【この記事で解決できるお悩み】
酢玉ねぎって、効果ある?
酢玉ねぎダイエットは効果がないと言われる理由は?
ダイエット効果・血圧安定効果を高めるための作り方のコツが知りたい!
この記事では、こんなお悩みを解決します!
NHK総合で放送されている健康番組の「ためしてガッテン」「サタデープラス」など、数多くのメディアで特集を組まれてきた「酢玉ねぎ」。
「酢玉ねぎは痩せる」とか、「酢玉ねぎは代謝が良くなる」と言われることが多い酢玉ねぎですが、食べるだけで病気が治ると言い切っているメディアも多く、その科学的根拠が疑われています。
今回は、そんな酢玉ねぎの効果を徹底解剖!
「酢玉ねぎ、効果なし説」を含め、酢玉ねぎダイエットおよび健康法の効果効能を整理してみました。
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この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
酢玉ねぎとは?
「酢玉ねぎ」とは、読んで字のごとく、日本の発酵調味料である「酢」と「玉ねぎ」を合わせたもの。
酢玉ねぎ=酢に玉ねぎを漬けて作る玉ねぎのピクルス
この2つのコラボが健康や美容に効果があると言われているのはもちろん、一度作ってしまえば腐りにくく、保存もしやすいので健康・美容おかずとして人気です。
サラダに入れてアクセントにしたり、漬物代わりに食べたり、らっきょうの代わりにカレーの口直しにしたり…食べ方はいろいろ!作り置きできるのも便利です。
酢玉ねぎの作り方
酢玉ねぎの作り方は、とてもシンプルです。
ここでは一般的な基本の酢玉ねぎの作り方をご紹介します。
基本の材料
酢玉ねぎの材料は、玉ねぎと酢、そしてはちみつだけ。
玉ねぎ:1個(約150g)
酢:大さじ5
はちみつ:大さじ1程度
お酢には米酢、黒酢、玄米酢、リンゴ酢などいろいろな種類がありますが、基本的にはなんでもOKです。
好きなお酢を使って作ってみてください。
いちばん食べやすいのは、フルーツのさわやかな酸味が香るりんご酢かも。酢玉ねぎダイエット用にりんご酢を使った酢玉ねぎを手作りする方も多いようです。
基本の酢玉ねぎの作り方
1:玉ねぎの皮をむいてスライスする
2:はちみつと酢を混ぜる
3:ふた付きのガラス製の容器にはちみつと酢を混ぜたものを入れて、玉ねぎを漬けておき、2~3日おいたら出来上がり
この簡単さ&手軽さも人気の秘密です。
作り置きしておいて、ちょっと野菜が足りないなと思った時に、おかずの1品として添えられるのがよいところ。
もっと気楽にたまねぎの皮の成分を摂りたい人は、お茶もおすすめ!習慣にしやすいよ。
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「酢」の効果効能
お酢の主成分は、酢酸です。
酢酸はお酢に含まれる酢酸菌の発酵によってつくられます。この工程を「酢酸発酵」といいます。
酢酸
=酢酸菌の発酵によってつくられる
=腸内環境を整える効果がある
=血圧や血糖値上昇を抑える効果がある
=インスリンの過剰分泌による脂肪蓄積を抑制する効果がある
酢酸発酵によって作られた酢酸がもたらす期待効果を整理してみましょう。
腸内環境改善効果
善玉菌が暮らしやすい腸内環境を作りたいなら、酸性に傾けておく必要があります。
酢酸は腸内環境を酸性に保ち、善玉菌が優勢の腸内環境を作るサポートをしてくれます。
血圧を下げる効果
酢酸が含まれるお酢を定期的に飲み続けると血圧を下げる効果があるとの報告があります。
2003年に日本で発表された研究(※1)によると、血圧が高めの人64名に酢酸750mgを含む飲料を1日1本(100ml)、10週間摂取してもらったら、その7割の方に血圧降下作用が認められたことがわかりました。
個人差はありますが、血圧が高い人は750mgの酢酸を含む食酢を毎日飲むと、血圧を下げる効果があると期待されています。
血圧が高くない人が飲んでも血圧が下がる効果はなかったという研究結果もあるし、血圧を下げる効果には個人差はありそうです。試しにやってみるのはありだよね。
ダイエット効果・脂肪燃焼効果
お酢に含まれる酢酸750㎎(大さじ1杯の食酢約15ml)を毎日摂取すると、中性脂肪が減るという報告(※2)があります。
12週間毎日続けて摂取したら、多くの方の内臓脂肪、体重、腹囲、BMI、血中中性脂肪が減少したとのことです。
【12週間の平均減少率】
内臓脂肪:4.9%
体重:1.6%
腹囲:1.5%
BMI:1.5%
血中中性脂肪:18.2%
酢玉ねぎダイエットの効果の根拠の一つは、この酢に含まれる酢酸の効果です。
酢酸菌が作ってくれる酢酸の力って本当にスゴイ!ダイエット中の方は酢玉ねぎダイエットも試す価値ありそうです!
