【この記事で解決できるお悩み】
プロテインに飽きてしまった…ヨーグルトでタンパク質を摂ったらだめ?
筋トレ時のヨーグルトは、筋肉づくりに効果的ってほんと?
筋トレ効果を高める、賢い乳製品の摂り方は?
この記事では、こんなお悩みを解決します!
筋トレ中の方にとって重要な栄養源と言えば、タンパク質。
プロテインで摂るのが一般的ですが、味に飽きてしまったり、おいしく飲めないという悩みも多いようです。
筋トレ効果を高めるタンパク質として、ヨーグルトを摂るのはだめなのでしょうか?
そこで今回は、筋トレ中のヨーグルト効果を徹底解説!
プロテインに飽きたら知っておきたい乳製品と筋肉の関係をまとめてみました。
発酵を体系的に勉強したくなったら…
発酵ライフ推進協会オンライン校へ
\仕事に繋がる無料サポートもたくさん(*´ω`*)/
この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
筋トレ効果を高めるタンパク質、ヨーグルトで摂ったらだめ?
質の良いタンパク質をどれだけとるか。タンパク質の採り方は、筋トレ中の大きな課題のひとつです。
タンパク質を多く含む食品には、肉、魚、大豆、乳製品、卵など、いろんな種類がありますが、筋トレ中はどうしても肉や魚の摂取量が増えて、腸内環境が乱れがち。
筋トレ中の方に、腸活の相談を持ち掛けられることがとても多いです。タンパク質を多くすると、おなかの調子が悪くなりやすい方が多いみたい。
そこで、最近は、乳製品を発酵させたヨーグルトでタンパク質の一部を補おうとする方が増えています。
ある意味、ヨーグルトは筋トレ中の方の味方になってくれるお助け食材のひとつ。
詳しく見ていきましょう。
ヨーグルトは筋力の増加に効果あり
筋肉量を増やすには、運動(筋トレ)と適切なタンパク質の摂取が不可欠です。
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020 年版)(※1)によると、大人の男性は1日に約65g、女性は1日に約50gのタンパク質を摂取することが推奨されています。
1日に必要なタンパク質量 | |
---|---|
男性 | 約65g |
女性 | 約50g |
良質なタンパク源を含む食材としては、肉、魚、大豆製品、乳製品、卵などがありますが、調理が必要な食べ物が多いのが難点。
コンビニやスーパーなどでも買える食材を探すと種類が限られてきて、飽きてしまうという悩みも筋トレ中あるあるです。
サラダチキンやゆで卵はタンパク質量が多いのもあって人気です。お手軽さでいうと牛乳やヨーグルトなどの乳製品も人気みたい。
食材 | 個数 | タンパク質量 |
---|---|---|
サラダチキン | 1個 | 20~30g |
ゆで卵 | 1個 | 7~8g |
牛乳 | 1杯 | 6~7g |
ヨーグルト | 1カップ | 6~7g |
ちくわ | 1本 | 4~5g |
サラダチキンは2個/日食べないとだし、ゆで卵だと6~7個/日…。タンパク質って意識しないと不足しちゃうよね…
タンパク質を十分にとるのはとても難しいので、吸収率を高める工夫も重要です。
タンパク質の吸収率を高めるためには、ビタミンB群(特にビタミンB6 )を意識して摂取しましょう。
サラダチキンとブロッコリーを一緒に採ることが多いのは、ブロッコリーにビタミンB6がたくさん含まれているからなんです。
ロイシン含有量が多く、吸収速度が速い
さらに、タンパク質には含まれるアミノ酸に種類があり、なんでもよいというわけではありません。
筋トレ中は、筋肉の合成を促進するアミノ酸「ロイシン」を含むタンパク質が助けになると言われています。
血中のロイシン濃度が上昇すると、筋肉の合成が始まるんだって。
ヨーグルトなどの乳製品がすごいのは、このロイシンが多く含まれているという点。
材料 | タンパク質1gあたりのアミノ酸ロイシン量 |
---|---|
ヨーグルト | 110mg |
牛乳 | 110mg |
ゆで卵 | 97㎎ |
とりのささみ | 97㎎ |
まぐろ(赤身) | 90㎎ |
大豆 | 89㎎ |
乳製品に含まれるタンパク質のホエイは、プロテインにも多く含まれる成分で、アミノ酸のロイシンが多く含まれているのはもちろん、体への吸収が早いという特徴(※3)があります。
筋トレ中のタンパク源としては、ホエイは使い勝手がよく便利!
