【この記事で解決できるお悩み】
・醤油麹づくりが失敗かどうかの見極め方が知りたい
・パサパサ、臭い、白いカビ、甘みがないなどの失敗例から復活させる方法が知りたい
・1回で醤油麹づくりを成功させるためのコツや作り方が知りたい
この記事では、こんなお悩みを解決します!
醤油麹づくりは発酵食品づくりの初心者におすすめです。
なぜなら、発酵の基本を体感しやすく、失敗しにくいから。
発酵の途中でパサパサになったり、臭くなったり、白いカビ(?)らしきものが生えても大丈夫。ちゃんともとに戻せます。
今回は、はじめての醤油麹づくりに挑戦中の方の「醤油麹づくり、失敗したかも?!」を徹底サポート!
その醤油麹が失敗かどうかの判断の基準や、その状態から成功に戻す方法を解説します。
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この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
結論!醤油麹は失敗が少ない発酵食品。大丈夫、まだ持ち直せる!
基本的に醤油麹は失敗が少ない発酵食品だといわれています。
ただ、その真意は「発酵中にトラブルがない」という意味ではありません。
トラブル自体は多く、発酵食品を手作りしたことがない人はびっくりするかも?
しかし、発酵食品づくりに慣れている人なら、「ああ、またか」と流せるぐらいの「発酵あるある」が起こりやすい食品でもあります。
発酵菌たちの洗礼をちゃんと体感しつつも、さいごにはちゃんと成功できるのが「醤油麹づくり」のいいところなのです。
わたしも何の知識もなく、はじめて醤油麹を作った時はこんな失敗をしました!これ、醤油麹づくりあるあるです。
・水分が減り、醤油麹がパサパサになる
・あまり甘くない/おいしくない
・表面に白いカビが浮いている
・セメダイン臭がする
でも、安心してください。実はこれ、全部まだ失敗ではありません。
ここからは、今お手元にある醤油麹が失敗なのかどうかを確認してみましょう。
醤油麹の失敗の見極め方
醤油麹の失敗の見極め方は、とてもかんたん。
本当の失敗例はとても少なく、ポイントとなるのは「カビ」と「臭い」です。
そして、失敗ではないよくあるパターンは以下のとおり。
実際に醤油麹を手作りしている方の口コミを確認しながら、一つずつチェックしていきましょう。
本当の失敗例① 色のついたカビが生えている
醤油麹は、長期間放置すると色のついたカビが生えることがあります。
カビの色は、そのカビの種類によりますが、赤や黒、緑の場合はあまりよくない腐敗菌の場合が多いので注意が必要です。
黒赤緑などの色がついたカビが大量に生えた場合は、持ち直すのがとても難しいので、廃棄するのが賢明です。
醤油麹の存在を忘れて旅行に行ったり、家を数日間開けてしまうと、すごいことになっていた…という方が結構多いです。旅行の計画がある方はご注意を!無理して食べずにまたチャレンジしましょ!
本当の失敗例② 不快なほど臭い
軽いセメダイン臭やちょっと違和感があるくらいなら、よくかき混ぜてから少し様子を見たいところですが、どう考えても食べたくないほど醤油麹から不快な臭いがする場合は、迷わず廃棄しましょう。
一度「臭い」と思ってしまったら、なかなか食べられないもの。無理せず、不快な場合は廃棄することも大切です。
おなかを壊してしまっては元も子もありません。無理して臭い醤油麹を食べたりせずに、もう一度最初からトライしましょう。
失敗ではない例① 水分量が少ない(パサパサ)
醤油麹を作ると、水分量が少なくて、パサパサになってしまうことがたまにあります。
特に生麹ではなく、乾燥麹を使って醤油麹を仕込んだ場合、水分が少なくなりがちなので注意が必要です。
パサパサは改善可能!まだ失敗ではありません。
失敗ではない例② 麹の芯が残っている
醤油麹を作る上で、1週間以上たっても麹の芯が残ってしまったまま…というのも、よくあることです。
醤油麹づくりには、常温で放置して作る作り方と、炊飯器やヨーグルトメーカーなどの保温機能を使って作る作り方がありますが、麹の芯が残ってしまうケースは後者に起こりやすい現象です。
常温で作る場合はあまり起きないトラブルですが、麹の芯が残っているくらいなら全然大丈夫!まだ失敗ではありません。
失敗ではない例③ 甘みがなくてしょっぱい
醤油麹の最大のメリットである、うま味と甘みが上手くでない…というのも、あるあるです。
この原因は、麹菌の酵素が上手く働かず、発酵が進んでいないことが考えられます。
発酵が上手く進むようにサポートしてあげれば、ここからうま味と甘みを出すことができます。まだ失敗ではありません。
失敗ではない例④ セメダイン臭がする(除光液っぽいにおい)
醤油麹を作っている途中で、セメダイン臭がしてしまうことがよくあります。
この原因は、醤油麹の中の菌のバランスが崩れ、一定の菌が大量発生していることが考えられます。
ちゃんとケアしなおせば、菌のバランスを整えて、セメダイン臭を消すことができます。まだ失敗ではありません。
失敗ではない例⑤ 白いカビ(?)が表面に浮いている
醤油麹の表面に浮いている白いカビのようなものは、「産膜酵母」と呼ばれる酵母菌です。
産膜酵母も怖がる必要はなく、ここから消すことができます。まだ失敗ではありません。
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醤油麹を成功に戻す方法3選
失敗ではない例を成功に戻す具体的な方法は、以下の3つです。
この3つの方法を試せば、先ほど紹介した「失敗ではない例」から成功へリカバリーできます!対応表はこちら!