「玉ねぎ」の効果効能
酢玉ねぎのすごいところは、健康効果や効能が注目されている「酢」と「玉ねぎ」の両方の利点を一気に摂取できるところです。
玉ねぎにはフラボノイド、ポリフェノールの一種のケルセチンが含まれています。
ケルセチン
=ポリフェノールの一種
=腸内環境を整える効果がある
=血流を改善し、動脈硬化を予防する効果がある
=体脂肪を減らす効果がある
ケルセチンは特に玉ねぎの薄皮に多く含まれています。
ケルセチンは水溶性なので水にさらすと成分が逃げちゃうらしい…!ケルセチンを多く採りたいなら水にさらした玉ねぎより、玉ねぎの皮を使ったお茶などのほうがより多く採れそうですね。
まだマウス実験が多いところではありますが、ケルセチンには腸内環境を整えたり、血流を改善して、血液をサラサラにしたり、体脂肪を減らす効果が期待されています。
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ケルセチンに期待できる効果を整理してみましょう。
糖尿病予防効果
2007年に国立植物茶科学研究所などを含む研究チームが発表した報告(※3)によると、マウスにたまねぎを含むエサ(ケルセチン0.023%)を12週間あたえたところ、血糖値や酸化ストレスが改善されたことが分かりました。
このことから玉ねぎには抗酸化作用や糖尿病予防効果があることが期待されています。
ケルセチンだけではなく、植物に含まれるポリフェノールには高い抗酸化作用があることが注目されています。腸内環境にもいい影響を与えるという報告もあるよ!
ダイエット効果・脂肪燃焼効果
サントリーのグローバルイノベーションセンターの報告(※4)によると、ケルセチンが配合された清涼飲料水を12週間飲んだ人の脂肪の面積が大きく減ったこともわかっています。
そのメカニズムはシンプルです。
口から採ったケルセチンが脂肪細胞組織に潜む脂肪分解酵素のリパーゼに働きかけて、脂肪の分解を促進するというもの。
リパーゼ
=中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解するのをサポートする酵素
玉ねぎの効果効能は、ケルセチンに由来するものだけではありません。
例えば、玉ねぎ独特の辛み成分である硫化アリルは、疲れた身体を元気にしてくれるビタミンB1の吸収を高め、新陳代謝アップに役立つことが知られています。
また、他にもセレンというミネラルが豊富に含まれ、老化や動脈硬化の防止効果が期待できます。
加えて、玉ねぎは水溶性の食物繊維が豊富なため、便秘にも効果があるとされています。
腸内環境にも良くて、リパーゼを活性化させてくれるかもしれない酢玉ねぎ…ちょっと期待しちゃうなぁ…。このように酢玉ねぎにはいろいろなエビデンスがありますが、一方で効果なし派の意見も多いんです。
酢玉ねぎ効果なしと言われる理由
「酢玉ねぎ効果なし説」が注目されたきっかけは、2015年6月18日号の週刊文春「タマネギ健康法にダマされるな!」という特集だと言われています。
この特集には、酢玉ねぎをはじめとする、玉ねぎ氷や玉ねぎ紅茶などの玉ねぎ関連にフォーカスを当てた健康法を提唱していた、周東寛南越谷健身会クリニック理事長の周東寛先生へのインタビューが掲載されていました。
そのインタビューの中で科学的な根拠(エビデンス)を問われたところ、動物実験のエビデンスが多かったこともあり、一部から「酢玉ねぎ効果なし説」も浮上するようになりました。
