしく食べられます。
また、葉と葉の間隔があいていて、ふわっとしているので乳酸菌も住み着きやすく、水分が多いので発酵液も十分にとれ、腐りにくいという特徴があります。



【乳酸キャベツ】
別名を発酵キャベツ
言ってみれば、キャベツの塩漬け材料はキャベツとお塩だけ✨
お塩は自然塩を強くオススメ🧂4~7日ほど常温保存で完成🥢
完成後は要冷蔵で1か月間の日持ち
画像は春キャベツで仕込んだもの🌸 pic.twitter.com/Y0b6ZYQeCb
— とあい❤️ボタニカル生活 (@Girly_Woman_) March 11, 2021



新キャベツは、3月後半から5月頃まで市場に出回ります。もしその時期にザワークラウトを作るなら、ぜひ新キャベツにも挑戦してみてください。
コツ➁ キャベツは洗わない
材料と道具の準備の中で大事なコツの2つ目は、材料のキャベツを洗わないことです。
いくら新鮮なキャベツが手に入っても、洗いすぎてしまうと乳酸菌は減ってしまいます。
いちばん良いのは、外の葉を2枚程度とって、中身をそのまま洗わずに千切りにする方法です。
この方法なら乳酸菌を活かしつつ、雑菌も少ないため、ザワークラウト作りが順調に進む可能性が高まります。
コツ➂ まな板や瓶などの道具はすべて煮沸消毒をする
材料と道具の準備の中で大事なコツの3つ目は、まな板や瓶などの道具はすべて煮沸消毒をすることです。



キャベツを洗う容器やボール、千切りにする際のまな板や包丁はもちろん、仕込みの際に使うガラス瓶も消毒が必要です。
また、もちろん自分の手も十分にアルコール消毒をしてから、ザワークラウト作りにとりかかりましょう。
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発酵編!失敗しないザワークラウト作りのコツ3選
材料と道具の準備が整ったら、次は発酵のためのセッティングです。コツは次の3つです。
コツ➁ 塩分量は厳密に測る(多すぎ・少なすぎはNG)
コツ➂ 発酵が弱い場合は葉っぱを後から投入する
一つずつ見ていきましょう。
コツ➀ 発酵液にきちんと浸す
材料と道具のセッティングの中で大事なコツの1つ目は、キャベツ全体を発酵液にきちんと浸すことです。
なぜなら、乳酸菌は空気が嫌いな「嫌気性」の菌だからです。
そのため、空気に触れている場所が多いと発酵が順調に進みません。



まずは、水分がキャベツ全体を覆う状態にすることを目指しましょう。
どうしても水分が足りない時は、塩分濃度2%の水溶液を作って追加する方法もあります。
また、ザワークラウト作りの初心者の方は、キャベツを保存する入れ物をビンではなく、ジップロックなどのジップ付き保存袋にするのも、失敗を少なくします。
ジップ付き保存袋は、変形させることができるので、重しをのせるなどの工夫をすれば発酵液にキャベツをしっかり浸すのがかんたんです。
大量に作る時には向いていませんが、一人暮らしの方なんかは、ジップ付き保存袋のほうが使い勝手が良いかも?
発酵中はジップ付き保存袋を使い、出来上がってからビンに詰め変える方法も有効です。
ザワークラウト、押し込んでも気泡がほぼ出なくなったので発酵完了かな?
再度よく押し込んで圧縮し、蓋を固く閉じて冷蔵庫へこれでうまくいくと一年以上もつ pic.twitter.com/RVES006lkt
— カートン箱 (@Kouji_mold) May 9, 2022
コツ➁ 塩分量は厳密に測る(多すぎ・少なすぎはNG)
材料と道具のセッティングの中で大事なコツの2つ目は、塩分量は厳密に測ることです。
発酵食品において、塩分量はとても大切です。
なぜなら菌は塩が苦手なため、雑菌を防ぐことができるから。
しかし、ザワークラウト作りに大切な乳酸菌も同じ菌なので、塩が多すぎると今度は乳酸菌が働けなくなります。
乳酸菌が発酵しにくい塩分濃度:約3%
乳酸菌は塩分濃度3%の環境になると、発酵活動がしにくくなるので、雑菌を防ぐ2%程度をキープする必要があります。



雑菌があまりいない環境(寒い地域や季節など)では、もう少し低めの塩分濃度でも成功しやすいので、環境によって調整が必要です。
コツ➂ 発酵が弱い場合は葉っぱを後から投入する
材料と道具のセッティングの中で大事なコツの3つ目は、発酵が弱い場合は葉っぱを後から投入することです。
空気や塩分をうまく調整して乳酸菌の発酵がはじまればよいのですが、なかなか発酵活動がはじまらない(キャベツは緑のまま、気泡もでない…など)場合は、いちばん上に入れるキャベツの葉を交換して、乳酸菌を新たに投入するという方法もあります。
何もしなくても問題なく発酵する場合は、そのままでも問題ありませんが、なかなか発酵がはじまらない場合は、ぜひためしてみてください。
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ザワークラウト作りの良くある質問
ザワークラウト作りで良くある質問をまとめました。
質問➁ ザワークラウトづくりに失敗!酢を入れてもいい?
一つずつ見ていきましょう。
質問➀ 市販のキャベツの千切りでもザワークラウトはできる?
キャベツの千切りは、とても時間がかかる工程です。
そのため、スーパーやコンビニで売っている既にカット済みの商品を使うことで時短が可能…と思っても不思議ではありません。
しかし、市販のキャベツの千切りを使うと、発酵しない可能性があるため、おすすめではありません。



質問➁ ザワークラウト作りに失敗!酢を入れてもいい?
キャベツと塩だけで作るザワークラウトや乳酸キャベツは、乳酸菌の力を使って発酵させた発酵食品です。
一方、キャベツと酢と砂糖と塩で作る酢キャベツは、発酵食品である酢を使ったお惣菜であり、厳密にいうと発酵食品かどうかは微妙なところです。
もちろんお酢を入れて、酢キャベツとして食べるのもありではあるのですが、ザワークラウトとは別の料理になるということは覚えておいた方がよさそうです。
まとめ:ザワークラウト、これって失敗?!見分け方と失敗しないコツ
ザワークラウトの良くある失敗例は以下のとおりです。
失敗例➁ 【色】キャベツの色が緑色のままかわらない
失敗例➂ 【気泡】漬け込んだ汁の色が透明のまま、気泡が出ない
失敗例➃ 【におい】サワークラウトが糸をひいて、納豆臭がする
失敗例➄ 【味】塩辛いだけで、酸っぱくならない
ザワークラウトの失敗と成功は、主に「色」「気泡」「におい」「味」を観察して判断することができますが、大きく失敗の原因を分けると、「乳酸菌が働かない場合」と「雑菌が入ってしまった場合」の2つに分けられます。
これらの失敗をしないためには、以下の2点の工程のポイントをきちんと抑えることが重要です。
工程➁ 材料と道具のセッティング
材料と道具の準備のコツは、以下の3つです。
コツ➁ キャベツは洗わない
コツ➂ まな板や瓶などの道具はすべて煮沸消毒をする
材料と道具のセッティングのコツは、以下の3つです。
コツ➁ 塩分量は厳密に測る(多すぎ・少なすぎはNG)
コツ➂ 発酵が弱い場合は葉っぱを後から投入する
ぜひコツを抑えて、ザワークラウトの手づくりに挑戦してみてください。
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