醤油麹を成功に戻す方法 | 解決できる失敗例 |
---|---|
方法① 醤油を足す | 失敗ではない例① 水分量が少ない(パサパサ) |
方法② あたためる | 失敗ではない例② 麹の芯が残っている 失敗ではない例③ 甘みがなくてしょっぱい |
方法③ かき混ぜる | 失敗ではない例④ セメダイン臭がする(除光液のにおい) 失敗ではない例⑤ 白いカビ(?)が表面に浮いている |
一つずつ見ていきましょう。
方法① 醤油を足す
醤油麹の水分量が少なくてパサパサの場合は、迷わずに醤油を足しましょう。
発酵食品に慣れてない人は、途中で水や醤油を足すことを恐れることが多いですが、そんなに恐れなくても大丈夫。途中追加も可能です。
通常、醤油麹を作るときは、醤油と麹の量を同じにするのが基本です。
【醤油麹の材料例:生麹の場合】
①醤油:100cc
②生麹:100g
ただし、これは麹が生麹であり、比較的新しい場合。
麹の種類には、生麹のほかに乾燥麹があり、乾燥麹を使う場合は醤油の分量は通常の倍が基本になります。
【醤油麹の材料例:乾燥麹の場合】
①醤油:100cc
②乾燥麹:200g
また、基本の分量を守っていたとしても、麹の古さやそれまでの保存方法の違いによって、必要な醤油の量が変わることがあります。
最初は基本量を守って入れ、その後の麹の状態を見て、臨機応変に醤油を足しましょう。
この際に注意したいのは、醤油の入れすぎです。
実は醤油を足しすぎる方がいます。入れすぎると発酵しずらくなって、甘さやうま味がでなくておいしくなくなっちゃう…
容器の大きさや形も加味して、醤油の最大量は麹ひたひたぐらいまでを守りましょう。
方法② あたためる
醤油麹の水分量に問題がなく、麹の芯が残っていたり、甘みやうま味が弱い場合は、醤油麹をあたためましょう。
芯が残る、そして甘みやうま味が出ない理由は、発酵が弱いからです。
麹菌が持っている酵素の力が弱く、麹のでんぶんやタンパク質をブドウ糖やアミノ酸、そしてビタミンなどに分解できていないことが考えられます。
麹菌は50~60度ぐらいが一番活発に活動するので、その温度に近い環境を作って、発酵を手助けしましょう。
あたためるっていっても、お鍋に入れて、沸騰させちゃだめよ。多少時間はかかるかもしれないけど、放置したままでも大丈夫。少しずつ発酵は進みます。
少し発酵しやすくするなら、以下の方法もおすすめです。
①直射日光が当たらない、少し暖かい場所に移す
②容器ごと60度程度のお湯をはったボウルに入れて、2~3時間放置する
特に冬の間、寒い地域にお住いの方は、発酵に時間がかかることもありそうなので、気温の管理をしてあげてください。
方法③ かき混ぜる
醤油麹の水分量や発酵のスピードに問題はないけど、ちょっと変な臭いがし始めたり、白いふわふわしたものが浮いていたら、醤油麹をしっかりかき混ぜましょう。
醤油麹には「産膜酵母(さんまくこうぼ)」と呼ばれる、酵母菌の一種が生えることがあります。
毎日1回、きちんとかき混ぜていれば、これらが悪さをすることはありませんが、ほったらかしにしていると増殖しすぎてしまい、いやな臭いや白っぽいカビのようなものが生えるようになります。
毎日1回きちんと混ぜていれば、自然と臭いも白いふわふわも消えていきます。
醤油麹を1回で成功させる作り方&コツ
次回、醤油麹を作るときは絶対に1回で成功したい!コツってある?