具体的に上がっている疑問は、以下のとおり。
酢玉ねぎに含まれるケルセチンは、微量で意味がない
ケルセチン自体に脂肪燃焼効果やダイエット効果があることを示すエビデンスは、とても多いです。
しかし、そもそも玉ねぎにどれだけのケルセチンが含まれているかはわからないというのが、酢玉ねぎ効果なし派の意見。
また玉ねぎのケルセチンは水溶性なので、水に溶けやすいことでも知られています。
酢玉ねぎを作るときに水にさらした玉ねぎを使うと、ケルセチンの多くが逃げてしまう可能性が高いのです。
酢玉ねぎを習慣的に摂る場合、玉ねぎのケルセチンだけではなく、お酢の酢酸など他にもいろいろな利点がありますので、ケルセチンにそんなにこだわる必要はないのかもしれません。
しかし、ケルセチンだけの効果を期待する人は、そもそも水にさらした玉ねぎでいいのか、という問題があります。
ケルセチンだけをピンポイントで採りたいなら、酢玉ねぎよりケルセチン量を増やしたお茶のほうがよいかも?!
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酢玉ねぎは糖質が多いので、糖尿病予防に向かない
糖尿病予防に聞くと言われている酢玉ねぎですが、そもそも玉ねぎには糖質が多いため、期待しすぎは心配だというのが、酢玉ねぎ効果なし派の意見です。
玉ねぎの糖質は、中玉1個につき約10gですが、これは食パン1/2枚と同じです。
玉ねぎの糖質=食パン1/2枚の糖質
加えて、酢玉ねぎにすることではちみつも入れてしまうので、結果的に糖質は多めのおかずになりがちです。
糖質の観点からみると、食べ過ぎは良くありません。
糖尿病予防効果を期待する人は、はちみつは入れずに、だしで味付けをするのがおすすめ。サーモンやタコなどの魚介類のマリネと一緒に食べると、甘さはいらないですよね。
酢玉ねぎの効果を体感できるまでに一定の時間が必要だから
酢玉ねぎの効果はいつから体感できるの?
期待する効果によるけど、口コミを見ると大体2週間~1か月ぐらいかかりそうだよ。
酢玉ねぎの効果が体験できるのは、期待する効果や実施内容によって大きく異なります。
そして、そんなにすぐ効果があるとは言えないのも酢玉ねぎの特徴です。
酢玉ねぎはお薬ではありません!笑 普通のおいしいおかずなので、そもそもすぐ効果があるはずはないのよね…ちなみに実際に酢玉ねぎを食べている人の口コミを見てみると…
ダイエットが目的の場合
ダイエットが目的の場合は、約1か月で効果を体感できたと報告する人が多いようです。
2週間ぐらいでなんとなく「あれっ?」って感じるみたいだけど、効果を体感できる人とできない人の差が激しいみたい…。
血圧の安定が目的の場合
血圧の安定が目的の場合は、約2週間で効果を体感できたと報告する人が多いようです。
ダイエットよりも血圧のほうが酢玉ねぎの効果を感じやすいのかもしれません。
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酢玉ねぎダイエットの口コミ
そんな酢玉ねぎを使ったダイエットですが、エビデンスが弱いという指摘があるものの、ちゃんと効果を感じている方もいます。
ここからは酢玉ねぎダイエットを実際にしている方の口コミをあつめてみました。
一つずつ見ていきましょう。
美味しいので続けやすい(習慣化しやすい)
玉ねぎって意外とファンが多い野菜のひとつだよね。私も好き!
