腸内環境が整いやすい食生活をするならば、野菜が必須です。
野菜には、腸内環境によいとされる(腸内細菌のえさになる)食物繊維やオリゴ糖が、たっぷり含まれているから。
もちろんビタミンやミネラル、ポリフェノールなども豊富だよね。
野菜が必要だ!ということはみんなわかってるんだけど、
結構多くの方が野菜サラダの代わりに、野菜ジュースを飲んで、「野菜ジュースを飲んだから大丈夫」と思っている気がします。
ほんとに野菜ジュースは野菜の代わりになるの?
今回は野菜ジュースと野菜の違い、栄養素や吸収率、効果効能についてまとめてみました。
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野菜ジュースは野菜の代わりになるの?
最近は野菜ジュースが進化して、パッケージにこんなこころづよいテキストが書かれていることが多くなってきました。
1日分の野菜が採れる
1日に必要な野菜の1/3が採れる
これは確かに数値上は事実で、嘘偽りはもちろんないの。
ないからこそ、余計に私たちはちゃんと理解しないとだめだなと思ってしまうのです。
「1日分の野菜が採れる」の意味
「1日分の野菜が採れる」や「1日に必要な野菜の〇/〇が採れる」の「1日の野菜摂取基準量」って、いったいどこから来ているのでしょうか?
実はこの「1日の野菜摂取基準量」はとても明確で、厚生労働省が推奨している、「1日の野菜摂取基準量=350g」が基準になっています。
例えば「1日分の野菜が採れる」野菜ジュースの場合、「1日の野菜摂取基準量=350g」を濃縮して作った野菜ジュースのことを意味しているということ。
逆に言えば、この文言だけを見ると、肝心のビタミンや食物繊維のことは、なにも言及していないんです。
すなわち、1日に推奨される野菜と同じ野菜が原料ですが、加工の段階でビタミンや食物繊維が少なくなっている可能性もあるというわけ。
ここがポイント。
そう考えると、野菜ジュースは野菜の代わりになるのか?という問いについては、ちょっと疑問を感じざるをえない気がしてきませんか?
健康トータルコーディネーター企業タニタさんの見解
健康的な食材を使ったレストランの経営や気軽に甘酒などが作れるヨーグルトメーカーの製造、体組成計の開発などを手掛ける健康トータルコーディネーター企業、タニタさんをご存知ですか?
会社として健康本を出されていたりもしていますよね?健康が気になる方なら、一度は「タニタ」という名前を聞いたことがあるんじゃないかな?
タニタさんのコラムには、野菜ジュースに対して、こんなご意見が書かれていました。
さらに「野菜」から「野菜ジュース」に加工する際には、「搾る」「加熱する」という工程を経るため、ビタミンC や食物繊維など、一部の栄養素は減少しています。商品によっては加工により失われた栄養素を添加されているものもありますので、成分表示をチェックしてみましょう。
参考:タニタの健康コラム
そうなんですよね。加工すればするほど、栄養素が失われたり、余計な添加物が入りやすくなってしまうのは、想像に難くないと思います。
野菜よりも野菜ジュースのほうが、たくさん加工している分、いろんなアレンジが加えられている可能性は高くなります。
畑でとれたトマトは、いろんな工場を渡り歩いて、市販できる状態に加工され、市販のトマトジュースになりますが、その工程の中で何が行われているか、普通はすべて明確にできません。
ずっとついていくしかない。笑
不明確という意味でも、野菜ジュースに期待しすぎるのは危険かな?とわたくし、長谷川ろみは思います。
野菜ジュース生産者カゴメさんの見解
実際に人気の野菜ジュースをたくさん生産しているカゴメさんも、ホームページでこのように述べています。
参考:http://www.kagome.co.jp/campaign/honto/nutrition/
あくまで補助!