種別 | 吸収速度 | 腹持ち | 例 |
---|---|---|---|
乳製品系タンパク質 | 牛乳、ヨーグルト、チーズなど 吸収速度が速いので筋トレ前後のいつでもとりやすい | ||
大豆系タンパク質 | 大豆、えんどう豆、豆腐バーなど 食物繊維も豊富な食材が多く、血糖値の上昇を穏やかにする | ||
肉・魚系タンパク質 | サラダチキン、かにかまなど 吸収速度が遅いので、運動後の摂取に効果的 |
乳製品がニガテ&乳糖不耐症でも食べられる
筋トレ中に食べるタンパク源の中でも、乳製品は合う人と合わない人の差が大きい食品です。
なぜなら、アレルギーや乳糖不耐症など、体質によっては食べられない人がいるからです。
しかし、実は同じ乳製品でも牛乳、ヨーグルト、チーズなどの加工形態によって、身体への影響が全く違うのがおもしろいところ。
牛乳が飲めない乳糖不耐症の人でも、ヨーグルトなら食べられる人も多いし、ヨーグルトに遅延性アレルギーが出ていても、牛乳は大丈夫だったり…人によって全く違うんですよね。
自分の体質に合う乳製品を探して取り入れることができるのが、乳製品の便利なところです。
ただし、たまに全乳製品がダメな人もいるので、きちんと検査を受けてみることも大切です。わたしは、乳製品全般に弱い遅延性アレルギー反応が出るんだけど、牛乳よりもさらにヨーグルトのほうが弱いんですよね…
運動後の乳製品は生活習慣病を改善するというデータも
運動後に乳製品を摂ると、筋力の増加につながるという報告(※4、※5)があります。
➀運動のみ→変わらない
➁運動+30分以内にチーズ(18g)か、ヨーグルト(80g)摂取→筋力が微増
➂運動+30分以内にチーズ(18g)と、ヨーグルト(80g×2)摂取→筋力が8%増加
運動して30分以内にヨーグルトとチーズを食べるのがポイントみたい!筋力が8%増加したのはスゴイなぁ…。
また、筋力の増加だけでなく、生活習慣病や老化の原因になる慢性炎症を起こりにくくするという報告(※4)も。
➀運動のみ→変わらない
➁運動+30分以内にチーズとヨーグルト、もしくはどちらか摂取→「慢性炎症」を引き起こす遺伝子を抑制
慢性炎症は、老化や病気の敵です。
慢性炎症を起こりにくくするということは、長期的な健康につながる大事なポイント。
運動後に乳製品を摂るだけで長期的な健康を守ることになるとは…ちょっとびっくり。全体的にバランスのよい食事を目指すなら、プロの献立を採用した宅配食もおすすめだよ!
\ 管理栄養士監修!タンパク質30gをかんたん確保(*´▽`*)/
筋トレ向けヨーグルトの種類は?
では、筋トレ中にとる乳製品、ヨーグルトはなんでもよいのでしょうか?
実はやっぱりギリシャヨーグルトがいいっていう報告が多いんです。
詳しく見てみましょう。
筋トレ向きならギリシャヨーグルトがベスト?
実は、筋トレ後の乳製品の摂取については、牛乳でもヨーグルトでもある程度の効果が期待できるという報告があります。
例えば、2019年にイギリスのラフバラー大学で行われた研究(※6)では、運動後の牛乳の摂取が筋肉の回復を助けることがわかっています。
・運動後の牛乳の摂取は、筋肉の合成を促進する
・運動後の牛乳の摂取は、筋肉痛や筋肉の機能低下を軽減する
・牛乳の運動後の回復効果は、その他の回復系のドリンクと同等であるがコスパが良い
ギリシャヨーグルトの体組成改善効果
さらにカナダで行われた研究(※7)では、12週間の運動後のギリシャヨーグルトとプリンの摂取を比較しています。
・ギリシャヨーグルトは筋力、筋肉の厚さが増加し、体脂肪量が減少する
・トレーニングプログラム中にギリシャヨーグルトを活用すると、体組成が改善される
ギリシャヨーグルトとプリンというかなり差のある比較対象ではあるけれど、ギリシャヨーグルトで体脂肪が減るのはうれしい結果です。
筋肉をつくる賢い乳製品の摂り方
筋肉をつくる賢い乳製品の摂り方のポイントは以下のとおり。
詳しく見てみましょう。
摂るタイミングは運動前がベスト
筋肉をつくるタンパク源として、ヨーグルトを摂取するタイミングは、運動・筋トレの15分~30分前がベストです。
これは、これまでの筋肉量の増加時のエビデンスを確認するとわかること。(運動後がだめというわけではないです)
乳製品からとれるタンパク質は、吸収スピードが速いので運動前でも影響しやすいという特徴があります。
糖分+たんぱく質をとるのが理想
また、運動や筋トレ時はタンパク質だけとればよいと考えている人がいるかもしれません。
しかし、筋トレ時は筋肉の一部が損傷されるため、その回復のためのエネルギー源になる糖質も一部必要になります。
\ 管理栄養士監修!タンパク質30gをかんたん確保(*´▽`*)/
まとめ:筋トレ効果を高めるタンパク質、ヨーグルトで摂ったらだめ?
ヨーグルトは、筋トレ中の方にとって、貴重なタンパク質源のひとつです。
意外に知られていないのが、肉や魚、卵などよりも吸収速度が速いこと。
さらに筋肉増強効果だけでなく、運動後の体のケアや老化・生活習慣病予防にも効果的です。
タンパク質量自体は、肉や魚に劣るものの、バランスのよい筋肉を長期的に増やしながら、体を健康に保ちたい方にとっては、大事なタンパク源のひとつです。
体質によっては食べにくいこともあるので、アレルギーや乳糖不耐症の有無については、きちんと調べてから利用しましょう。
参考にしてみてね。
発酵を体系的に勉強したくなったら…
発酵ライフ推進協会オンライン校へ
\仕事に繋がる無料サポートもたくさん(*´ω`*)/
参考文献
(※1)日本人の食事摂取基準(2020 年版)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
(※2)日本食品標準成分表2020年版(八訂)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
(※3)ロイシンの働き
https://www.dnszone.jp/nutrition_guide/_4-3
(※4)Effects of milk product intake on thigh muscle strength and NFKB gene methylation during home-based interval walking training in older women: A randomized, controlled pilot study
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0176757
(※5)インターバル速歩+乳製品で生活習慣病の予防・改善|信州大学
https://www.shinshu-u.ac.jp/institution/ibs/topics/amhp/nhk.html
(※6)Cow’s milk as a post-exercise recovery drink: implications for performance and health
https://repository.lboro.ac.uk/articles/journal_contribution/Cow_s_milk_as_a_post-exercise_recovery_drink_implications_for_performance_and_health/9613835/1
(※7)Greek Yogurt and 12 Weeks of Exercise Training on Strength, Muscle Thickness and Body Composition in Lean, Untrained, University-Aged Males
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31114790/