ウエスト周りがスッキリした
中年になると、なにをやっても減らないぽっこりおなかが解消できる可能性があるってこと…?驚
代謝アップ効果あり
汗がなかなかかけない人は、一度試してみるのありかも!?
胃腸が弱い人には刺激が強い
玉ねぎは合わない人もいるので、食べ過ぎたり、合っていないくれぐれも無理しないでくださいね。
酢玉ねぎダイエットの注意点
酢玉ねぎダイエットをする際の注意点は、以下のとおり。
一つずつ見ていきましょう。
酢玉ねぎははちみつなしでも効果ある?
酢玉ねぎは、はちみつがなくても酢と玉ねぎの効果が期待できます。
はちみつはあくまで食べやすさのために入れるもの。
酢の物が苦手な人は、糖類を何も入れないと食べにくいのよね…
糖質を増やしたくない人は、はちみつを無理に入れる必要はありません。
料理によっては、はちみつをいれずにだしを入れたほうがアレンジしやすい場合もあるので、自分にとって習慣化しやすい調理法をさがしてみましょう。
また、はちみつには腸にやさしいオリゴ糖が含まれているので、どうせ他の糖類(白砂糖など)を入れるのであれば、はちみつのほうがおすすめです。
血糖値の上昇が気になる方は、はちみつを血糖値を上げにくい甘味料のラカントに置き換えるのもおすすめです。
酢玉ねぎは毎日どれくらい食べたらいいの?
酢玉ねぎを食べる量としては、大体50g/日が推奨されています。
株式会社Mizkanが男女158人を対象にお酢15mlを56日間、毎日飲んでもらう体験プログラム(※5)をしたことがありますが、お酢の量だけでいうと、15mlが一つの目安です。
酢玉ねぎ50gには、お酢は大体大さじ1強(15ml強)が含まれることになるので、ちょうどよい量であると考えられます。
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まとめ:酢玉ねぎ効果なし?ダイエットや血圧への効果効能
酢玉ねぎはお酢と玉ねぎの良い成分を一度に摂取できるため、健康・美容効果が高いおかずです。
お酢の注目の成分は酢酸です。
酢酸
=酢酸菌の発酵によってつくられる
=腸内環境を整える効果がある
=血圧や血糖値上昇を抑える効果がある
=インスリンの過剰分泌による脂肪蓄積を抑制する効果がある
酢酸のおかげで以下のような健康・美容効果が期待できます。
また、玉ねぎの注目成分はケルセチンです。
ケルセチン
=ポリフェノールの一種
=腸内環境を整える効果がある
=血流を改善し、動脈硬化を予防する効果がある
=体脂肪を減らす効果がある
ケルセチンのおかげで以下のような健康・美容効果が期待できます。
しかし、その一方で「酢玉ねぎ効果なし説」も浮上しています。その理由は以下のとおりです。
参考にしてみてね。
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参考文献
(※1)食酢配合飲料の正常高値血圧者および軽症高血圧者に対する降圧効果」(健康・栄養食品研究6(1):51‐68 2003)
(※2)Vinegar intake reduces body weight, body fat mass, and serum triglyceride levels in obese Japanese subjects
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19661687/
(※3)Lowering effects of onion intake on oxidative stress biomarkers in streptozotocin-induced diabetic rats
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18188415
(※4)ケルセチン配糖体による体脂肪低減効果を確認(サントリーグローバルイノベーションセンター)
https://www.suntory.co.jp/sic/research/h_quercetin/
(※5)お酢15ml体験プログラム|株式会社Mizkan
https://www.mizkan.co.jp/health/sunochikara/handa-taikan/