野菜ジュースを飲んで満足したら困るよって、生産者さんも言っておられるわけです。
野菜ジュースは、野菜の代わりではなく、野菜汁入りのサプリメントの代わりだというお医者さまもいます。
エネルギーやビタミン・ミネラルを補給するには便利だけど、「野菜ジュースを飲んだから、野菜はとらなくても大丈夫」という考え方は、ちょっと違うようですね。
野菜ジュースの選び方
野菜ジュースは限定されたい意味ではあるものの、サプリとしては有効であることがわかりました。
なんにも野菜を食べないよりは、何かをしながらでも野菜ジュースを飲んだほうが、食べ物のバランスは良くなります。
でもね、なんでもかんでも野菜ジュースならいいっていうわけでもありません。
野菜ジュースを野菜の補助として利用するなら、以下の3つの条件は必須です。
・お砂糖やお塩が入っていないこと
・変な添加物だらけじゃないこと
個人的には野菜ジュースのパックの裏に書かれている成分表をみて、なるべくシンプルなものを購入するクセをつけるようにすると良いと思います。
私は何か市販の食品を買うときは、成分表を見るクセがついちゃってます。笑 結構、食品購入の失敗が減るからおすすめです。
野菜ジュースの問題点
ここからは、野菜と野菜ジュースの違いは何なのか、少し整理してみたいと思います。
野菜ジュースは野菜の代わりにはならないけど、生活が乱れがちな方のサポートをしてくれる可能性はあります。
食物繊維が少ない
1つめの問題点は、腸活中の方にとっては、かなり大きな問題。
そう、野菜ジュースは野菜と比べると、食物繊維が少なくなってしまいがちなのです。
例えば、野菜ジュース「野菜1日これ1本」の成分表に書かれた食物繊維を見てみると、食物繊維は2.1gになっています。
炭水化物 15.8g
∟糖質 13.7g
∟食物繊維 2.1g
参考:「野菜1日これ1本」成分表
例えば、野菜ジュース「野菜1日これ1本」に入っている野菜のうちいちばん量が多いトマトとにんじんをそのまま350gとったとして、その食物繊維量はどのくらいになるのか調べてみたら・・・
にんじん 9.45g
参考:大塚製薬 食品に含まれる食物繊維量一覧
わお。やっぱり、ジュースにするとかなり減ってしまうんだ・・・。
野菜ジュースは、口当たりをよくするために不溶性食物繊維を少なくしたり、加工の過程で除去されてしまうことが多いのだそうです。
さすがにトマトやにんじんだけ350gも食べるわけにはいかないので、サラダにしていろんな野菜をとることになると思いますが、どんな野菜を使ったとしても、野菜ジュースよりはかなり食物繊維が採れることになりそうですね。
食物繊維が少なくなると、同じ糖分量でも血糖値が上がりやすくなることが知られています。また、過剰な食欲を抑えてくれる特徴も・・・・。
参考:http://www.dm-net.co.jp/calendar/2015/023630.php
野菜ジュースをサプリメントとして飲むときは、食物繊維をほかでちゃんととることを考えたほうがいいかもしれませんね。
たまーに、毎日野菜は野菜ジュースでとっているから大丈夫!と自信満々な必殺仕事人みたいな方にお会いしますが、たまにならいいけど野菜ジュースを習慣にしちゃうと、やっぱりホルモン分泌含め、ちょっといろいろカラダのバランスが狂いそうで怖いな・・・
ビタミンCが壊れる可能性あり
もう一つ、野菜ジュースにすることで懸念されるのは、ビタミンCが壊れる問題です。
ビタミンCって本当に壊れやすくて、失われやすいんですよね。
加熱してもだめだし、水につければ流れちゃうし。笑
もう、あんまり過敏になってもしょうがないといえばしょうがないんだけど。
野菜ジュースは濃縮還元という方法でつくられています。
濃縮還元とは、野菜や果物を加熱して水分を蒸発させ、ペースト状にしたものに水を足して作られる方法で、どうしても加熱が必要になります。
この時に、脆弱なビタミンCは壊れてしまうといわれています。
しかし、同時にビタミンCを失活させてしまう酵素の働きを止めるためにこの「加熱」が一役買っているという考え方もあるのだとか。
伊藤園さんが東洋経済のインタビューにお答えになった時のコメントです。
参考:https://toyokeizai.net/articles/-/49940
すごーーーーい。
野菜にもよりますが、どっちにしろ古い野菜を食べるとビタミンCは失われているということだから、生の野菜がいいよっていっても、ちゃんと新鮮な野菜を食べないとだめということですね。
スーパーで値引きされたものばかり買ってたらだめなんだ。笑
野菜ジュースは野菜の代わりになるの?まとめ
野菜ジュースは野菜の代わりにはなりません。笑
でも、あくまで野菜の補助、野菜汁が入ったサプリメントとして食べるなら、私たちの健康に役立ってくれる可能性があります。
要は、なんでも扱い方次第です。
冷蔵庫に野菜ジュースだけ大量に入れてたらダメだけど、ちょっと野菜が足りてない時や、食べる場所や時間がなくてピンチの時は使えそう。
その場合は、以下のチェックポイントを野菜ジュースの裏に書いてある成分表でチェックしてください。
・お砂糖やお塩が入っていないこと
・変な添加物だらけじゃないこと
あと、野菜ジュースはどうしても食物繊維が少なくなりがちなので、他の食材でカバーすることを意識するのは大切です。
また、野菜サラダをきちんと食べるにしても、ちゃんと新鮮な野菜を選びたいですね。
腸活の参考になればさいわいです♪