【この記事で解決できるお悩み】
・らっきょうの食べ過ぎは、体に悪い?
・らっきょうは、一日何個までなら大丈夫?
・らっきょうのおすすめの食べ方と効果効能もおしえて!
この記事では、こんなお悩みを解決します!
カレーの付け合わせとして、大人気の「らっきょう」。
ぽりぽり食べやすいだけでなく、お酢を使ったヘルシーなお漬物という健康イメージも相まって、あればあるだけ食べてしまう「らっきょう大好きっ子」も多いようです。
もちろんらっきょうにはよい栄養素もたっぷり含まれています。
しかし、ネット上では食べすぎると体に悪いというウワサもチラホラ…。
そこで今回は、らっきょうの食べすぎリスクについて、徹底解説!
栄養成分・効果効能を活かすおすすめの食べ方も整理してみました。
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この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
らっきょうを食べすぎたらどうなる?
どんな食べ物でも、食べすぎはリスクが伴います。
それは、健康的なイメージがあるらっきょうだって、もちろん同じ。
らっきょうを食べすぎた場合に考えられる悪影響は、以下のとおり。
一つずつ見ていきましょう。
腹痛・胃もたれ・下痢になる
らっきょうを食べすぎると、腹痛・胃もたれ・下痢になる可能性があります。
これは、らっきょうに含まれる「硫化アリル」というにおいの成分の影響です。
硫化アリル
=ユリ科の植物に含まれるにおいの成分
=殺菌作用がある
=消化液の分泌を助けて、消化を促進する
=ビタミンB1の吸収と活性化を促す
=血液をさらさらにして、動脈硬化を予防する
=有害な活性酸素を除去する
硫化アリルには強い殺菌作用があり、食べ過ぎると胃の粘膜を荒らしてしまう可能性があります。
これが原因で、胃もたれや腹痛、下痢を引き起こす可能性があります。
普段は消化を助けてくれる硫化アリルだけど、食べすぎは危険…!
便秘になる
らっきょうを食べすぎると、便秘になる可能性があります。
これは、らっきょうに含まれる「フルクタン」という水溶性食物繊維の影響です。
フルクタン
=フルクトースが結合してできる高分子多糖
=近年話題の腸活成分「イヌリン」もフルクタンの一種
フルクタンは、本来は腸内環境を改善してくれる良い食物繊維なのですが、大量に摂取すると消化不良になったり、腸内細菌のバランスを悪くしてしまう可能性があります。
腸はデリケートなので、大きなバランスの変化で便秘になることはあり得ないことではありません。便秘ではなく、下痢や腹痛に繋がる人もいるよ。
口臭・体臭がくさくなる
らっきょうを食べすぎると、口臭や体臭がくさくなる可能性があります。
これは、らっきょうに含まれる「硫化アリル」という成分の中でも、「アリイン」と呼ばれる成分の影響です。
「硫化アリル」って、実はいろんな種類の成分の総称なんです。
【口臭・体臭のもとができるまで】
1:「アリイン」が酵素「アリイナーゼ」によって分解され、「アリシン」ができる
2:「アリシン」が「ジアリルジスルフィド」という口臭のもとになるにおい成分に変化する
3:さらに「ジアリルジスルフィド」が体内で代謝され、「アリルメチルスルフィド」という不快臭に変化する
らっきょうを食べた段階ではそこまでにおいを感じなくても、体内で代謝される過程でどんどん臭くなってしまう可能性が…食べすぎ注意ですね…。
おなら・ガスがでる
らっきょうを食べすぎると、おなら・ガスが大量発生する可能性があります。
これはらっきょうに含まれる「フルクタン」という水溶性食物繊維によって、腸の働きが活発になったことに関係しています。
活発になるだけであれば、腸にとってもよい影響である可能性が高いのですが、今まであまり腸が動いておらず腸に老廃物が溜まっている人は、急な腸内細菌の発酵活動でガスが発生しやすく、またそれが臭いおならになって放出される可能性があります。
「フルクタン」と「アリルメチルスルフィド」のダブル効果でものすごく臭いおならが発生しちゃうことも…笑
塩分&糖分の摂りすぎになる
らっきょうを食べすぎると、塩分&糖分の摂りすぎになる可能性があります。
らっきょうのよくある調理法と言えば、甘酢漬け。カレーの付け合わせに出てくるのも、この甘酢漬けです。
甘酢漬けは、酢と砂糖と塩が入っている液体にらっきょうを漬けるのが一般的です。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)(※1)によると、100gあたりのらっきょうの甘酢漬けには、食塩が1.9g、糖質が含まれた炭水化物が29.4gが含まれています。
同じようにらっきょうの甘酢漬けに似ている、きゅうりのピクルススイート型の栄養素と比較してみると、以下のとおり。
らっきょうの甘酢漬け | きゅうりのピクルス (スイート型) | |
---|---|---|
カロリー | 117kcal | 70kcal |
たんぱく質 | 0.4g | 0.3g |
脂質 | 0.3g | 0.1g |
炭水化物 | 29.4g | 18.3g |
食塩相当量 | 1.9g | 1.1g |
甘めに味付けたきゅうりのピクルスとらっきょうの甘酢漬けを比べた場合、カロリーも食塩も糖類もすべて、らっきょうの甘酢漬けのほうが量が多いのです。
うおー。これは意外…!ばくばく食べていると、塩分や糖分の摂りすぎになる可能性もありそうだぞ…。
日本人の食塩摂取量の平均値と目標摂取量は以下の通り。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
平均摂取量 | 10.8g/日 | 9.2g/日 |
目標値(厚生労働省) | 7.5g/日 | 6.5g/日 |
目標値(WHO) | 5.0g/日 | 5.0g/日 |
世界保健機関 (World Health Organization: WHO)が推奨する1日の食塩摂取量を目標値にすると、らっきょうの甘酢漬けも食べ過ぎれば危険です。
さすがに1回に100gも食べる人はいないと思うけど、福神漬けとらっきょうが食べ放題のカレー屋さんで山盛りにしている人、いるもんなぁ…。笑
高血圧のリスクを上げるってホント?