まかせなさい、コツ、あるよ!絶対に失敗したくない人、発酵食品に慣れていない人はこの3つを検討してみてください。
醤油麹を1回で成功させるコツは、3つあります。
一つずつ見ていきましょう。
醤油は「本醸造」を選ぶ
醤油麹を1回で成功させたいなら、醤油は本醸造方式を選ぶのが無難です。
本醸造方式とは、酵母や麹菌、乳酸菌などの菌の力だけで自然発酵させたもの。
本醸造方式
=酵母や麹菌、乳酸菌などの菌の力だけで自然発酵させたもの
=原料は大豆、小麦、塩だけで、添加物が入っていない
ほかに「混合醸造方式」や「混合方式」があります。
混合醸造方式
=本醸造方式で作られたもろみに、アミノ酸液などを加えて発酵させたもの
=原料は大豆、小麦、塩のほかにアミノ酸や保存料、アルコールなどが入っている
混合方式
=すでに出来上がった生醤油(生揚げ醤油)に、アミノ酸液などを混ぜたもの
混合醸造方式や混合方式が悪いわけじゃないんです。ただ、発酵菌の発酵を邪魔するものが入っている可能性があるため、醤油麹づくりには向きません。
醤油麹を作ろうとすると、多くの方があまり買ったことがない「麹」にはかなり気を使います。
でも、醤油はいつも使っているものを適当に使うことも多いのではないでしょうか?
たしかにどの醤油でも大丈夫なことが多いのですが、絶対失敗したくない!と思うなら、本醸造方式の醤油を使うのがおすすめです。
よく質問されるのは「減塩醤油」です。保存料やアルコールが入っているものも多く、失敗している方もいたのであまりおすすめはしないかも…。お砂糖やだしが入っている調味醤油もおすすめはしません。
麹は「生タイプ」を選ぶ
醤油麹を1回で成功させたいなら、麹は生麹を選ぶのが無難です。
乾燥麹でも醤油の量をちゃんと2倍にするなら問題ないのですが、忘れちゃう方が多い気がするんですよね…。
乾燥麹を使う場合は、途中でパサパサになるのが当たり前なので醤油を継ぎ足すことを忘れないでください。
また、乾燥麹の場合は長く保存できることもあり、家に置きっぱなしにしていて半年近くたった麹を使って醤油麹を作られる人もいます。
この場合、保存状態によっては酵素の力が弱って、発酵しずらくなるので注意が必要です。
生麹だとそもそもそんなに保存できないから、失敗が少ない…っていうのはたぶんあるあるだと思います。乾燥麹はすごく便利だから、わたしはよくつかうんだけどね。笑
1日1回必ずかき混ぜる
醤油麹を1回で成功させたいなら、なにはともあれ1日1回かき混ぜれば、どうにかなります。
本当の失敗例(カビと臭い)を最初にご紹介しましたが、本当の失敗の原因は1日1回かき混ぜることを忘れてしまったのが原因です。
手遅れにならないうちにかき混ぜるのさえ忘れなければ、リカバリーは可能なんです。
1日1回かき混ぜることを忘れて、数日放置すれば、恐ろしいカビや臭いを放つことがあるので注意しましょう。
それでもどうしてもかき混ぜるのを忘れてしまう、面倒になってしまうという方は、わざわざ容器を開けてかき混ぜなくても問題ありません。
かき混ぜるのが面倒な人は、スクリュー式の蓋がついた、しっかり閉められる容器を使って毎日振るだけでも大丈夫です。
わたしはいつもジップロックのスクリュー式のタッパーで作って、ふりふりすることが多いです。ずぼらさんにはおすすめ。
醤油の量はきちんと測る
発酵食品づくりになれてくると、そんなに厳密に分量を量らなくてもできてしまうことに気が付き、アバウトになってくるもの。
しかし、特に醤油麹の場合、醤油の量が少なすぎることによる失敗例が多いので、油断は禁物です。
とても気持ちはわかります…わたしも雑だから気をつけないと…笑
もちろん後からリカバリーも可能なので、そのつもりであれば問題ないのですが、1度で成功させたいと思っているのなら、最初の軽量を雑に行わないことも成功のポイントです。
まとめ:醤油麹、コレって失敗?パサパサ、臭い、白いカビ…
基本的に醤油麹は失敗が少ない発酵食品だといわれています。
醤油麹の失敗の見極め方はかんたんです。
本当の失敗例は以下のとおり。
実は失敗ではないよくあるパターンは以下のとおり。
失敗ではない例を成功に戻す具体的な方法は、以下の3つです。
さらに対応表は以下の通り。
醤油麹を成功に戻す方法 | 解決できる失敗例 |
---|---|
方法① 醤油を足す | 失敗ではない例① 水分量が少ない(パサパサ) |
方法② あたためる | 失敗ではない例② 麹の芯が残っている 失敗ではない例③ 甘みがなくてしょっぱい |
方法③ かき混ぜる | 失敗ではない例④ セメダイン臭がする(除光液のにおい) 失敗ではない例⑤ 白いカビ(?)が表面に浮いている |
後からリカバリーする前提であればアバウトでもよいのですが、醤油麹を1回で成功させたい方は、以下の成功のコツも念頭に置いておきましょう。
参考にしてみてね。
発酵を体系的に勉強したくなったら…
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