らっきょうの甘酢漬けを食べたからといって、すぐに高血圧のリスクを上げるわけではありません。
でも、前述したようにらっきょうの甘酢漬けによる塩分の摂取量は案外多く、継続的に食べすぎれは塩分の摂りすぎになる可能性があります。
らっきょう(大粒)が10gだとすると、1日の目標値である5gの半分以上をらっきょう10粒だけで占めてしまう計算になります。
血圧の上昇に影響する可能性もゼロではないでしょう。
うちの母がめちゃくちゃらっきょうが好きなんです。10粒くらいはパクパクと毎回食べちゃっているので、教えてあげよ…笑
太る・ダイエット時はダメってホント?
らっきょうの甘酢漬けを食べたからといって、すぐに体重や体脂肪が増えるわけではありません。
でもこちらも塩分同様、注意が必要。
消費者庁が作成した栄養素等表示基準値2015(※5)によると、1日あたりの炭水化物の目標摂取量は320gです。
1回の食事でらっきょうの甘酢漬けの大10粒を食べると、それだけで約30gの炭水化物を摂取してしまいます。
らっきょうだけで30g/320gかぁ…やっぱりちょっともったいないような…。笑
らっきょうの甘酢漬けはおいしいですが、くれぐれも食べすぎないようにしましょう。
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らっきょうは一日何個まで?
らっきょうの甘酢漬けは、意外に塩分や糖分が多いことがわかりました。
食べ過ぎると体に悪影響がある可能性もあります。では、一日何個までなら適量の範囲内なのでしょうか?
一日の摂取量の目安
らっきょうは塩分や糖分の摂取量から計算すると、1日3~4粒くらいがよさそうです。
1日3~4粒
=塩分:0.2g程度まで
=炭水化物:10g程度まで
他にもいろんな食べ物を食べたほうが全体のバランスが良くなるので、いくららっきょうが体に良いと言っても、大量にバク食いするのはやめましょう。
あくまでもカレーの付け合わせ程度で抑えておくほうが、全体の食事のバランスを考えると安心です。
らっきょうに含まれる注目の成分
らっきょうは食べ過ぎなければ、わたしたちの健康や美容を守ってくれる注目の成分がたくさん含まれた野菜です。
ここからは効果効能が期待できる、注目の成分をご紹介します。
一つずつ見ていきましょう。
硫化アリル(アリシン)
硫化アリル(アリシン)は、摂りすぎると腹痛・胃もたれ・下痢・便秘・口臭・体臭の原因になりますが、適量であれば代謝を良くして、ダイエット効果を高めてくれたり、生活習慣病の予防をしてくれる成分です。
【メリット】
・消化液の分泌を助けて、消化を促進する
・ビタミンB1の吸収と活性化を促す(代謝を促す)
・血液をさらさらにして、動脈硬化を予防する
・有害な活性酸素を除去する
ビタミンB1は、糖質の代謝に関わるビタミンで、とったエネルギーを効率よく代謝することができます。
ビタミンB1が含まれる食べ物ととると、よりメリットが受けられるかも!
【ビタミンB1と硫化アリルの組み合わせ食】
豚肉カレーとらっきょうの甘酢漬け
ガーリック玄米チャーハン
ネギをたっぷりまいた豚しゃぶ
たまねぎと昆布のお味噌汁 など
硫化アリルは、らっきょうのほか、にんにく、ねぎ、ニラ、たまねぎなどにも多く含まれています。
フルクタン
フルクタンは、摂りすぎると便秘や腹痛の原因になりますが、適量であれば腸内環境を整えて、体の調子を維持してくれる食物繊維です。
【メリット】
・食後の血糖値の上昇を抑える
・コレステロール値の上昇を抑える
仁愛大学(※6)によると、フルクタンは血糖値の上昇を抑えたり、コレステロール値の上昇を抑えることが報告されています。
血糖値が気になる方は、食物繊維を食事中にたくさんとりましょう!
らっきょうの効果効能
らっきょうは漢方薬としても使われるほど、効果効能が注目されている植物です。
生薬名:薤白(ガイハク)
薬効と用途:
胸痛症状を治す=心臓病や心臓喘息、気管支炎など
感染性の腹痛、下痢、胃もたれを治す
らっきょうの効果効能は、以下のとおりです。
一つずつ見ていきましょう。
消化促進
らっきょうに含まれるアリシンは、消化を助ける効果があります。
疲労回復
らっきょうに含まれる硫化アリルは、ビタミンB1の働きを高めます。
二日酔い予防
らっきょうに含まれるナイアシンは、アルコールを肝臓で無毒成分に分解します。
アルコールの分解をスムーズに行い、吐き気や頭痛などの二日酔いの症状を予防することができます。
むくみ予防
らっきょうに含まれるカリウムは、ナトリウムと一緒に体内の細胞の浸透圧の調整や維持をしたり、余分な塩分を体の外に排出する力があります。
糖尿病予防
らっきょうに含まれるフルクタンは、血糖値の上昇を抑える働きがあります。
高血圧予防
らっきょうに含まれるカリウムは、ナトリウムと一緒に体内の細胞の浸透圧の調整や維持をしたり、余分な塩分を体の外に排出する力があります。
らっきょうのおすすめの食べ方
らっきょうは、甘酢漬け以外にもたくさんの食べ方があります。
甘酢漬けにすると塩分と糖分が一気に増えてしまうので、たまには生で食べたり、炒め物や揚げ物にして食べるのおおすすめです。
特におすすめの食べ方は、以下の2点です。
一つずつ見ていきましょう。
旬の時期は生のまま食べる
生のらっきょうには、水溶性ビタミンのビタミンCが豊富に含まれます。
ビタミンCは水溶性なので、らっきょうの甘酢漬けにしてしまうとほとんど摂取することができません。
しかし、旬の時期に生のまま食べると、ビタミンCがたっぷり摂取できるのがうれしいところ。もし新鮮な旬のらっきょうが手に入るなら、生のまま食べるのもぜひトライしてみてください。
調味液に長く漬けすぎてしまうと、水溶性のビタミンは逃げてしまうのよね…
ビタミンB1が含まれる食べ物と一緒に食べる
らっきょうに含まれる硫化アリル(アリシン)は、ビタミンB1の働きを高めます。
ビタミンB1が多い食材と一緒にとって、糖質代謝を高めましょう。
【ビタミンB1が多い食材】
豚肉
玄米
昆布
レバー
うなぎなど
特に豚肉はビタミンB1が多くて食べやすいから、豚肉とセットで食べるのが食べやすいかも…!
【ビタミンB1と硫化アリルの組み合わせ食】
豚肉カレーとらっきょうの甘酢漬け
ガーリックとらっきょうの玄米チャーハン
ネギをたっぷりまいた豚しゃぶ
たまねぎと昆布のお味噌汁 など
まとめ:らっきょうの食べ過ぎは体に悪い?一日何個まで?効果効能
どんな食べ物でも、食べすぎはリスクが伴います。
それは、健康的なイメージがあるらっきょうだって、もちろん同じ。
らっきょうを食べすぎた場合に考えられる悪影響は、以下のとおりです。
特に問題になりやすいのは、らっきょうの甘酢漬け。
らっきょうの甘酢漬けは、お酢を使ったヘルシーな漬物に見えますが、実は塩分と糖分がとても多く、大量に食べてしまうと塩分と糖分の摂りすぎになるリスクがあります。
らっきょうは塩分や糖分の摂取量から計算すると、1日3~4粒くらいまでにしておくのがおすすめです。
1日3~4粒
=塩分:0.2g程度まで
=炭水化物:10g程度まで
ただし、甘酢漬け以外に生で食べたり、炒め物にして、薄味加工を意識すれば、そんなに心配することはありません。
特におすすめの食べ方は、以下の2点です。
発酵を体系的に勉強したくなったら…
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参考文献
(※1)日本食品標準成分表2020年版(八訂)
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl
(※2)厚生労働省 (2016) “平成28年 国民健康・栄養調査結果の概要”
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/kekkagaiyou_7.pdf
(※3)厚生労働省 “「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書”
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html
(※4)Salt intake|WHO
https://www.who.int/data/gho/indicator-metadata-registry/imr-details/3082
(※5)栄養素等表示基準値2015|消費者庁
https://www.cao.go.jp/consumer/history/03/kabusoshiki/syokuhinhyouji/doc/141015_shiryou5_1.pdf
(※6)食物摂取後の血糖値上昇に及ぼすラッキョウフルクタンの影響
https://cir.nii.ac.jp/crid/1050845762715086720